NASA OSIRIS-REx Mission「OSIRIS(オシリス、オサイリス)-REx 探査機、リエントリ・カプセルの着地点を確実にするためにコースを微調整」

原文 : September 11, 2023 : OSIRIS-REx Adjusts Course to Target Sample Capsule’s Landing Zone

Lonnie Shekhtman posted on September 11, 2023

09月10日、NASAのOSIRIS(オシリス、オサイリス)-REx 探査機は、ACS(姿勢制御システム)スラスタを短時間噴射して探査機本体を地球に向け、09月24日の日曜日に地表から 63,000 マイル(約 102,000 キロメートル)の距離から小惑星ベンヌの岩石と塵を運ぶサンプル・カプセルを放出するためのコースに乗せた。

昨日の軌道調整マヌーバによって、探査機の速度は地球に対して時速 1.5 マイル(時速 1 キロ弱)ほど変化した。僅かではあるがこの重要なシフトが無ければ、探査機とその小惑星からの積荷は地球を通り過ぎていくことになる。
 

Imahe caption :
この図は、09月24日に OSIRIS-REx 探査機がカプセルを放出した後の、探査機とカプセルの地球帰還軌道を示している。黄色い菱形は、探査機の軌道をわずかに調整するマヌーバの日付を示す。探査機の軌道をわずかに調整し、地球に近づき、地球への放出点を目指す。
Credit : NASA’s Goddard Space Flight Center
 

現在の探査機は、カプセルを放出し、MDT 午前08時42分(EDT 午前10時42分、JST 午後23時42分)にカリフォルニア州沖上空の大気圏に突入するよう設定されている。

正確な速度と角度で移動するカプセルは、大気圏突入から約 13 分後にソルトレイクシティの南西にある国防総省のユタ試験訓練場の 36 マイル x 8.5 マイル(58 キロ x 14 キロ)の所定の場所に着陸する。

一方、サンプルカプセルを放出した約 20 分後、探査機はエンジンを噴射して地球を通過し、次のミッションである小惑星アポフィスに向かう: OSIRIS-APEX(オシリス or オサイリス・アポフィス・エクスプローラ:オシリス・アペックスもしくはオサイリス・エイペックス)となる。

OSIRIS-REx 探査機は、カプセルを放出する前にエンジニアが軌道の最終調整が必要だと判断した場合、一週間前の09月17日に再びスラスタを噴射する可能性がある。

探査機は現在、400 万マイル(約 700 万キロメートル)の距離を時速約 14,000 マイル(時速約 23,000 キロメートル)で地球に向かっている。
 

More About the Mission(ミッションの詳細)

Goddard は、OSIRIS-REx の全体的なミッション管理、システムエンジニアリング、および安全性とミッションの保証を提供する。アリゾナ大学ツーソン校の Dante Lauretta(ダンテ・ローレッタ)が主任研究員である。大学は、科学チームとミッションの科学観測計画およびデータ処理を主導している。コロラド州リトルトンにあるロッキードマーティンスペースは、宇宙船を製造し、飛行操作を担う。Goddard と KinetX Aerospace は、OSIRIS-REx 探査機のナビゲートを担当している。OSIRIS-REx は、NASA ニューフロンティア計画の三番目のミッションであり、アラバマ州ハンツビルにある NASA マーシャル宇宙飛行センターによって管理されている。

OSIRIS-REx の詳細については、以下のWebサイトをご覧いただきたい。

OSIRIS-REx | NASA
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office