Space Topics 2023
JPL News (Ja) 日本語訳解説
NASA ” 小惑星 16 Psyche(プシケ)” 探査 Psyche(サイキ、プシケ)ミッション、打ち上げを目前に控えホームストレッチに入る
NASA Psyche 探査計画「NASA ” 小惑星 16 Psyche(プシケ)” 探査 Psyche(サイキ、プシケ)ミッション、打ち上げを目前に控えホームストレッチに入る」
原文 : July 18, 2023 : NASA’s Psyche Mission Continues Preparation for Launch in 2023
重要なテストを完了するために打ち上げを一年延期した Psyche プロジェクトは、2023年10月の打ち上げを目標として進んでいる。
Imahe caption :
06月26日、フロリダ州ケネディ宇宙センター近くの Astrotech Space Operations 内のクリーンルームで展開された Psyche 探査機。
Credit : NASA/Frank Michaux
Imahe caption :
撮影角度を変えて、高利得アンテナ側から撮影されたもの。
Credit : NASA/Frank Michaux
10月05日の打ち上げまで 100 日を切った NASA Psyche 探査機は、フロリダ州ケープカナベラルで最終準備を進めている。エンジニアと技術者のチームは、探査機が 25 億マイル(40 億キロメートル)の距離にある金属を多く含むと見られる小惑星プシケに向かう準備のため、ほぼ 24 時間体制で作業を行っている。
ミッションチームは最近、飛行ソフトウェアの包括的なテストキャンペーンを完了し、それを探査機にインストールした。
caption :
2022年、NASA Psyche 探査機は、金属を多く含むユニークな小惑星16プシケを探査するための旅に出る。
Credit : JPL-Caltech/ASU
NASA JPL(ジェット推進研究所)で Psyche mission のプロジェクト・マネージャーを務めるヘンリー・ストーンは、「チームと私は今、打ち上げまでの日数を指折り数えている。我々の焦点は、宇宙船の最終的な機械的クローズアウトを安全に完了し、運用のためのチームを整備することに移っている。チームは、準備と万全を期すため、数多くの訓練を行う。非常に忙しい時期だが、誰もが非常に興奮しており、打ち上げを楽しみにしている」
Psyche 探査機は、ケネディ宇宙センターのスペース・ローンチ・コンプレックス 39A から、10月5日午前10時38分(東部標準時午前7時38分)にスペースXファルコン・ヘビー(このロケットにとって初の惑星間打ち上げ)によって打ち上げられることになっており、10月25日まで打ち上げウィンドウ(機会)が開いている。地球の重力から脱した後、Psyche 探査機は太陽電気推進を駆動して小惑星プシケへの六年間の旅を達成する。
最大幅が約 173 マイル(279 キロメートル)の小惑星プシケは、惑星形成初期の構成要素であるプラネテシマル(planetesimal:微惑星)のコアの一部かもしれない金属を豊富に含む天体を探査するユニークなチャレンジを与えてくれる。探査機が火星・木星間に位置する小惑星メインベルトにあるプシケに到達した後、探査機は少なくとも 26 ヶ月に期間をかけて小惑星の周りを周回し、画像やその他のデータを収集する。
次のステップ
現在、30 人ほどのエンジニアと技術者からなるチームは、ミッションの組み立て、テスト、打ち上げ作業の段階を終えようとしている。チームは最近、科学観測機器と探査機のハードウェアとソフトウェアの数週間にわたる機能試験を終えた。
試験のためにハードウェアの周りを取り巻くケーブルの最終部分を取り外した後、アクセスのために取り外されていた幾つかの外装パネルを再び取り付け、熱ブランケットを完成させることで今回の探査機試験を「クローズアウト」する。
07月後半には、巨大な太陽電池アレイを統合し、展開テストを行う。そして08月中旬には、クルーが 2,392 ポンド(1,085 キログラム)の推進剤(中性ガスであるキセノン)を数週間かけてゆっくりと探査機に充填していく。
組み立て、テスト、打ち上げ作業におけるシステムと電気系統をリードする Luis Dominguez(ルイス・ドミンゲス)は、通常は JPL を拠点として活動するが、06月初旬からは、最終整備のためにケープカナベラルでフルタイムで働いている。
「我々は前進している。パッド(発射台)にいるときには、ボタンを押す準備ができていると確信している。我々全員はその時、この”鳥”を飛び立たせることに興奮するのだろうと感じる」
ミッションの詳細
ASU(アリゾナ州立大学)は、Psyche ミッションを主導する。NASA JPL ジェット推進研究所が、ミッションの全体的な管理、システムエンジニアリング、統合およびテスト、ミッション運用を担当する。カリフォルニア州パロアルトにある Maxar Technologies 社は、高出力太陽電気推進宇宙機のシャーシを提供している。Deep Space Optical Communications(DSOC)は、NASA の宇宙技術ミッション本部内の技術実証ミッションプログラムと、宇宙作戦ミッション本部内の宇宙通信・ナビゲーション(SCaN)プログラム試験として、JPL によって管理されている。加えて JPL は、将来の NASA ミッションで使用される可能性のある高データレートのレーザー通信をテストするために、プシケに搭載される深宇宙光通信と呼ばれる技術実証装置を提供している。
打ち上げは、ケネディ宇宙センター(KSC)にある NASA の打ち上げサービスプログラムが管理している。Psyche Mission は NASA ディスカバリープログラムの一部で、アラバマ州ハンツビルにあるマーシャル宇宙飛行センターの管理のもとで実施される。
Psyche Mission についての詳細は以下をご覧頂きたい。
Psyche Asteroid Mission | NASA
Psyche Mission | A Mission to a Metal World(ASU)
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Karen Fox / Alana Johnson
NASA Headquarters, Washington
2023-097
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan