NASA Artemis II SLS「NASA Artemis(アルテミス)II Orion(オリオン)宇宙船、打ち上げに一歩近づく」

原文 : August 11, 2025 : NASA´s Artemis II Orion Spacecraft Moves Closer to Launch
 

NASA の Artemis(アルテミス)II Orion(オリオン)宇宙船は08月10日、フロリダ州ケネディ宇宙センター(KSC)において、短いが重要な移動を完了した。宇宙船への燃料充填が完了したため、技術者らはオリオンを打ち上げ台へ向かう次の施設へ移動させた。
 

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NASA Artemis(アルテミス)II Orion(オリオン)宇宙船は、2025年08月10日(日)、フロリダ州ケネディ宇宙センター内の打ち上げ中止システム施設に到着し、高さ 44 フィート(約 13.4 メートル)の打ち上げ中止システムとの統合準備に入った。
Credit : NASA/Kim Shiflett
 

チームは、飛行用推進剤を充填していた KSC の多目的ペイロード処理施設(MPPF)から、オリオンを発射中止システム施設(LASF)へ移送した。そこで NASA の探査地上システム・プログラムのエンジニアが、クルー・モジュール上部に脱出システムを統合する。

オリオン宇宙船は05月に MPPF に到着し、技術者らが燃料注入と処理を実施。宇宙船と乗組員が月周回 10 日間の往復ミッションを遂行するために必要な推進剤、高圧ガス、冷却剤、その他の流体を搭載した。アルテミス II の搭乗員はまた、MPPF 内のオリオン船内で数日間にわたる試験に参加し、オリオン乗組員生存システム宇宙服を着用して宇宙船内に入り、ミッション中に操作するすべての機器インターフェースをテストした。

現在 LASF(発射中止システム施設)内では、オリオンは高さ 44 フィート(約 13.4 メートル)の打ち上げ中止システムと統合される。このシステムは二つのセグメントで構成される。打ち上げ中止タワー(中止モーター、投棄モーター、姿勢制御モーターを含む)とフェアリング組立体(乗員モジュールを保護し打ち上げ時の空力サポートを提供するオグイブパネルを含む)である。
このシステムは、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケット上での緊急時に搭乗員を安全に運ぶよう設計されている。統合完了後、オリオン全体のスタックは NASA KSC の車両組立棟(VAB)内 High Bay(ハイベイ)3 へ移送され、月ロケット本体と接続される。

アルテミス II 試験飛行では、NASA 宇宙飛行士のリード・ワイズマン、ビクター・グローバー、クリスティーナ・コック、および CSA(カナダ宇宙庁)宇宙飛行士のジェレミー・ハンセンが月周回飛行を行い、地球に帰還する。本ミッションはNASA アルテミス計画初の有人飛行となる。アルテミス計画は搭乗する米国人を月面へ帰還させるとともに、NASA 及び民間・国際パートナーが将来の火星有人探査に備える基盤を構築する。
 

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2025年08月10日(日)、フロリダ州ケネディ宇宙センターにおいて、アルテミス II 計画用オリオン宇宙船を、マルチペイロード処理施設から打ち上げ中止システム施設へ移送する準備が作業員によって行われた。
Credit : NASA/Kim Shiflett
 

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アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。

NASA SLS アルテミス II ミッション
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office