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IMAGE LIBRARY 太陽系 - Solar System

Modified: December 03, 2016

Jupiter - 木星衛星イオ

木星系には、非常に注目を浴びている二つの衛星がある。太陽系で最も火山活動の活発なイオと氷地殻の下に液体の水の海洋が隠されているのではないかと考えられているのエウロパである。今回は、探査機ガリレオが撮影した代表的なイオの画像を紹介する。

イオは、直径 3,630 km の月よりやや大きい衛星である。頻繁に起る火山噴火のため表面は常に再生されるので、太陽系の他の天体のような衝突クレーターは見当たらない。火山活動は、木星の強力な潮汐力がイオの内部に及ぼす影響で起ると考えられている。火口付近の温度は 1,500 ℃ を超える。
 

 

イオの全体像

左は、1996年09月07日と11月06日、高度 48万7,000 km からガリレオの近赤外線カメラが緑と紫のフィルターで撮った画像を人の目で見た場合と同じように処理したものである。表面に黒く見えるのは、ホットスポット呼ばれる火山の噴火口である。白色の部分は硫黄に富んだ霜、赤やオレンジの部分は二酸化硫黄の堆積を示している。

右は、1999年07月03日、高度 13万 km から撮られたもので、前の画像と同じ処理をしたイオの最新画像である。
 

 

火山の噴火

イオは、太陽系で最も火山活動が活発な天体である。ロキ、ペレ、ピランパテラ、プロメシウスなど巨大火山を含めて 80 の火山が確認されている。1997年09月19日、ガリレオが高度 50 km から撮影した画像である。白とグレイの部分は二酸化硫黄の堆積で、黄色とオレンジはおそらく他の硫黄物質であると考えられている。左下の黒いスポットの周りの赤いリングは、新しい噴火(約 1900 ℃)の名残である。赤いリングに挟まれた黒いスポット(右上)は、直径 400 km のピランパテラで、アメリカのアリゾナ州に相当する。ガリレオは9回目の周回で、高さ 120 km まで噴き上がる噴煙を目撃した。地球の火山では考えられない噴火のエネルギーである。
 

 

ピランパテラとプロメシウス

1997年06月27日、高度 60万 km から見た画像で、左縁にピランパテラの噴煙が見える。右上の囲みはその拡大画像である。画面右の中央に見えるのは、プロメシウスの噴火で、右下の囲みはその拡大画像である。この火山は、1979年(探査機ボイジャーの観測)以来噴火を続けていると考えられている。
 

 

木星の影に入ったイオ

1997年05月06日、イオが木星の影に入った時の珍しい噴火の画像である。赤は最も激しく、黄色または緑がこれに続く。赤や黄色のスポットは、高温のマグマが噴出してイオの地表にできた溶岩流または溶岩湖である。
 

 

ピランパテラの噴火

1999年11月25日、ガリレオは1万7,000 km まで接近して、ピランパテラの溶岩が噴き出した瞬間をとらえた、めったにお目にかかれない画像である。幅 100 km 、長さ 290 km の巨大なカルデラの亀裂から溶岩が噴出し、上空 1.5 km の高さまで噴き上がった。地球上では、200~300 m を超えることはまれである。火山の周囲は、450 km にわたり溶岩で覆いつくされた。溶岩があまりにも高温なのでカメラが露出過多となり、画像では真っ白に写っている。
 

 

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