NASA Artemis II SLS「アルテミス II SLS ロケットコアステージに一基目の RS-25 エンジンを結合」

原文 : September 13, 2023 : First RS-25 Engine Installed to NASA’s Artemis II Moon Rocket

Lee Mohon Posted on September 13, 2023
 

Imahe caption :
ニューオーリンズにある NASA の Michoud Assembly Facility(ミショー組立施設)で、エアロジェット・ロケットダイン社とボーイング社のエンジニアと技術者が、4 基の RS-25 エンジンのうちの 1 基を SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットのコアステージに取り付けた。黄色くペイントされたコアステージは、ミショーの最終組立エリアで水平に設置されている。1 基の RS-25 エンジン(エンジン番号 E2059)が、高さ 212 フィートのコアステージ基部の左上隅に取り付けられている。
Credit : NASA
 

ニューオーリンズにある NASA の Michoud Assembly Facility(ミショー組立施設、以下MAF)の技術者は、4 基の RS-25 エンジンのうちの 1 基を、有人月探査ミッション「アルテミス II」の打ち上げ動力源となる SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットのコアステージに取り付けた。アルテミス II では、NASA の Reid Wiseman(リード・ワイズマン)、Victor Glover(ビクター・グローバー)、Christina Koch(クリスティーナ・コッホ)、CSA(カナダ宇宙庁)の Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)、計四名の宇宙飛行士が SLS で宇宙に飛び立ち、将来の月着陸ミッションに備え、約 10 日間を掛けて、オリオン宇宙船内で月周回ミッションを行う。

09月11日のエンジン取り付けは、今年の春先に行われた SLS コアステージを構成する五つの主要構造物すべての結合に続くものである。NASA と RS-25 エンジンの主契約者である L3 Harris Technologies company(L3 ハリス・テクノロジーズ)傘下の Aerojet Rocketdyne(エアロジェット・ロケットダイン)社、コアステージの主契約者である Boeing(ボーイング)社は、残りの 3 基のエンジンをコアステージに統合し、推進システムと電気システムを構造内に設置する作業を続ける。

4 基の RS-25 エンジンはすべて、打ち上げ時の極端な温度からエンジンを保護し、気流を流すための空気力学的なボートテールフェアリングがあるエンジンセクション内のコアステージの基部に配置されている。打ち上げと飛行中、4 基のエンジンは 8 分以上ノンストップで燃焼し、コアステージの二つの巨大な推進剤タンクから毎秒 1,500 ガロン(5,678 リットル)の割合で推進剤を消費する。

SLS のエンジンは、それぞれ異なるシリアルナンバーを持っている。09月11日にコアステージのポジション 2 に取り付けられたエンジンのシリアル番号は E2059。このエンジンは、ポジション 1 に取り付けられる E2047 とともに、過去のスペースシャトルの飛行運用に使用されていた。E2047 は、2001年に国際宇宙ステーションにデスティニー実験棟を送り届けた STS-98 を含む 15 回のシャトル飛行を担い、Artemis II に搭載された全エンジンの中で最もベテランのエンジンだ。ポジション 3 とポジション 4 に取り付けられるエンジン(E2062 と E2063)は、以前の飛行で使われたハードウェアを含んだ新しいエンジンである。

NASA はアルテミス計画の下で、初めての女性、白人以外の宇宙飛行士を採用して月面着陸を目指している。SLS は、オリオンや月周回軌道のゲートウェイ、商業有人着陸システムとともに、深宇宙探査のための NASA の基幹技術の一部である。SLS は、Orion(オリオン)宇宙船、宇宙飛行士、積載物を一度のミッションで月に送ることができる唯一のロケットだ。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office