NASA Artemis(アルテミス) I SLS「Artemis I - Flight Day 11:Orion 宇宙船がアポロ13号による地球最遠距離を飛び超えた」

原文 : November 26, 2022 : Teams Conduct Check-outs, Preparations Ahead of Next Artemis I Launch Attempt

NASA Posted on November 11, 2022 26:22 pm
 

アルテミス I フライトデイ 11日目、Orion 宇宙船は11月25日(金)午後03時52分(CST:アメリカ中部標準時以下同)に月周囲の逆行軌道に入った後、月以遠への航行を続けている。宇宙船はこの軌道を六日間周回した後、月の軌道から離れ、地球に帰還する軌道に入る。太平洋への着水は、12月11日(日)の予定だ。
 

Imahe caption :
飛行11日目、宇宙船の太陽電池アレイのひとつに取り付けられたカメラによって「地球を振り返った眺望」を撮影。
Credit : NASA
 

宇宙船は、11月26日(土)午前07時42分、有人宇宙機(今回はマネキンだが)として地球から最遠の距離に到った。かつてアポロ13号のミッションで、地球から 248,655 マイル離れた地点まで到達していたが、今回の航行では11月28日(月)、地球から 270,000 マイル以上離れた地点にまで宇宙船が「お出掛け」する。

エンジニアはまた、午後03時52分に宇宙船のサービスモジュールの補助スラスタを 1 秒弱噴射し、宇宙船を秒速 0.47 フィートで推進させ、初期軌道上での宇宙船の軌道微調整が完了した。
 

Artemis I Orion 宇宙船に搭乗しているのは、アポロ13号を無事に地球に帰還させた重要人物である Arturo Campus(アルトゥーロ・カンポス)にちなんで Commander Moonikin Campos と名付けられたマネキンだ。その身には最新の宇宙服である「Orion Crew Survival System」が装備されている。
カンポスは電気技師で、アポロ13号のサービスモジュールに搭載されていた酸素タンクが破裂した後、コマンドモジュールに地球帰還をセーフティに実施するするための電力を供給する計画を立案した人物である。「カンポス司令官」は、飛行中にクルーが経験する可能性のあるデータを提供する幾つかのセンサーを装備しており、深宇宙での安全な有人探査を達成したカンポスの遺産を引き継いでいる。

アルテミス計画は、「アポロ月面探査」の経験を基に設計されている。アルテミス計画によって、人類は再び月面に戻り、今度はそこに長期滞在することになる。NASA は革新的な技術を駆使し、月周回軌道上に設置されたゲートウェイ宇宙ステーションと先進の宇宙服やローバーを使って、月の南極やこれまでに行われなかった多くの月面を探査する予定だ。NASA は、国際的なパートナーや商業的なパートナーと協力して、月面に初めて長期滞在するための道を切り開くだろう。そして、月やその周辺で学び、火星有人探査への大きな一歩を踏み出すのだ。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office