Space Topics 2025
NASA Mission Release (Ja) 日本語訳解説
Artemis(アルテミス)II 月周回ミッション打ち上げに向けて前進
NASA Artemis II SLS「Artemis(アルテミス)II 月周回ミッション打ち上げに向けて前進」
原文 : November 20, 2025 : NASA Progresses Toward Artemis II Moon Mission
2026年年明けが近づく中、NASA は Artemis(アルテミス)計画初の有人ミッションとなるアルテミス II の打ち上げ・飛行に向け、遅くとも来年04月までに実施するべく前進を続けている。
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NASA の探査地上システムチーム技術者らが、2025年10月18日(土)、フロリダ州ケネディ宇宙センター(KSC)内のロケット組立棟ハイベイ 3 において、Orion(オリオン)宇宙船を SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケット上部にクレーンで吊り上げ固定する作業を実施。これは同機関の Artemis(アルテミス)IIミッションに向けた準備である。2026年に打ち上げ予定のこの宇宙船には、NASA の Reid Wiseman(リード・ワイズマン)司令官、Victor Glover(ビクター・グローバー)操縦士、ミッション・スペシャリストの Christina Koch(クリスティーナ・コック)、および CSA(カナダ宇宙庁)のミッションスペシャリスト、Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)が搭乗し、10日間の月周回ミッションに臨む。積み上げ作業完了後、チームはケネディ宇宙センター内の発射施設 39B へ移動し、ウェット・ドレス・リハーサルに先立ち一連の検証試験を開始する。
Credit : NASA/Kim Shiflett
Orion(オリオン)宇宙船は、打ち上げ中止システムの脱出用タワーを装備した状態で、フロリダ州 KSC(ケネディ宇宙センター)のロケット組立棟(VAB)において SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットとの統合が完了した。宇宙船の積み上げに続き、チームは SLS とオリオン間の重要な通信システムの試験を完了し、ロケット、オリオン、および通信と航法を支援する NSN(ニア・スペース・ネットワーク)および DSN(ディープ・スペース・ネットワーク)とのエンド・ツー・エンドの試験を含め、地上システム間のインターフェースが適切に機能することを確認した。
「NASA は、四名の宇宙飛行士を月周回飛行させ、無事に帰還させる準備に引き続き注力している」と、NASA 代理長官の Sean Duffy(ショーン・ダフィー)は述べている。
「我々のミッションは、月面および火星への将来ミッションの基礎を築くものだ」
今後数週間、エンジニアとアルテミス II の搭乗員は、ケネディ宇宙センターで打ち上げ当日のリハーサルとなるカウントダウン実証試験の第 1 部を実施する。搭乗員は、オリオンの乗組員用サバイバル・システム宇宙服を着用し、ロケットまで移動した後、搭乗員が最近「インテグリティ」と命名したオリオン内に固定され、カウントダウンの最後の瞬間をシミュレートする。ロケットと宇宙船はまだ発射台に設置されていないため、搭乗員は VAB 内でオリオンに乗り込む。この試験は、搭乗員と地上のサポート・チームのためのタイムラインの最終確認として行われる。試験の第 2 部である発射台での緊急事態への準備は、ロケットと宇宙船が発射台 39B に搬出された後に行われる。
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NASA 宇宙飛行士 Christina Koch(クリスティーナ・コック、アルテミス II ミッションスペシャリスト)と残りのアルテミス II クルー・メンバーが、2025年08月12日(火)、フロリダ州NASAケネディ宇宙センター内の車両組立棟(VAB)において、移動式発射台のクルー・アクセス・アーム上を歩行する。
Credit : NASA/Kim Shiflett
アルテミス II の搭乗員と、ミッションの打ち上げ・飛行を担当する地上要員は、四名の搭乗員がフロリダから打ち上げられ、約 10 日間のミッションを飛行する際に発生し得るあらゆるシナリオに備えるため、チームや施設を横断した追加の統合シミュレーションを実施する準備を進めている。
NASA の Reid Wiseman(リード・ワイズマン)司令官、Victor Glover(ビクター・グローバー)操縦士、ミッション・スペシャリストの Christina Koch(クリスティーナ・コック)、および CSA(カナダ宇宙庁)のミッションスペシャリスト、Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)は、今後数か月間、飛行全段階の手順を習得し、様々なミッション・シナリオの訓練を行い、宇宙船のあらゆる要素への習熟を維持するため、多忙なスケジュールをこなす。
アルテミス計画を通じて、NASAは宇宙飛行士を月面探査に送り込み、科学的発見と経済的利益を追求するとともに、初の有人火星ミッションの基盤を構築する。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan


