NASA Artemis(アルテミス) I SLS「Artemis(アルテミス)I SLS 打ち上げに向け、各チームが点検・整備を実施」

原文 : November 11, 2022 : Teams Conduct Check-outs, Preparations Ahead of Next Artemis I Launch Attempt

NASA Posted on November 11, 2022 05:21 pm
 

NASA は、フロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)からの Artemis I ミッションの打ち上げを、米国東部標準時間(EST)11月16日(水)午前01時04分に実施することを引き続き目標に掲げている。スペースローンチシステム(SLS)ロケットと Orion 宇宙船の初の月周回飛行試験には、およそ二時間の打ち上げウィンドウが設けられている。

木曜日の夜から、発射場 39B で徹底的な評価を行い、SLS、Orion、移動発射台、その他の発射台関連の設備を綿密に検査し、発射台の南 70 マイル付近に上陸したハリケーン「ニコル」による重大な影響がないことを確認した。この物理的な検査は、KSC 内の安全なエリアに駐するチームが、嵐が通過する際に行ったセンサーと高解像度カメラによる遠隔監視を補強するものだ。

SLS のエンジニアは詳細な分析を行い、嵐の間に継続して吹いた風と最大持続風がロケットの構造強度に悪影響を与えないことを確認した。発射台のさまざまな高さに設置したセンサーでは、様々な最大持続風が計測されたが、すべての計測値は SLS の設計限界値の 75% 未満で、意図的に安全許容値を多く見積もって設定されている。構造試験シリーズやモーダル試験、その他の評価やモデリングなど、実際のハードウェアを使った試験から得られたデータは、設計定格を超える余裕があることを確信させてくれる。

また、技術者は嵐によるいくつかの小さな不具合の修正にも取り組んでいる。修理のほとんどは、コーキングや天候カバーの緩みだ。Orion 宇宙船にパージエア(適切な環境条件)を供給するためのアンビリカル(供給ホース)が、所定の位置から外れていた。このアンビリカルは嵐の中でもパージを維持し、打ち上げ時に適切・スムースに格納されるように位置を変更した。また、嵐の前に設置された launch abort system(打ち上げ中止システム)の窓のハードカバーも取り外され、打ち上げに問題がないことを確認するために点検が行われる予定だ。

本日、通常の打ち上げ準備の一環として、エンジニアはロケットと宇宙船の電源投入を行い、すべてのシステムが健全であることを確認する作業を行っている。通電後の健全性チェックは土曜日まで続けられる。エンジニアは日曜日に、打ち上げ前に必要な標準的なソフトウェアおよびハードウェア関連の最終テストを実施する予定となっている。アルテミス I のミッション管理チームは、日曜日の午後に召集され、打ち上げの準備状況を確認する予定だ。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office