Space Topics 2025
NASA Blogs (Ja) 日本語訳解説
KSC(ケネディ宇宙センター)で Artemis(アルテミス)II クルーが打ち上げ訓練
NASA Artemis II SLS「KSC(ケネディ宇宙センター)で Artemis(アルテミス)II クルーが打ち上げ訓練」
原文 : August 14, 2025 : Artemis II Crew Train for Night Launch Scenarios at Kennedy Space Center
NASA Artemis(アルテミス)II 試験飛行で、四人の宇宙飛行士が月を周回して帰還するのを前にして、フロリダ州の NASA KSC(ケネディ宇宙センター)では、宇宙飛行士と地上チームが、打ち上げ当日に起こりうる様々なシナリオを想定して訓練を行っている。
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左上から)宇宙飛行士 Victor Glover(ビクター・グローバー:アルテミス II パイロット、NASA)、Reid Wiseman(リード・ワイズマン:アルテミス II 司令官、CSA - カナダ宇宙庁)、宇宙飛行士 Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン:アルテミス II ミッションスペシャリスト、NASA)、 宇宙飛行士 Christina Koch(クリスティーナ・コック:アルテミス II ミッションスペシャリスト、NASA)が、2025年08月11日(月)、フロリダ州にある NASA KSC(ケネディ宇宙センター)の Neil A. Armstrong(ニール・A・アームストロング)運用・点検棟から宇宙服を着て出ていく様子。
Credit : NASA/Kim Shiflett
08月11日と12日、NASA の探査地上システム・プログラム・チームと、NASA の宇宙飛行士Reid Wiseman(リード・ワイズマン)、Victor Glover(ビクター・グローバー)、Christina Koch(クリスティーナ・コック)、CSA(カナダ宇宙庁)の宇宙飛行士 Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)は、夜間に打ち上げが行われる場合の打ち上げ当日の運用訓練を行った。宇宙服の着用から発射台への移動、さらに発射カウントダウン中に発射台からの避難が必要となる緊急事態が発生した場合の対応手順を模擬訓練した。
最初の夜間シナリオでは、乗組員が居住区から Launch Complex(発射施設)39B までの約 14.5 キロの移動を再現。到着後、チームは打ち上げ中止を宣言し、宇宙飛行士たちは打ち上げ延期時と同様にクルー居住区へ戻った。このテストは、ケネディ宇宙センターのクルーと地上チーム双方が打ち上げ当日のタイムラインを理解し準備を整えていることを確認するものである。このシナリオの訓練は、2023年09月に実施された昼間のテスト版を補完するものだ。
08月12日には、ケネディ宇宙センターの車両組立棟(VAB)内で緊急脱出システムのデモンストレーションが完了した。宇宙飛行士たちは宇宙服を着用し、クルー居住区を出発して VAB へ向かった。VAB では月ロケットが移動式発射台上で組み立て中である。VAB 内部では、クルーは移動式発射台を昇り、クルー・アクセス・アーム内のホワイト・ルーム(オリオン宇宙船への乗降エリア)へ向かった。
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NASA 宇宙飛行士クリスティーナ・コック(アルテミス II ミッションスペシャリスト)とビクター・グローバー(アルテミス II パイロット)が、2025年08月12日(火)、フロリダ州 NASA KSC(ケネディ宇宙センター)Launch Complex(発射施設)39B において、緊急脱出用バスケットからの脱出訓練を実施。
Credit : NASA/Kim Shiflett
その後、チームは宇宙飛行士と共に様々な緊急シナリオを検証。これには VAB 内での地上訓練における緊急脱出用バスケットの使用練習も含まれた。
実際の緊急時には、移動式発射台と発射台周辺を結ぶ軌道ケーブルに吊り下げられたバスケットが使用される。
チームはその後、発射台周辺に位置するターミナルエリア(発射台 39B)へ移動した。ここは緊急時にバスケットが停止する地点である。到着後、装甲緊急対応車両がチームをケネディ宇宙センターの指定安全区域へ搬送した。
チームは今年後半に予定されているカウントダウン実証試験において、アルテミス II ミッションのクルーと共に、打ち上げ当日の異なるシナリオを再度訓練する機会を得る。アルテミス計画を通じて、NASA は科学的な発見と経済的利益のため、そして人類初の有人火星ミッションの基盤を築くために、宇宙飛行士を月探査に送り出す。これはすべての人々の利益となるものだ。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan


