卒業式 - June 17, 2016


日本に急きょ帰ってから1か月経ち、こちらでは、一挙に上がった気温も落ち着き、過ごしやすい春を今月は味わっています。この前の日曜日と月曜日は、2年前の長女の時と同様に、次女の高校の授賞式および卒業式がありました。このボストンラテン高校は、1635年に創立されたアメリカ最古の公立高校で、その名のごとく、ラテン語が必修の中高一貫制6学年ある進学校です。2年前の私のブログを読まれた方には繰り返しになると思いますが、ご容赦を。

最初の写真は、ハーバード大学のそばにある、サンダース劇場という立派な建物で行われた奨学金授与式の光景です。3階建ての劇場で、式の前には生徒たちのバンドの演奏があり、全校生徒すべてが何らかの奨学金をもらっていきます。左上の部分は、次女がもらっている場面です。演台にいるのが校長先生で、全ての名前を読み上げる大変な役です。380年以上の歴史があるので、ベンジャミン・フランクリンの奨学金とか、100年ほど前の卒業生が設定した奨学金とか、数え切れないほどあり、それがこの高校の強さです。かなりの数、卒業生の数%はハーバード大に行きますし。

下画像:サンダース劇場でのボストンラテン高奨学金授与式。


 

そして翌日の月曜日は、夕方からボストンの海岸近くのブルーヒル銀行パビリオンという場所で卒業式が行われました。次の写真がそのプログラムの抜粋ですが、左上の表紙にあるように、第381年目の卒業式です。1635年創立ですから、清教徒たちがプリマスロックに上陸した1620年から15年後にできたことになります。上陸してから生まれた子供たちが行く頃にできたという感じでしょうか。当時はきっとこのボストンラテンとハーバード大学が定番の進学コースだったでしょうから、両者の深いつながりも理解できるというものです。一方、私が働き、長女が通っているブラウン大学は、ボストンを開いた清教徒たちとは袂を分かった者たちが開拓した州で出来たこともあり、ラテン高からブラウン大へは毎年数人行くかどうかですね。まあ私の勘繰りもあるでしょうが。

下画像:ボストンラテン高の卒業式のプログラム。


 

右側にあるのが、昨日奨学金をもらった生徒たちの名簿の1ページで、うちの次女は一番下のフィッツパトリックという奨学金をもらいました。$700くらいでした。長女はもっといろいろ多くもらっていましたが。そして左下にあるのは、「母校」という校歌で、全てラテン語です。やはりこの学校は何から何まで特別だと思います。

最後の写真が卒業式の会場の光景です。ここは、歌手とかが大きなコンサートを開いたりするところで、1970年の大阪万博を思わせる白いテントの下に固定された多くの席があります。数多くの生徒たちが壇上に上がり、素晴らしい合唱で始まりました。上の図のように、卒業生たちは紫のガウンと帽子をかぶり、一列に入退場しますが、アメリカらしく、下の写真のように、式の最後に帽子を投げる生徒たちがいます。その後で自分のを取り返すのに時間がかかって、お互いに投げ合っている光景も見られます。

下画像:ボストンラテン高の卒業式の光景。


 

今年特別だったのは、ある生徒が、卒業生411人全員の墨絵を書いて進呈したのを記念して、その縮刷版を全員に配ったことです。右下の写真は、次女がそれを見て自分のがどれか探しているところです。最近、この学校では、黒人女生徒が差別を受けたという苦情から始まったデモなどがあり、一人一人が個性ある美しい人間であるということを知らしめるようなこのような試みが評価されました。

これで私の娘たちは2人とも、親の責任としては、あと大学を終えさせて、結婚相手を見つけてくるだけです。最後が一番難関ですが。。。
 

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