The Planetary Report
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月の起源となった大衝突が起こった時、地球は未だ成長過程にあったに相違ない。月を形成する物質を吹き飛ばすには、未完成の地球の方が容易であったかもしれない。このイラストは、月の起源を「大衝突説」と考えるウイリアム・ハートマン博士が描いたものである。画面はクレーターがそここに見られ、大気が形成し始めた初期の地球である。
1970代前半にアメリカのアポロ計画が終わり、対立する旧ソ連が崩壊して以来20年間衰退の一途を辿っていた月の探査計画に、1990年代に入って復活の兆しが見えて来た。アメリカの月探査機、クレメンタインとルナー・プロスペクターが地球に送ってきたデータを基に、科学者は月の全地形図を作成したり地表の組成や磁場の測定を行なうことが出来た。一方、両探査機と地上の観測で得られたデータに既に得られた既存の知識を合わせて、世界の科学界は、1998年12月のカリフォルニア州モントレーにおける会議で提唱された、地球と月の起源に関する様々な疑問を解決すべく新たな挑戦に取り組みはじめた。モントレー会議の詳細は下記のウエブをご覧下さい。
http://cass.jsc.nasa.gov/meetings/orgin98/pdf/program.pdf(リンク切れ)
http://lunar.arc.nasa.gov/(リンク切れ)
月探査の全盛時にニューイングランド州ゴードンの素晴らしい夏に開催された一連の会議で、月の起源が討議された。そして新たな観測により、太陽系以外の惑星系の存在が当たり前と考えられるようになった今年の夏(1999年)、太陽系の起源をテーマとする会議が再びゴードンで開かれる。
http://www.grc.uri.edu/(リンク切れ)
アメリカで月探査に関する検討が再開されている一方、ヨーロッパでも月探査計画が復活した。ヨーロッパ共同連合によるルナーサット・ミッションが打上げに向けて進行中である。
http://lunarsat.lrt.mw.tu-muenchen.de/(リンク切れ)
アメリカでは、探査機クレメンタインやルナー・プロスペクターの探査によりその存在の可能性が示唆された氷を探索するために、月の両極の蔭った地域にローバー(探査車)を送り込む計画が進行している。
http://frc.ri.cmu.edu/mrl/(リンク切れ)
いずれ人類の生命を支える天体となる神秘に包まれた月をより深く理解するため、我々はあらためて月に向かうことになるであろう。月は我々に「go」のサインを送ってきている。
Creating a better future by exploring other worlds and understanding our own.