The Planetary Report 1996 Archives
火星探査の新たな道を開くマーズ・パスファインダー
NASAの惑星探査の方針が変わる。重厚長大の探査機によるミッションに替わり、「より速く、より良く、より安く」を前提とする新しい探査の途が開かれた。マーズ・パスファインダーはその先駆者である。
探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーの探査
探査機マーズ・オブザーバーの失踪は、惑星探査にとって大打撃であった。しかし、遠からず克服できる打撃であると思われる。重厚長大の探査機の時代はまもなく終わり、「より速く、より良く、より安く」の方針のもとに、惑星探査の新たな途を見出す探査機が現われた。
プロジェクト・ベータ始動、セチ計画の飛躍的前進
待ち望んでいたセチ計画のベータ・プロジェクトが始動した。惑星協会のマクドノーが、新しいセチの可能性について語る斯界の権威の講演の要点を紹介する。筆者は惑星協会のセチ・プロジェクトのコーディネーターであり、教育ソフト「宇宙の冒険II」の作者である。
地球近傍天体、小惑星の探査
地球近傍小惑星は、地球に衝突すると、それは地球文明に終焉をもたらすものともなります。この衝突の脅威を解明し、これにどのように対応できるのか、そのためにも、我々は地球近傍小惑星についてもっと知らなければなりません。
惑星探査の新たな目、CCD 内蔵カメラのテスト
この革命的な性能を作り上げた技術は、電荷結合素子(CCD)と呼ばれる小さな電子ディスクで、入射光を小さな電子パイル(束)に変換してカメラの焦点面に散乱させる。
不意の訪問者、ヒャクタケ彗星
「ヒャクタケ彗星」は、1万7500年ほど前、地球上の最も初期の天文学者が生きていた時代よりはるか前に地球を通り過ぎていった彗星です。1996年1月31日、アマチュア天文家の百武有紀氏がこの彗星を発見しました。
何故、地球近傍天体なのか
地球近傍天体と呼ばれる彗星や小惑星は、見た目にはあまり重要な太陽系の一員のようには思えません。しかし、地球を含む太陽系の歴史とその未来を知る上で際立って重要な存在です。セーガン博士が、その重要性について語ったものです。
何故、火星なのか
火星は、地球に最も近い探査が可能な惑星である。およそ40億年前の火星は、川や湖、そして海洋すら存在する地球に似た気候を持った惑星だったようである。
無人探査 vs 有人探査、来世紀の宇宙競争の行方
かつて人間は、未知の探検には自ら目的地に出かけなければならなかった。しかし、今や科学技術の粋を集めたロボットが、人間の代役を果たすことが出来る。人間か、それともロボットか。未来の太陽系探査に関するフリードマン博士の見解である。
冥王星について
1978年、米国海軍天文台のジェームズ・クリスティーは、冥王星のかすかな円盤に突き刺さった膨らみのように見えるものに気がつき、同僚のロバート・ハーリントンと共に、これは冥王星を回っている衛星に違いないと直感しました。
ガリレオ探査機の果敢な木星大気の測定
木星の大気を直に探査した探査機ガリレオのデータの総括的な分析結果までには、もう暫く時間が必要である。本文は、ガリレオミッションにおける木星大気の観測班のチーフであるリチャード・ヤング氏のレポートである。筆者はNASAのエイムズ研究センターにおける宇宙科学部門の科学者であり、1988年以来、ガリレオ・ミッションに携わっている。
ガリレオが初めて見たガニメデとエウロパの表情
衛星のことはよく分かっていると思う時があります。しかし少し分かるようになると、実際は、ほとんど分かっていないことに気がつきます。ガニメデ探査プロジェクト・チームの科学者達にも同じことが起こりました。
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