小惑星探査機 OSIRIS-REx 地球スイングバイ観測キャンペーン



米国 NASA のフロンティア計画で採用された小惑星ベンヌを目指すオシリス・レックス(OSIRIS-REx or オサイリス・レックス)探査機の地球スイングバイが近づいてきました。米国同様に国内でも「はやぶさ2」地球スイングバイ同様に観測キャンペーンを行いますが、今回はオシリス・レックスチームとの共同実施となります。
 

日本初? 小惑星探査機「オシリス・レックス」をとらえた!

2017年09月23日午前02時の地球スイングバイに向け、地球に接近しつつあるアメリカの小惑星探査機「オシリス・レックス」を、09月18日夜、鳥取市さじアストロパークにある103 cm 反射望遠鏡(愛称:キラット望遠鏡)でとらえました!おそらく日本初ではないかと思われます。(探査機までの距離は約 224 万 km(月までの平均距離の約6倍)。明るさは20.5等)
” 鳥取市公式ウェブサイト ”
” 観測候補・成果データ(Ja) ”
 

NASA OSIRIS-REx のウェブページで、日米共同キャンペーンが宣言されました!

The Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA), the home institution of several OSIRIS-REx science team members, will also work with the Japan Public Observatory Society and the Planetary Society of Japan to collect imagery from vantage points in Japan.

” September 6, 2017 : Spot the Spacecraft ”
 
 


 

NASA OSIRIS-REx

オシリス・レックスプロジェクトは、当初ディスカバリー計画での採用を目指して提案されましたが、予算規模等の事情により開発時期を大きく遅らせて、2011年にニュー・フロンティア計画により選定されました。

はやぶさ2プロジェクトとは協力関係にあり、採取したサンプルをシェアするなどの取決めが結ばれています。

” オシリス・レックス解説 - 月探査情報ステーション ”
 


背景・経緯

早くから協力関係を構築してきた「OSIRIS-REx プロジェクトチーム」と「はやぶさ2プロジェクト」は、探査・研究だけではなく、一般市民に向けた「教育・アウトリーチ」についても国際協力の一環として関係構築を推し進めてきました。
今回のスイングバイ観測について両プロジェクトが協議を続けた結果、日米での共同観測としてのキャンペーンを実施するという結論に至り、「はやぶさ2地球スイングバイ観測キャンペーン」同様に、プロジェクト側から TPSJ、JAPOS にキャンペーン展開の依頼が届きました。
観測の結果、公開天文台・一般観測家によって得られたデータは、「OSIRIS-REx プロジェクトチーム」に資料として提供させて頂きます。もちろん、キャンペーンチーム側でもキャンペーン成果として広く一般に公開させて頂く予定です。
 


観測好機は2017年09月22日午後22時~23時

一昨年の「はやぶさ2」地球スイングバイの際には、公開天文台と共に、一般の観測家がレンジャーの如く雨の列島を駆け巡り、得られた成果は少なくありませんでした。激走して観測地を求めた観測家たちの後日談としても、とても満足の持てる観測機会であったと述べられています。

さて、今回は海の向こう NASA が実施中のプロジェクトを対象としたキャンペーンです。位置情報は、JPL 発行の「Horizons」から求めます。ご自身で設定される方もおられますが、難しくって「手引き」が必要という方もおられるかと思います。もちろん、国内には「ステラナビゲータ」という秀逸なシミュレーションソフトもありますので、これら含めて幾つかの手順を倉敷科学センター三島和久氏に解説頂きました。

関連情報
” HORIZONS Web-Interface ” - 位置情報
” OSIRIS-REx 地球スイングバイ観測情報 ” - 三島和久氏提供
” 観測候補データおよび観測成果のページ ”
” JAPOS 公開天文台協会 ”
” JAXA はやぶさ2プロジェクト ”
” Spot the Spacecraft ” - OSIRIS-REx 公式ホーム
” キャンペーン参加者からのメッセージ ” - 09/20 一件追記
 


キャンペーン参加の手順

難しい申込み手続きは在りません。事前に「キャンペーンに参加する」という意思をお伝え頂き、観測成果をキャンペーン主催側(TPSJ、JAPOS)に御提供頂くだけです。観測後にデータ提供を申し出て頂くだけでも全く構いませんが、速報体制のなか、速やかに一般に公開するために事前に参加登録くださると助かります。
また、今回も「はやぶさ2スイングバイ観測」の際と同様に、観測体制のご紹介や、観測条件の不成立により観測が適わない場合も、その奮闘記などをご紹介する予定です。まずはご登録ください。
 

以下からお申し出ください。コメント欄に、観測機材や観測地などの情報を頂ければ他の皆さんとの情報共有・交換が可能になるかもしれません。
直接、観測成果をご提供くださる場合は、” tpsj_info@planetary.jp ” に、氏名、観測地、観測機材、コメント等を記載し、撮像データを添付またはダウンロード出来る URL を記載してお送りください。

尚、ご提供頂いた撮像データは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、OSIRIS-REx Science Team、日本惑星協会(TPSJ)、公開天文台協会(JAPOS)の各ウェブで公開させて頂くことをご了承ください。
 


キャンペーンに参加する

コメントは後でお知らせくださっても構いません。その際も、以下のフォームからお願いします。フォームが機能しない場合は、以下のメイルアカウントからお願いします。
tpsj_info@planetary.jp

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コメント


 
 


キャンペーン参加者から


井上毅(オーストラリア)
19日、オーストラリアのサイディングスプリングの 51 センチで狙ってみましたが、残念ながら撮影できませんでした。20 等はさすがに厳しいです。

22日は日本時間で20時30分から0時30分まで望遠鏡を予約しました。日本時間で20時51分ごろ NGC151、24時13分ごろ NGC134の そばを通過するようです。(添付ファイル参照)露出は 60 秒を考えています。インターネット天文台ですので露出のタイミングなど制御がうまくいくか心配ですが、なんとかバックアップ観測ができればと思っています。
 

渡部勇人(三重県)
小惑星による恒星食をメインに観測していて、せんだい宇宙館ホームページに、小惑星による恒星食の観測結果をとりまとめた一覧表を掲載していただいております。同一覧表にも (101955)Bennu を OSIRIS-Rex 探査機が観測することを、NASA の発表当時から掲載しており、地元で天文の講師を依頼された時に、「はやぶさの帰還」や小惑星による恒星食の観測を取り上げて解説したことがあります。

今般のスイングバイが見られるか(撮影できるか)、大変楽しみです。小生の望遠鏡は小口径ですから、光度が暗い場合は撮影できないと思われますが、これまで14等台までは観測できることを確認しており、当日は撮影状況を随時お伝え致したいと考えております(写らない場合も含めて)。よろしくお願い致します。

【観測機材】 13cm 屈折赤道儀(自動導入),ワテック WAT-120N CCD モノクロモジュールによる動画撮影
小口径ですが、高度と透明度が良ければ、14 等台であれば捕えることができると思います。
 

中村太一(ニュージーランド)
OSIRIS-RExの観測は、ニュージーランドの南島にあるダニーデンという町で行う予定です。

機材は、Borg71FLとTeleVueProntoをユニテックのSWAT350に付けて、ノータッチガイドでデジタル一眼レフによる高感度撮影を考えています。普段は、主に広角レンズでのオーロラや星空を含めた風景写真を撮っています。望遠では、日食や月食、Hαで太陽の活動を主に観測してきました。人工衛星を追うことは、ISSが太陽と月面を通過する時くらいしでしたので、スイングバイ時のOSIRIS-RExの観測は非常に楽しみです。
9月は天候が不安定な季節なのですが、晴れると空気が澄んでて、光害が少ないことから暗い星や衛星も観測しやすいので、天候に恵まれることを願っています。
 

OSIRIS-REx の目的

オシリス・レックスが目指すのは、直径500mほどの地球近傍小惑星「ベンヌ((101955) Bennu)」だ。日本の探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」と同様に、小惑星のサンプルを採取して地球に持ち帰るサンプルリターンを行う。小惑星からのサンプルリターンはアメリカの宇宙探査史上でも初のことである...

About OSIRIS-REx
NASA Web

概要・経緯

当初はオシリスという名称であった。2004年にアリゾナ大学とロッキード・マーティンによりディスカバリー計画の11番目のミッションの候補として初めて提案されたが、チャンドラヤーン1号へ相乗りする観測機器が選定されたため採用されなかった。2006年にはゴダード宇宙飛行センターが加わり、同計画12番目のミッションの候補として再提案された...

OSIRIS-REx Overview
NASA Web

イベント&トピックス

TPSJ として最も関心を持つ一般に向けたイベントとしては、やはり探査対象天体である 1999 RQ36 のネイミングコンテストだ。開催当時、旧 TPSJ は解散に至った直後であった。その「穴埋め」を行ってくれたのが、小天体探査フォーラムであった。この経緯が後に TPSJ が再始動する大きな要因ともなったのだ...

Name That Asteroid!
TPS Web

観測情報

今回の観測キャンペーンを成功に導くためには、「はやぶさ2」の際と同様に観測の専門家による「手引き」が必要だ。すでに倉敷科学センター三島氏が着手を始めた。支援体制は十分なものになると確信しているが、何と言っても天候次第。気象条件が成否どちらに「微笑む」かだ...

Read Here
TPSJ Web


Pic UP !
 


 

1999 RQ36 に名前を付けよう!

Name That Asteroid!

全世界の18歳未満を対象に行われていた、 OSIRIS-REx (Origins-Spectral Interpretation-Resource Identification-Security-Regolith Explorer)ミッション探査対象天体である小惑星「101955 1999 RQ36」のネイミングコンテストは、2012年12月31日締め切りとして開催されました。
(以下、当時の原文)このページは保護者の方に見つけて頂くことを前提にしております。こうしたコンテストをお子様が見つけるのは容易ではありませんので、日頃、夜空に興味を持つ、地球の自然に敏感なところがあるなど、保護者の方々がそれぞれのお子様にそうした傾向を見出された場合、今回のようなコンテストには積極的に参加頂くことをお勧めします。

Read Here(別窓で開きます)

事務局から

はやぶさ2プロジェクトや、今回の地球スイングバイ実施を期待される OSIRIS-REx 探査機など、時代は小天体探査真っ盛りですね。まもなく終焉を迎える土星探査機カッシーニにしても、タイタンやエンケラドスなどの衛星(小天体)探査が重要なミッション項目でした。
惑星協会では、日本が行う次世代小天体探査を議論する「MEF 小天体探査フォーラム」と連携して、宇宙機関や研究機関・大学への惑星探査・科学に関する提言、また科学教育機会・手段を国内で幅広く均等に提供できるよう活動を活発化させたいと考えております。

すでに開始した TPSJ 会員としての参加登録、あわせて小天体探査フォーラムへの登録などを行って頂き、皆さんと実際に Face to Face で太陽系探査を議論することが出来たら嬉しいです。

TPSJ 会員登録案内