NASA Psyche 探査計画「NASA Psyche ミッションは、2023年に実施予定の打ち上げに向けて準備が進む」

原文 : January 25, 2023 : NASA’s Psyche Mission Continues Preparation for Launch in 2023


重要なテストを完了するために打ち上げを一年延期した Psyche プロジェクトは、2023年10月の打ち上げを目標として進んでいる。
 

Imahe caption :
2022年12月08日、フロリダ州のケネディ宇宙センター近くにある Astrotech Space Operations Facility 内で、打ち上げに向けて Psyche 探査機の準備を行うチーム。Psyche 探査機は、ケネディ宇宙センターの Launch Complex 39A から SpaceX Falcon Heavy ロケットによって打ち上げられる予定だ。
Credit : NASA/Ben Smegelsky
 

2022年12月08日、フロリダ州のケネディ宇宙センター近くに所在する Astrotech Space Operations Facility で、NASA Psyche 宇宙機がクリーンルームに映し出されている。電源が点され、地上支援装置に接続された宇宙機は、エンジニアと技術者が2023年の打ち上げに向けて準備できる態勢が整った。Astrotech 社と南カリフォルニアにある NASA JPL(ジェット推進研究所)のチームは、宇宙機との通信とシステムの健全性の監視を続けている。

重要なテストを完了するために一年間延期した Psyche 計画は、2023年10月に SpaceX Falcon Heavy ロケットでの打ち上げを目標としている。NASA の Deep Space Optical Communications(深宇宙光通信:DSOC)技術実証は、高データレートのレーザー通信を試験するもので、Psyche 宇宙機に組み込まれている。写真に写っている銀色の円筒は DSOC の直射日光からの遮蔽、金色のブランケットは DSOC のペイロードの開口部カバーだ。

探査機のターゲットは、火星と木星の間の主要な小惑星帯にある、金属を豊富に含むユニークな小惑星で、「16 プシケ」と名付けられている。この小惑星は、太陽系の岩石質惑星の構成要素であるプラネテシマル(小惑星)の核の一部で構成されている可能性がある。研究者たちは、マルチスペクトルカメラ、ガンマ線・中性子スペクトロメーター(GRNS)、磁力計などの機器を用いてプシュケを探査する。GRNS と磁力計のセンサーは、探査機の一番端にある二つの黒い突起の先端として写真に写っている。また、地球との通信を可能にする高利得アンテナも見える。
 

ミッションの詳細

ASU(アリゾナ州立大学)は、Psyche ミッションを主導する。NASA JPL ジェット推進研究所が、ミッションの全体的な管理、システムエンジニアリング、統合およびテスト、ミッション運用を担当する。カリフォルニア州パロアルトにある Maxar Technologies 社は、高出力太陽電気推進宇宙機のシャーシを提供している。Deep Space Optical Communications(DSOC)は、NASA の宇宙技術ミッション本部内の技術実証ミッションプログラムと、宇宙作戦ミッション本部内の宇宙通信・ナビゲーション(SCaN)プログラム試験として、JPL によって管理されている。打ち上げは、ケネディ宇宙センター(KSC)にある NASA の打ち上げサービスプログラムが管理している。Psyche Mission は NASA ディスカバリープログラムの一部で、アラバマ州ハンツビルにあるマーシャル宇宙飛行センターの管理のもとで実施される。

Psyche Mission についての詳細は以下をご覧頂きたい。

Psyche Asteroid Mission | NASA

Psyche Mission | A Mission to a Metal World(ASU)
 

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2022-091
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

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