NASA Psyche メタル・ワールド・ミッション
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ミッションの概要 - NASA Psyche Mission Overview
小惑星 16 Psyche(プシケ)探査ミッション概要
January 25, 2026 Latest.
Psyche 探査機は何をするのか?
Psyche 探査機は2023年10月13日午前10時19分 EDT(米国東部夏時間)、NASA ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。Psyche 探査機はスペース X のファルコン・ヘビー・ロケットに搭載され、発射施設 39A から離陸した。Psyche 探査機は NASA の科学ミッション・シリーズにおいて、スペース X のファルコン・ヘビー・ロケットで打ち上げられた初の主要ペイロードとなった。
打ち上げから約 1 時間後に探査機はロケットから分離し、約 90 分後の EDT 午前11時50分(日本時間10月14日午前1時50分)にオーストラリア・キャンベラの NASA 深宇宙通信網(DSN)施設との双方向通信を確立した。
「私たちの探査機は小惑星との遭遇に向かっている。これにより知識の空白がまた一つ埋まり、太陽系における新たな世界の姿が明らかになるだろう」と、アリゾナ州立大学(テンピ校)プシケ探査計画主任研究員の Lindy Elkins-Tanton(リンディ・エルキンス=タントン)は語る。
小惑星 16 Psyche(プシケ)の重力は2029年07月下旬に探査機を捕らえ、プシケは08月に主要ミッションを開始する。約二年間にわたり小惑星を周回し、写真撮影、表面の地図作成、プシケの組成を決定するためのデータ収集を行う。
Psyche 探査機の本体は小型バンほどの大きさで、太陽電気推進システムで駆動される。探査機には、プシケ小惑星を研究するための磁力計、ガンマ線・中性子分光計、多波長イメージャーが搭載されている。探査機は小惑星を発見次第、直ちに地球へ画像を送信し始める。
もし惑星形成初期の天体であるならば、小惑星プシケは地球のような岩石惑星の内部構造を間近で観察する機会を提供するかもしれない。地球の金属核や他の岩石惑星の核に直接到達することは不可能だが、プシケを訪れることで、我々の惑星を生み出した衝突と物質の蓄積という激しい歴史を、他に類を見ない形で覗き見る窓となる可能性がある。
科学者らは、最大幅約 280 キロメートルの小惑星プシケが、岩石惑星の構成要素である原始惑星片の鉄分豊富な核の一部、あるいは全体である可能性があると推測している。
この小惑星は別の可能性も秘めている。太陽系のどこかで金属豊富な物質から形成された、全く異なる種類の鉄分豊富な天体の残骸であるかもしれない。プシケは、地球の核や他の内惑星の核がどのように形成されたかを解明する手がかりとなる可能性がある。
The Journey to Asteroid Psyche(小惑星プシケへの旅)
Imahe caption :
NASA Psyche 探査機は、惑星の軌道面から見た軌道を示すこの図のように、螺旋状の経路で小惑星プシケへ向かう。図には主要ミッションの主要なマイルストーンが記されている。
Credit : NASA/JPL-Caltech
Psyche 探査機が同名の小惑星へ向かう航路は、(ほぼ)地球内部の中心への旅と見なせるかもしれない。小惑星プシケは、原始惑星の構成要素である原始惑星核の露出したコアである可能性がある。太陽系形成初期の激しい衝突により、外層を剥ぎ取られた状態かもしれない。
About Asteroid Psyche(小惑星 16 プシケについて)
プシケは1852年にイタリアの天文学者アニバーレ・デ・ガスパリスによって発見された。発見された 16 番目の小惑星であったため、16 プシケと呼ばれることもある。古代ギリシャ神話における魂の女神プシケにちなんで名付けられ、蝶の羽を持つ女性の姿で描かれることがよくある。
プシケは火星と木星の間にある主小惑星帯の外縁部で太陽を公転している。太陽からの距離は地球の約 3 倍である。プシケと地球の公転速度が異なるため、地球からプシケまでの距離は 1 億 8600 万マイル未満から 3 億 7200 万マイル超まで変動する。
プシケは不規則なジャガイモのような形状をしており、この小惑星を赤道で水平に半分に切ると(押しつぶされた楕円を想像してほしい)、最も広い部分の直径は 173 マイル(280 キロメートル)、長さは 144 マイル(232 キロメートル)となる。表面積は 64,000 平方マイル(165,800 平方キロメートル)である。
プシケは密度が高く、立方フィートあたり約 212~256 ポンド(立方メートルあたり 3,400~4,100 キログラム)と推定される。プシケの表面重力は地球よりもはるかに小さく、月の重力さえも下回る。プシケでは、車を持ち上げる感覚は大型犬を持ち上げる感覚に似ている。
科学者らは、プシケが太陽系の構成要素である原始惑星の核から由来する大量の金属で構成されている可能性があると推測している。この小惑星は、太陽系形成期に頻繁に発生した激しい衝突と衝突後の離脱を繰り返した中で生き残った天体である可能性が高い。
データには依然として矛盾点が残るものの、科学的分析によれば、プシュケは岩石と金属の混合物で構成されており、金属が体積の 30 % から 60 % を占めている可能性が高い。この小惑星の組成は、レーダー観測と熱慣性(物体が熱を獲得または再放射する速度)の測定によって決定された。
Imahe caption :
この図は、火星と木星の間の主小惑星帯に位置する直径約 226 キロメートル(140 マイル)の小惑星プシケを描いた、アーティスト・コンセプト。
Credit : NASA/JPL-Caltech/ASU
レーダー観測と光学観測を組み合わせることで、科学者たちはプシュケの 3D モデルを作成した。このモデルは、二つのクレーター状の窪みの存在を示しており、小惑星の表面全体で金属含有量と色に大きな変動があることを示唆している。しかし、この探査機が初めてプシケを間近で観測するまでは、その実際の姿は明らかにはならない。
以下は、ミッション選定直後の概要の一部です。備忘録として残しておきます。
Psyche ミッションは、火星・木星間にあるアステロイドベルトという小惑星群とともに太陽を周回する個性豊かな金属小惑星への旅となります。小惑星プシケが独特で個性ある天体と言われるのは、太陽系の構成要素の一つである惑星形成の初期段階に造られたと思われる、露出したニッケル鉄の存在です。
地球を含む、表面が岩石で覆われている惑星について、研究者は金属コアの存在を推測していますが、これらは惑星表面下の地殻やマントルのさらに奥深くにあるため確認することは出来ません。私たちは地球のコアを直接見ることも、測ることも出来ませんが、小惑星プシケは岩石の表皮を持つ惑星を生み出した激しい衝突や爆発の歴史の中で、独特なサイエンス窓を私たちに見せつけます。
ミッションは、アリゾナ州立大学がコアチームとして運用し、NASA JPL(ジェット推進研究所)は、ミッション管理・運営、航行を担当しています。探査機の太陽電気推進機本体は、ペイロードとしてイメージャ、磁力計、ガンマ線分光計を搭載し、Space Systems Loral(SSL)が製作に当たります。
科学目標
・未解明の惑星形成の層状構築システム、金属コアを理解する。
・地球のような岩石質の表面を持つ惑星の内部を、プシケ探査によって直接調査することが出来る。
・これは新しいタイプの世界を覗き見ることになる。ランデブーによる「その場探査」は初めての挑戦。非岩石質で金属で形成された世界を調査する。
科学目的
・プシケが溶融した金属コアなのか、それとも溶融していない何らかの物質で形成されているのかを判断する。
・プシケ表面の相対的な年代特定を行う。
・小さな金属体に、地球コア同様な軽元素が組み込まれているかどうかを判断する。
・プシケが、地球のコアよりも酸化的または還元的な条件下で形成されたかどうかを判断する。
・地形の詳細を取得する。
ミッションタイムライン
・打ち上げ:2022年(実際は2023年)
・到着までの航行期間:3.5年
・プシケ到着:2026年
・観測期間:21ヶ月のランデブー中に、プシケのマッピングとペイロード機器による観測
ミッションイベント
2022年:フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げ
・2023年:火星フライバイ
・2026年:小惑星軌道に到着
・2026-2027年:小惑星プシケランデブー
科学機器と探査項目
マルチスペクトルイメージャ(Multispectral Imager)
ガンマ線および中性子分光計(?Gamma Ray and Neutron Spectrometer)
磁力計(Magnetometer)
Xバンド重力科学研究(X-band Gravity Science Investigation)
ディープ・スペース光通信(Deep Space Optical Communication - DSOC)
Psyche ミッションは、深宇宙に滞在する探査機と地球との間の通信を確立するために、レーザー通信技術試験を実施します。通常電波に代わり光を使うことで、探査機は与えられた時間内により多くのデータを通信することができます。 DSOC チームは JPL(Jet Propulsion Laboratory)に拠点を置きます。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan



