Space Topics 2025
NASA Blogs (Ja) 日本語訳解説
Artemis(アルテミス)II ロケットの最終部品がマーシャル(MSFC)を離れる
NASA Artemis II SLS「Artemis(アルテミス)II ロケットの最終部品がマーシャル(MSFC)を離れる」
原文 : August 19, 2025 : NASA´s Final Piece of Artemis II Rocket Hardware Leaves Marshall
SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケット向けアルテミスII飛行ハードウェアの最終部品が8月18日、アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターを出発し、今週中にフロリダ州のケネディ宇宙センターに到着する予定だ。同センターではロケットの他の部品との統合作業が行われる。
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オリオン・ステージ・アダプターは、積み上げ準備のためフロリダ州の NASA KSC(ケネディ宇宙センター)へ向かう途中。セミトレーラーで輸送されている。MSFC(マーシャル宇宙飛行センター)で軽量アルミニウムで製造されたこのリング状のオリオン・ステージ・アダプターは、暫定極低温推進ステージとオリオン宇宙船を接続する。
Credit : NASA/Brandon Hancock
MSFC(マーシャル宇宙飛行センター)で軽量アルミニウムで製造されたリング状のオリオン段アダプターは、暫定極低温推進段(the interim cryogenic propulsion stage)とオリオン宇宙船を接続する。リング内部の複合材製ダイアフラムは、オリオンとロケット本体との間のバリアとして機能し、水素などのガスが宇宙船内に流入するのを防ぐ。アポロ計画以来となる有人宇宙飛行を計画する NASA は、宇宙飛行士の宇宙船操作能力をテストする近接操作実証試験を計画しており、その際に宇宙飛行士が使用する補助ランデブー・ターゲットがアルテミス II のオリオン・ステージ・アダプターに設置された。
このアダプターは NASA MSFC(マーシャル宇宙飛行センター)の材料・プロセス研究所で摩擦攪拌接合技術を用いて製造された。SLS ロケットの部品の中で、NASA のエンジニアが完全に製造した唯一の部品である。
このアダプターには複数のキューブサットも搭載される。これらは科学実験や技術実証を目的とした小型ペイロードで、宇宙環境の理解拡大に寄与する。オリオン分離後、アダプター内の航空電子機器ユニットが信号を送信し、予め設定されたタイミングでペイロードを放出する。国際パートナーである韓国、ドイツ、アルゼンチン、サウジアラビアが、アルテミス II 搭載の 4 基のキューブサットを開発した。
NASA KSC(ケネディ宇宙センター)でアルテミス II ロケットの完成が近づく中、チームはアルテミス III の飛行ハードウェア作業を継続している。今秋後半には、NASA MSFC のエンジニアが 3 基目のロケットのオリオン・ステージ・アダプターを反転させ、ダイアフラムを設置する予定だ。
アルテミス計画を通じて、NASA は宇宙飛行士を月へ送り、科学的発見と経済的利益を追求するとともに、初の有人火星ミッションの基盤を構築する。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

