NASA Artemis II SLS「Artemis(アルテミス)II SLS ロケット・アダプターを移動、出荷準備へ」

原文 : August 22, 2024 : NASA Moves Artemis II Rocket Adapter, Prepares for Shipment
 

Imahe caption :
作業クルーは08月21日、NASA マーシャルの 4708 号棟からパージ船ペガサスに円錐形のロケット・ステージ・アダプターを移動させた。このバージ船は、まず NASA のミックハウド組立施設にアダプターを運び、そこで将来のアルテミス・ミッションのために SLS のハードウェアを追加でピックアップし、その後 NASA ケネディ(KSC)に移動する。フロリダ KSC では、NASA のエクスプロレーション・グラウンド(探査地上)システムズのチームが、アダプターを積み重ねて打ち上げの準備を行う。
Credit : NASA/Samuel Lott
 

NASA は08月21日、アラバマ州ハンツビルにある Marshall Space Flight Center(マーシャル宇宙飛行センター、MSFC)から、フロリダ州にある Kennedy Space Center(ケネディ宇宙センター、KSC)への輸送のため、NASA Artemis(アルテミス)計画で最初の有人ミッションとして使用する SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケット用の宇宙飛行ハードウェアの重要な部分を搬出した。円錐形の打ち上げステージ・アダプターは、ロケットのコア・ステージと上段を接続し、2025年に予定されているアルテミス II の月周回テスト・フライトを推進する上段のエンジンを保護するために活用される。

「ロケット・ステージ・アダプターは、センターで製造されるものとしてアルテミス II SLS では最大のコンポーネントだ。アルテミス II とアルテミス III ミッションの動力源となる SLS ロケットのアダプターは、どちらも NASA マーシャルで完全に生産されている。アラバマ(マーシャル)は、宇宙飛行士を月に再び戻すために重要な役割を果たしている」と、SLS と宇宙船、各ペイロードの統合・進化を担うエレメント・マネージャーの Chris Calfee(クリス・カルフィー)は語った。

クルーは08月21日、NASA マーシャルの 4708 号棟から NASA のパージ船ペガサスにアダプターを移動させた。このバージ船は、NASA KSC に移動する前に、クルーが将来のアルテミス・ミッションのために追加される SLS ハードウェアをピックアップし、ニューオーリンズの NASA ミックハウド・アセンブリ・ファシリティにアダプターを最初に渡す。そのあとフロリダに到着すると、アダプターは最近搬入されたコア・ステージと合流する。そこで NASA のエクスプロレーション・グラウンド(探査地上)・システムズのチームが、スタックと打ち上げのためにアダプターを準備する。

NASA マーシャルのエンジニアリング・チームは、アルテミス III 用のロケット・ステージ・アダプターの統合作業の最終段階にある。ステージ・アダプターは、NASA マーシャルの自己反応型摩擦撹拌ロボットと垂直溶接ツールを使用して、主契約者である Teledyne Brown Engineering と Jacobs Space Exploration Group の ESSCA(エンジニアリングサービスおよび科学能力増強)契約によって製造される。

アルテミス・キャンペーンを通じて NASA は、初の女性、初の白人以外、そして初の国際パートナー宇宙飛行士を月面に着陸させる。SLS ロケットは、Orion(オリオン)宇宙船、それを支える地上システム、先進的な宇宙服や探査機、月周回軌道のゲートウェイ、商業的な有人着陸システムとともに、NASA の深宇宙探査計画の一部である。SLS は、一度の打ち上げでオリオン宇宙船、四名の宇宙飛行士、物資を月に送ることができる唯一のロケットである。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office