June 27, 2019 :
MMXに関するフランス国立宇宙研究センター(CNES)との協力が合意されました。近赤外分光計(MacrOmega)、飛行力学の知見、小型ローバー(ドイツ航空宇宙センター:DLRとの共同開発)の提供を受けることについて、開発に向けた準備段階の共同検討を行っていきます。
 

フランス国立宇宙研究センター(CNES, +DLR)との共同開発合意

フランス国立宇宙研究センター(CNES)との火星衛星探査計画(MMX)、および、小惑星探査機「はやぶさ2」に関する実施取り決めの締結について

June 27, 2019 - ISAS/JAXA トピックス

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は06月26日、フランス国立宇宙研究センター(CNES)と、現在 JAXA で検討中の火星衛星探査計画(MMX)における協力、および、小惑星探査機「はやぶさ2」が回収する試料分析に関する協力に合意し、JAXA 理事長 山川宏および CNES 総裁 ジャン=イヴ・ル・ガル氏が両協力の実施取り決めに署名いたしました。両実施取り決めについては、エマニュエル・マクロン(Mr. Emmanuel Macron)フランス共和国大統領の来日の機をとらえ、安倍首相及びマクロン大統領の御臨席のもと、首相官邸にて交換を行いました。
 


 

「火星衛星探査計画(MMX)ミッション検討に関する共同活動についての実施取決め」について

火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration: MMX)の概要
MMXは、火星のフォボスとダイモスと呼ばれる二つの衛星を観測し、うちひとつの衛星から表層物質を採取して地球に帰還する計画で、火星衛星の起源および火星圏の進化の過程を明らかにすることや、今後の惑星・衛星探査に必要となる技術を向上させることを目的としています。MMX は現在探査機の開発に向けた検討を進めており、2024年度の打ち上げを目指しています。

実施取り決めの概要
CNES から、MMX 探査機に搭載する近赤外分光計(MacrOmega)、飛行力学の知見、小型ローバーの提供を受けることについて、開発に向けた準備段階の共同検討を行うことを規定したものです(小型ローバーについては、CNES とドイツ航空宇宙センター(DLR)が共同で検討中)。
 

「JAXA地球外試料キュレーションセンターにおける MicrOmega でのはやぶさ2帰還試料分析に関する協力活動についての実施取り決め」について

小惑星探査機「はやぶさ2」の概要
「はやぶさ2」は、「はやぶさ」の後継機で、C 型の小惑星「Ryugu」(リュウグウ)を探査し、サンプルを持ち帰ることで、地球誕生の謎に加えて、海の水の起源や生命の原材料となった有機物の起源を探るミッションです。
「はやぶさ2」は、2014年12月03日に打ち上げられ、2018年06月に小惑星に到着し表面サンプルの採取を実施。2020年末に地球に帰還する予定です。

実施取り決めの概要
「はやぶさ2」が地球に帰還させる小惑星サンプル分析の性能向上を図るため、JAXA が整備する地球外試料キュレーションセンターにおいて、CNES から設備に組み込む赤外分光顕微鏡(MicrOmega)の提供を受けること、JAXA が取得するデータの共有・管理方法を共同で確立することなどを規定したものです。

JAXA と CNES は、本取決めにもとづき MMX の開発研究フェーズにおいて CNES から MMX への提供を期待する以下の三点の協力内容について、共同検討を行います。

1. 近赤外分光計(MacrOmega)
2. フライトダイナミクス
3. 小型着陸機の搭載可能性検討

なお、本取決めは、JAXA と CNES の両機関長が2015年10月05日に署名した「宇宙プログラム分野における協力に係る JAXA と CNES の間の機関間協定」の下位取決めと位置づけられるもので、JAXA 東京事務所において、田中正朗文部科学省研究開発局長と在日フランス大使館バレッツ公使ご臨席のもと、両機関長により署名式が行われました。
 

上記に先立って同月18日に、ドイツ DLR との協力実施についての取り決めが行われました。
June 20, 2019 - ISAS/JAXA トピックス

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、検討中の火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration : MMX)について、ドイツ航空宇宙センター(DLR)との協力に合意し、2019年06月18日(現地時間)、フランス・パリエアショーの会場において、JAXA 理事 國中均と DLR 理事ハンスヨーク・ディタス(Hansjorg Dittus)および理事ヴァルター・ペルツァー(Walther Pelzer)により実施取決めが取り交わされました。

MMX は、火星のフォボスとダイモスと呼ばれる2つの衛星を観測し、うちひとつの衛星から表層物質を採取して地球に帰還する計画で、火星衛星の起源および火星圏の進化の過程を明らかにすることや、今後の惑星・衛星探査に必要となる技術を向上させることを目的としています。DLRは、MMX探査機に搭載する小型ローバのフランス国立宇宙研究センター(CNES)との共同検討や、ドイツ国内の落下塔を使用した実験機会の提供により貢献するほか、サイエンスを通じたドイツ科学者の MMX への参画を支援します。MMXは現在探査機の開発に向けた検討を進めており、2024年度の打ち上げを目指しています。
 

MMX の科学 | フランス国立宇宙研究センター(CNES, +DLR)との共同開発合意