NASA Artemis II SLS「NASA、Artemis(アルテミス)SLS ロケットエンジンの全シリーズの試験を実施」

原文 : March 22, 2024 : NASA Conducts Full-Duration Artemis Moon Rocket Engine Test
 

NASA は03月22日、ミシシッピ州ベイセントルイス近郊にある NASA Stennis Space Center(ステニス宇宙センター)の Fred Haise Test Stand(フレッド・ヘイズ・テストスタンド)で、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの次期 Artemis(アルテミス)フライトのための重要な RS-25 エンジン(スペースシャトルで使用したエンジンで、コアステージに用いる)の一連のテストとして、高温燃焼試験を行った。これは、主契約者である L3 Harris Technologies(ハリス・テクノロジーズ)社傘下の Aerojet Rocketdyne(エアロジェット・ロケットダイン)社による新型 RS-25 エンジンの生産を証明・確立するための 12 回のテストシリーズのうち、10 回目の高温燃焼となった。
 

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NASA は03月22日、ミシシッピ州ベイセントルイス近郊にある NASA ステニス宇宙センターのフレッド・ヘイズ・テストスタンドで、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの将来のアルテミス飛行に向けた重要な RS-25 エンジン試験シリーズを継続し、高温の燃焼を行った。
Credit : NASA/Danny Nowlin
 

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完全燃焼中の RS-25 エンジン。
Credit : NASA/Danny Nowlin
 

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RS-25 エンジン完全燃焼試験を池越しに見る。
Credit : NASA/Danny Nowlin
 

NASA ステニスのテストチームは、認証エンジンを 500 秒間燃焼させた。これは、Orion(オリオン)宇宙船に宇宙飛行士を搭乗させて SLS ロケットを宇宙に打ち上げるために、エンジンが燃焼しなければならない時間と同じである。これは、新しい RS-25 エンジンが追加推力を提供するために使用する 111 % の出力レベルを超えるものである。113 % 出力レベルまで上げた燃焼テストは、運用上の安全マージンを提供する。アルテミス・ミッション I~IV のために、NASA とエアロジェット・ロケットダイン社は 16 基の旧スペースシャトル用エンジンを SLS ロケット用に改良した。コアステージに据えた 4 基の RS-25 エンジンが同時に噴射して SLS ロケットの打ち上げを支援し、合計で最大 200 万ポンドの推力を発生する。

アルテミスを通して NASA は、月での長期的な科学探査の基盤を確立し、女性初、白人以外では初めての宇宙飛行士による月面着陸を実現し、すべての人々の利益のために火星への有人探査の橋頭保となる Artemis(アルテミス)ミッション完結を実現する。

NASA ステニスでの RS-25 テストは、NASA、エアロジェット・ロケットダイン社、そして施設と運用の主契約者である Syncom Space Services(シンコム・スペース・サービス)社のオペレーターからなる多様なチームによって実施される。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office