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IMAGE LIBRARY 太陽系 - Solar System
Uranus - 天王星
天王星は自転軸が公転面に対してほぼ98度傾き、ほとんど横倒しの状態で太陽を回っている。形成初期に、惑星サイズの天体が衝突したためにこのような傾きになったと考えられている。傾きが極端なため、両極は交互に42年間太陽光を浴びつけ、次の42年間は暗闇に包まれる。1977年、 天王星が背景の星の前を通過した時、その星の光が9回さえぎられたことが地球で観測され、天王星の9本のリングが発見された。1986年、探査機ボイジャー2号が更に2本の新しいリングを発見した。
青緑色の惑星
天王星に最接近する7日前の1986年01月23日、探査機ボイジャー2号が 910万 km 手前から青と緑とオレンジのフィルターを使って撮影した画像を合成したものである。この青味がかった緑色が、我々の肉眼に映る天王星の姿である。天王星の厚くて冷たい、澄み切った大気に含まれるメタンガスが赤色を吸収してしまうからである。画面右に見える暗い縁は昼と夜を別ける明暗境界線で、その先には暗黒の北半球が隠れている。
天王星を覆う霞
天王星の大気は信じ難いほど澄んだ青緑色をしている。1986年01月22日、探査機ボイジャー2号が天王星から 279万 km 離れた距離から、オレンジと短波長メタンと長波長メタンのフィルターで撮影した画像を合成したものである。右側の縁(南極)に見えるピンクと画面の大部分を覆う白っぽいオレンジ色は、天王星の南半球の上に広がる霞の層である。左側の黒味を帯びた青は、かすみが懸かっていない澄んだ大気の領域である。
天王星とリング系
地上の観測で発見された天王星のリングは、内側から6 環、5 環、 4 環、アルファ環、ベータ環、 エータ環、ガンマ環、デルタ環、エプシロン環の名前がついている。探査機ボイジャー2号の観測で、9本の主要リングは細かい塵の帯で囲まれていることがわかった。リングの色は、実際は黒い溶岩か木炭のように真っ黒である。1995年07月03日、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像を、リングがはっきり分かるように画像処理したものである。ピンクの縁の内側に見える濃いブルーは大気で、その他の色は天王星を覆う霞である。
リングのクローズアップ
1986年01月22日、探査機ボイジャー2号が 252万キロの距離から撮影したリングの画像である。一番外側で目立つのがエプシロン環。内側へ向かって、デルタ環、ガンマ環、エータ環と続く。いずれもエプシロン環よりもはるかに暗くて細い。続いて、ベータ環とアルファ環が見える。最も内側の 4 環、5 環、6 環は(拡大画像で)かすかに見える。
天王星の衛星
天王星の衛星(21個)には、イギリスの文豪ウイリアム・シェークスピア(1564~1616)の作品の登場人物から採られている名前が多い。21個の衛星の中で、ミランダとアリエルは多様な表面地形が特徴の衛星である。
衛星ミランダ
ミランダは、シェークスピアのテンペスト(嵐)に登場するヒロインの名前である。画像は、1986年01月24日に探査機ボイジャー2号が撮影したものである。珍しい地形が集まった南極に近い地域には、溝、亀裂、断崖そしてクレーターなどが集中的にみられる。このことから、ミランダは「奇妙なモザイク衛星」と呼ばれている。ミランダは、大隕石の衝突でいくつかに破壊された天体の破片が再結合して形成されたと考えられている。
衛星ミランダの代表的な地形
エルシノーレ・コロナと呼ばれる直径 325 km の競馬場に似た断崖地形で、上の画像の中でひときわ目立つ黒い部分の全体像である(この画像は右に90度傾いている)。これは、ミランダのランドマークともいえる代表的な地形である。画面左下はクレーターに覆われた古い地表である。上の画像と同じく、1986年01月24日に探査機ボイジャー2号により撮影された。
衛星アリエル
アリエルは、テンペストに登場する嵐を起こる魔力を持った妖精の名前である。ミランダに劣らず、多様な地形をした天体である。但し、地形は地球と同じく、プレート・テクトニクスと呼ばれる地殻運動で形成されたと考えられている。1986年01月24日、探査機ボイジャー2号が撮影した。
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