NEO (NEA) 地球近傍小天体探査「NASA、ESA Hera(ヘラ)ミッションに参加する科学者を選出」

原文 : June 25, 2024 : NASA Selects Participating Scientists to Join ESA’s Hera Mission


NASA JPL(ジェット推進研究所)から三名の科学者が、今年後半に打ち上げが予定されている ESA の惑星防衛ミッションに選出された。NASA からは総勢十二名が参加する。
 

Imahe caption :
ESA Hera(ヘラ)探査機とディモルフォス衛星軌道上を航行するキューブサット。NASA は、ヘラ・ミッションに参加する十二人の科学者を選抜した。
Credit : ESA-Science Office
 

NASA は、2024年10月に打ち上げが予定されている ESA(欧州宇宙機関)の Hera mission(ヘラ・ミッション)に参加する十二名の科学者を選んだ。ヘラは、2022年09月26日に DART(ダート : 二重小惑星リダイレクト・テスト)探査機が衝突した、衛星 Dimorphos(ディモルフォス)を持つ連星小惑星系 Didymos(ディディモス)を探査・観測する。ダートとヘラの目的は、地球と衝突する危険性のある小惑星が発見された場合、その小惑星軌道を逸らすための技術としての「キネティック・インパクト法」を検証することと、この天体衝突災害の原因となる地球近傍小惑星についてより深く知ることである。

ヘラ探査機は2026年の終わりにディディモス/ディモルフォス連星小惑星系に到着する予定であり、そこで両方の天体の質量と構成に関するデータを独自の手法で収集し、ダート探査機の衝突によって引き起こされた変化を評価する。

NASA のヘラ・ミッション参加科学者プログラムの目標は、惑星防衛(プラネタリー・ディフェンス)と地球近傍小惑星科学における未解決の問題に取り組む米国の機関の科学者を支援することにある。参加科学者は、ミッションに五年間在籍する間、ヘラ科学チーム所属のメンバーとなる。

新しく選ばれた参加科学者は以下の通りである。
 

Bonnie Buratti : NASA JPL
Ingrid Daubar : Brown University
Carolyn Ernst : Johns Hopkins Applied Physics Laboratory
Dawn Graninger ] Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory
Mark Haynes : NASA JPL
Masatoshi Hirabayashi(平林正敏): Georgia Institute of Technology
Tim Lister : Las Cumbres Observatory
Ryan Park : NASA JPL
Andrew Rivkin : Johns Hopkins Applied Physics Laboratory
Daniel Scheeres : University of Colorado
Timothy Titus : U.S. Geological Survey
Yun Zhang : University of Michigan
 

ダート・ミッションは、プラネタリー・ディフェンスにおける NASA の継続的な取り組みを監督する NASA 惑星防衛調整室による最初の惑星防衛テスト・ミッションであった。ヘラ・ミッション参加科学者プログラムを含むこれらミッションへの国際的な取り組みは、「Asteroid Impact and Deflection Assessment」として知られる惑星防衛研究コミュニティにおいて進行中の世界的な協力によって可能となった。

ダート・ミッションはメリーランド州ローレルの Johns Hopkins Applied Physics Laboratory(ジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所、APL)によって、惑星防衛における NASA の継続的な取り組みを監督する惑星防衛調整室の要請で設計、建造、運用された。

NASA の惑星防衛調整室(Planetary Defense Coordination Office)の詳細については、以下をご覧頂きたい。

Planetary Defense | NASA

惑星レーダー、CNEOS、地球近傍天体(NEO)に関する詳細は、以下。

Center for NEO Studies

Asteroid Watch

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Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office