NASA Artemis II SLS「NASA KSC 探査地上システム(EGS)チームがアルテミス II 緊急脱出システムのデモを完了」

原文 : August 14, 2024 : NASA Kennedy Team Completes Artemis Emergency Egress System Demonstration
 

ケネディ宇宙センター(KSC)にある NASA の探査地上システム(EGS)プログラムのチームは、四名の宇宙飛行士を乗せて月を周回する Artemis(アルテミス)II の試験飛行に先立ち、Launch Complex(発射場)39B で数日間にわたって緊急脱出システムのデモンストレーションを行った。
 

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2024年08月11日(日)、NASA ケネディ宇宙センター(KSC)の地上支援チームが、発射台 39B で行われた一連の統合システム検証テストにおいて、アルテミス II ミッションの緊急脱出手順の演習を行った。クローズアウト・クルー、パッド・レスキュー・チーム、探査地上システム・プログラムのメンバーが、緊急脱出用バスケットの内側と外側の手順を練習した。実際の緊急時には、クルーやその他の要員が緊急脱出用バスケットに乗って終着駅まで移動するが、今回のテストでは誰もバスケットに乗らなかった。代わりに、各チームは乗客の重量をシミュレートするために、異なるレベルに満たされた水タンクを使用して、それぞれ別々の機会にバスケットをテストした。
Credit : NASA/Kim Shiflett
 

EGS チームは、クローズアウト・クルー(宇宙飛行士がオリオン宇宙船内に搭乗するのを助ける役割を担うチーム)と、緊急時に発射台から離れた人員の避難を支援するパッド・レスキュー・チームとともに、日中と夜間の打ち上げシナリオで緊急手順に沿って訓練を行った。

訓練では、消火システムが完全に作動している状態で、搭乗クルーがオリオン宇宙船に出入りするエリアである移動式ランチャーのクルー・アクセス・アーム内の白い部屋から出ることも行われた。その後、チームは発射台の外周にある、緊急脱出用バスケットが停止する場所であるターミナス・エリアに避難した。このテストでは、クルーはバスケットには乗らなかったが、可動式ランチャーに乗っているときにバスケットの中に入り、終着点でバスケットから出る訓練を行った。その後、緊急対応装甲車が KSC の指定された安全な場所のひとつまでチームを送り届けた。

「我々が実施する最新の統合地上システム試験は、緊急脱出対応能力の総てを実証するものだ」とアルテミス打ち上げディレクターの Charlie Blackwell-Thompson(チャーリー・ブラックウェル - トンプソン)は語った。
「緊急事態が宣言された直後から、搭乗クルーと地上で作業する発射台周辺のクルーを危険区域外に安全に避難させるまでの対応が目的だ」

実際の緊急事態の際、要員は緊急脱出用バスケットを使用する。バスケットは、移動発射台とパッド(発射台)の外周をつなぐ軌道ケーブルに吊り下げられている。そこから長さ 1,335 フィートのケーブルを下り、緊急対応車両が安全な場所まで誘導する。このテストに先立ち、数ヶ月の間、各チームはシステムを検証するために数回のバスケット・リリースのデモンストレーションを実施している。

このテスト・キャンペーン中、アルテミスの打上げチームは、打上げカウントダウン中にパッドで緊急事態が発生した場合、チームメンバーがどのように対応するかを練習するため、緊急脱出デモンストレーション・シミュレーションも実施した。

EGS のチームメンバーは、ロケットが発射台にある打ち上げ間近のテスト中に、アルテミス II のクルーとともに緊急脱出手順を練習する機会を再度持つ予定である。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office