NASA OSIRIS-REx Mission「2023年09月24日、OSIRIS(オシリス、オサイリス)-REx 探査機が放つリエントリ・カプセル着地までの時間割」

原文 : September 08, 2023 : Here's How Sept. 24 Asteroid Sample Delivery Will Work

Nathan Marder posted on September 08, 2023

09月24日日曜日の早朝、OSIRIS(オシリス、オサイリス)-REx 探査機のサンプル採取カプセルは、2016年の打ち上げ以来初めて地球の大気と対面する。中に収められているのは、2020年にベンヌの表面から採取された推定 8.8 オンス(250 グラム)の岩石質物質で、NASA 初の小惑星サンプルであり、宇宙で採取されたものとしては最大量である。

地球に接近する際、OSIRIS-REx 探査機はサンプル投下のための減速は行わない。地表から 63,000 マイル(約 102,000 km)の距離(地球から月までの距離の約 1/3)に到達すると、地上のオペレーターの指示によってカプセルをリリースし、カプセルは下方の地球大気圏に向かって回転する。リリースから 20 分後、探査機はスラスタ噴射マヌーバによって地球を通過し、小惑星アポフィスに向かう。その時点から探査機は OSIRIS-APEX(OSIRIS-Apophis Explorer)という新しいミッション名が与えられ、太陽系の新たな探査に向けて旅を継続する。
 


カプセルは宇宙空間を約 4 時間飛行した後、時速 27,650 マイル(時速 44,500 キロ)の速度で、東部夏時間(MDT)午前08時42分(PDT 午前10時42分)に地球の大気圏に突入する。これによってカプセルは、地球の大気の圧縮により過熱した火の玉で包まれるが、熱シールドがカプセル内の温度を調整し、サンプルをベンヌの地表に近い温度で安全に保つ。

パラシュートはカプセルの降下を安全な着陸速度にするためのものだ。カプセルが大気圏に突入してから約 2 分後、亜音速に安定して移行するように設計されたドローグ・パラシュートが最初に展開する。その 6 分後、砂漠上空約 1 マイル(1.6 キロ)でメインシュートが展開し、カプセルは 36 マイル × 8.5 マイル(58 キロ × 14 キロ)の着地予定地に運ばれる。タッチダウン時、カプセルは時速 11 マイル(時速 18 キロ)まで減速されている。

大気圏突入からわずか 13 分後、カプセルは七年ぶりに地上に出て、回収チームの歓迎を待つことになる。

Imahe caption :
OSIRIS-REx 探査機がリターン・カプセルを放出してからユタ州の砂漠に着地するまでを示した図。
Credit : Lockheed Martin
 

カプセル着地予定の約 20 分前、まだ地球大気県の外側にいるとき、回収フィールドチームは四機のヘリコプターに乗り込んで砂漠に向かう。カプセルの熱シグネチャーの赤外線の輝きは、カプセルが光学機器から確認できるようになるまで熱測定器によって追跡され、経路を回収チームに与える。回収チームの目標は、地球環境からの汚染を避けるため、カプセルをできるだけ早く着地点から回収することである。

カプセルの位置が特定され、移動用に梱包された後、カプセルはヘリコプターの延縄で予定された着地エリア内の一時的なクリーンルームに運ばれ、そこで初期処理と分解が行われてヒューストンの NASA ジョンソン宇宙センターへの航空機での移動に備える。
 

More About the Mission(ミッションの詳細)

Goddard は、OSIRIS-REx の全体的なミッション管理、システムエンジニアリング、および安全性とミッションの保証を提供する。アリゾナ大学ツーソン校の Dante Lauretta(ダンテ・ローレッタ)が主任研究員である。大学は、科学チームとミッションの科学観測計画およびデータ処理を主導している。コロラド州リトルトンにあるロッキードマーティンスペースは、宇宙船を製造し、飛行操作を担う。Goddard と KinetX Aerospace は、OSIRIS-REx 探査機のナビゲートを担当している。OSIRIS-REx は、NASA ニューフロンティア計画の三番目のミッションであり、アラバマ州ハンツビルにある NASA マーシャル宇宙飛行センターによって管理されている。

OSIRIS-REx の詳細については、以下のWebサイトをご覧いただきたい。

OSIRIS-REx | NASA
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office