NASA ボイジャー探査機「ボイジャー1号の「読み取り不能データ送信」問題の原因を特定し解決に取り組んでいる」

原文 : April 04, 2024 - Engineers Pinpoint Cause of Voyager 1 Issue, Are Working on Solution
 

昨年11月以来、ボイジャー1号に搭載されたコンピュータ一基のメモリの一部が破損し、探査機の科学・工学データが読み取れないまま地球に送信されていることが、エンジニアによって確認されている。フライト・データ・サブシステム(FDS)と呼ばれるこのコンピュータは、テレメトリ変調ユニット(TMU)と無線送信機がデータを地球に送信する前に、探査機の科学データと工学データをパッケージングする役割を担っている。

このメモリには、コンピュータのソフトウェアコードや変数(コマンドや探査機の状態によって変化するコード内の値)が含まれている。この読み出しデータを使って研究チームは、FDS メモリの約 3% が破損し、コンピュータが正常な動作を行えなくなっていることを確認した。

チームは、FDS メモリーの影響を受けた部分の一部を保存する役割を担うチップのひとつが機能していないのではないかと疑っている。技術者たちは、何が原因でこの問題が発生したのかを明確に判断することはできない。可能性としては、そのチップが宇宙からのエネルギー粒子に当たって破損と、単に46年経った経年劣化によるものが考えられる。

数週間から数ヶ月かかるかもしれないが、エンジニアたちは、使用不可能となってしまったメモリハードウェア無しで FDS を正常に動作させる方法を見つけることができると楽観視している。

1977年に打ち上げられた探査機ボイジャー1号機は土星と木星を、ボイジャー2号機は天王星と海王星を通過した。どちらも太陽圏と呼ばれる太陽によって作られた粒子と磁場の泡を越えた星間空間を航行探査している。ボイジャー2号は現在も正常に稼働している。

ボイジャーの詳細は以下からご覧頂きたい。

https://voyager.jpl.nasa.gov/
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office