NASA 木星トロヤ群小惑星探査機 Lucy(ルーシー)「Lucy 探査機が地球重力アシストに先駆けて地球と月の画像を撮影」NASA Image Feature

原文 : October 26, 2022 : NASA's Lucy Spacecraft Captures Images of Earth, Moon Ahead of Gravity Assist

NASA Image Feature. Editor: Jessica Merzdorf
 

Lucy(ルーシー)探査機は、2022年10月15日、38万マイル(62万km)の距離で、機器の校正シーケンスの一部として、地球を撮影した(下画像)。地球画像の左上辺りは、探査機の名前の由来となった 320 万年前の人類の祖先の化石があるエチオピアのハダルだ。
 

Credit : NASA/Goddard/SwRI
 

ルーシーは、史上初めて木星トロヤ群小惑星を探査するミッションだ。この小惑星群は、木星と同じ距離で太陽の周りを回っている古代の「化石」集団である。ルーシー探査機の軌道は、この謎に満ちた小惑星を訪れるために、三回の地球による重力アシストを実施する。

この撮像は、ルーシーの小惑星追跡カメラ(T2CAM)システムによるもので、ルーシーが高速で遭遇する小惑星を追跡する役割を担う二機一対のカメラだ。T2CAM システムは、マリン・スペース・サイエンス・システムズが設計、製造、試験を行い、ロッキード・マーチン社がルーシー探査機に T2CAM を搭載、運用している。
 

以下の画像も、機器の校正シーケンスの一部として、2022年10月13日に探査機が 89 万マイル(約 140 万 km)の距離から T2CAM システムにより撮影されたものだ。地球と月が宇宙空間に佇んでいる。この数度の地球への接近は、木星と等距離で太陽を周回する小惑星、トロヤ群に到達するために必要な速度を提供するものとなる。ルーシーは 12 年間の旅で、記録的な数の小惑星をフライバイし、その多様性を調べ、太陽系の形成についてより深く理解するための手がかりを求める。
 

Credit : NASA/Goddard/SwRI
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office