NASA OSIRIS-REx Mission「OSIRIS-REX カプセルは、ユタ州のクリーンルームで保護された」

原文 : September 24, 2023 : NASA's OSIRIS-REx Capsule Secured in Utah Clean Room

Lonnie Shekhtman posted on September 24, 2023

米国東部夏時間(EDT)午前12時37分(日本時間25日午前01時37分)、ヘリコプターが、100 フィートのケーブルの先に取り付けられた NASA OSIRIS-REx サンプル・カプセルを、国防総省のユタ試験訓練場の格納庫の外の地面にそっと降ろした。地上にいた二人の技術者がカプセルの誘導を手伝った。

吊り上げたヘリコプターのラインが外れ、ヘリコプターが離れると、クリーンルーム・チームはカプセルを金属製の輸送クレードルから取り外した。彼らはカプセルを台車に載せ、仮設クリーンルームが設置された格納庫に運び込んだ。格納庫では、カプセルの包装が完全に解かれ、洗浄された後、分解するためにクリーンルームに運び込まれた。

クリーンルームを汚染物質から守るため、中に入れるのは六人だけだ。頭からつま先までバニースーツ(気密作業服)、フード、ニトリル手袋、靴カバー、さらに髪と髭のカバーで覆われた彼らの仕事は、カプセルを分解し、中の未開封のサンプル・キャニスターを取り出すことである。月曜(明日)の朝にヒューストンの NASA ジョンソン宇宙センターへ飛行機で輸送するため、彼らはすべての部品をそれぞれ梱包する。
 

Imahe caption :
OSIRIS-REx のサンプル・カプセル。カプセルの重さは約 100 ポンドで、大型トラックのタイヤほどの大きさ。
Credit : Lockheed Martin Space
 

分解担当者がカプセルを開けていくつかの部品を取り外し、未開封のサンプルキャニスターを露出させるとすぐに、キャニスターを窒素の連続フローに浸し、一時間ごとにモニターする計画だ。窒素は不活性ガスで、酸素、湿気、その他の汚染物質からベンヌサンプルを保護する。NASA はアポロ時代から窒素を使って宇宙サンプルを保護してきた。

クリーンルームのスタッフがカプセル内で小惑星の微粒子を発見した場合、それを集めてジョンソンに移送するためにアルミカップに入れる。

クリーンルームの技術者は、NASA の履歴記録のためにプロセスを記録する。
 

More About the Mission(ミッションの詳細)

Goddard は、OSIRIS-REx の全体的なミッション管理、システムエンジニアリング、および安全性とミッションの保証を提供する。アリゾナ大学ツーソン校の Dante Lauretta(ダンテ・ローレッタ)が主任研究員である。大学は、科学チームとミッションの科学観測計画およびデータ処理を主導している。コロラド州リトルトンにあるロッキードマーティンスペースは、宇宙船を製造し、飛行操作を担う。Goddard と KinetX Aerospace は、OSIRIS-REx 探査機のナビゲートを担当している。OSIRIS-REx は、NASA ニューフロンティア計画の三番目のミッションであり、アラバマ州ハンツビルにある NASA マーシャル宇宙飛行センターによって管理されている。

OSIRIS-REx の詳細については、以下のWebサイトをご覧いただきたい。

OSIRIS-REx | NASA
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office