MMX ミッション概要


MMX(Martian Moons eXploration)は、火星の衛星を探査するミッションです。火星はフォボスとダイモスと呼ばれる二つの衛星を持っており、火星の衛星の表層物質を地球に回収(サンプルリターン)して地球に戻ってくることを想定しています。現時点では、2020年代前半の打ち上げを目指し開発を行っている最中です。
 


 

ミッションの目的

欧米を中心とする各国は、生命の痕跡求め 火星本体探査を推進しています。主たる興味の対象は過去の火星の表面環境ですが、MMX における火星衛星探査では、科学と工学の両面から以下のような目的を検討しています。
 

科学
火星衛星の起源を明らかにし、太陽系の惑星がどのようにできたのかを明らかにする。
火星圏(火星・フォボス・ダイモス)がどのように進化してきたのかを明らかにする。

探査技術
火星圏への往還技術を獲得する。
天体表面上での高度なサンプリング技術を獲得する。
新探査地上局を使用した、最適な通信技術を獲得する。
 

期待される成果

火星衛星の起源として、(A)火星の誕生後に小惑星が捕獲された、(B)火星での巨大衝突(ジャイアントインパクト)で飛び散った破片が集積した、という2つの有力説があり、近接観測とサンプル分析の結果からどちらの起源説かを明らかにする。
衛星近傍からの火星とその周辺空間の観測を通じて、火星表層環境と気候の変動に関わる大気物質循環と散逸のメカニズムを明らかにする。
以上の科学的成果を総合して、惑星科学研究分野における「太陽系生命環境の誕生と持続にいたる条件としての前生命環境の進化の理解」という大目標に向かうことができる。
 

ミッション概要 | ミッションの目的と意義