NASA Psyche 探査計画「NASA Psyche(プシケ、サイキ)探査機が、地球と月を撮影」

原文 : August 19, 2025 : NASA´s Psyche Captures Images of Earth, Moon


同名の金属が豊富と思われる小惑星 16 プシケへ向かう Psyche 探査機、地球方向を撮影しカメラの校正に成功!
 

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NASA の Psyche 探査機は2025年07月、イメージャ機器の校正中に約 1 億 8000 万マイル(2 億 9000 万キロメートル)離れた地点から地球と月を撮影した。イメージャ試験のターゲット選定にあたり、科学者たちは小惑星プシケと同様に太陽光を反射して輝く天体を探す。
Credit : NASA/JPL-Caltech/ASU
 

2029年の小惑星 16 Psyche(プシケ)到着に向け順調に飛行中の NASA Psyche 探査機が、約 2 億 9000 万キロメートル離れた地点から地球と月を撮影し、カメラの校正に成功した。これらの画像は、ミッションチームが定期的に実施する探査機の科学機器点検の一環で取得された。

07月20日と23日、探査機に搭載されたツインカメラは、牡羊座の星々の間に太陽光の反射で輝く点として見える地球・月の両天体を、複数回の長時間露光(最大 10 秒)で撮影した。
 

Psyche 探査機搭載のマルチスペクトル撮像装置について詳しく知る。この装置は、フィルターと望遠レンズを備えた同一仕様のカメラ 2 台を用いて、小惑星の表面を異なる波長の光で撮影する。
 

サイケ多波長イメージャ装置は、小惑星サイケの表面を異なる波長の光で撮影するためのフィルターと望遠レンズを備えた同一仕様のカメラ2台で構成される。天体のスペクトルの色と形状は、その構成物質に関する詳細を明らかにする可能性がある。例えば月や巨大小惑星ベスタは、スペクトル上に類似した「凹凸や揺らぎ」を示しており、科学者らはプシュケでも同様の現象を検出できる可能性がある。ミッション科学チームがプシュケに注目するのは、地球を含む金属核を持つ岩石惑星の形成過程をより深く理解する手がかりとなるためだ。

イメージャの試験・較正対象を選ぶ際、科学者たちは小惑星プシュケと同様に太陽光を反射して輝く天体を検討対象とする。また、既知のスペクトルを持つ天体も対象に含める。これにより、それらの天体に関する過去の望遠鏡や探査機データと、プシュケの観測機器が捉えたデータを比較できるからだ。今年初め、プシュケは校正のため木星と火星に向けてレンズを向けた。両天体のスペクトルは、青みがかった地球のスペクトルよりも赤みが強い。この点検も成功裏に終わった。
 

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Psyche 探査機は、2026年に火星の重力アシストによる軌道変更を行うため、太陽系を螺旋軌道で周回している。2029年に小惑星 16 プシケに到着する予定。
Credit : NASA/JPL-Caltech
 

科学者たちは、イメージャの性能に変化が生じていないかを確認するため、異なる試験データも比較している。これにより、探査機がプシケの軌道に投入された際に、機器が想定通り動作することに確信が持てるのだ。

「その後、イメージャのテストを継続するため、土星やベスタを観測対象とする可能性もある」と、アリゾナ州立大学(テンピ校)の Psyche 探査機イメージャ担当主任研究員 Jim Bell(ジム・ベル)は述べた。
「我々は太陽系の様々な天体から、いわば『トレーディングカード』を集め、それらを較正パイプラインに通すことで、正しい結果を得られているかを確認しているのだ」
 

頑丈で堅牢

07月下旬に正常動作を確認できたのは撮像装置だけではない。ミッションチームは探査機の磁力計とガンマ線・中性子スペクトロメータにも、半年に一度実施する一連の試験を実施した。

「すべての機器が正常に作動しており、順調に運用中だ」と、南カリフォルニアにある NASA JPL(ジェット推進研究所)のミッションプロジェクトマネージャー、Bob Mase(ボブ・メイス)は述べた。
「2026年05月の火星フライバイ計画は予定通り進行しており、巡航段階における計画された全活動を達成している」

この火星フライバイは探査機にとって次の大きな節目となる。火星の重力をスリング・ショット効果として利用し、小惑星 16 プシケへの到達を支援する。これにより Psyche 探査機は、太陽系を二周回する計画のうち最初の周回を開始し、2023年10月に NASA ケネディ宇宙センター(KSC)から打ち上げられて以来、10 億マイル(16 億キロメートル)の航行を達成する。
 

Psyche 探査機ミッションについて

Psyche 探査ミッションはアリゾナ州立大学(ASU)が主導している。カリフォルニア大学バークレー校のリンディ・エルキンス=タントンが主任研究員を務めており、パサデナにあるカリフォルニア工科大学(Caltech)の一部門であるジェット推進研究所(JPL)は、ミッション全体の管理、システムエンジニアリング、統合・試験、ミッション運用を担当している。
カリフォルニア州パロアルトのマクサー・テクノロジーズ社は、高出力太陽電気推進宇宙機シャーシを提供した。ASU は撮像装置の運用を主導し、サンディエゴのマリン・スペース・サイエンス・システムズ社と協力してカメラの設計、製造、試験を行っている。

Psyche 探査計画は、NASA のディスカバリー計画で選定された 14 番目のミッションであり、アラバマ州ハンツビルにあるマーシャル宇宙飛行センターが管理している。ケネディ宇宙センターを拠点とする NASA の打ち上げサービスプログラムが打ち上げサービスを管理した。

Psyche Mission についての詳細は以下をご覧頂きたい。

Psyche Asteroid Mission | NASA

Psyche Mission | A Mission to a Metal World(ASU)
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office