NASA Juno(ジュノー)ミッション「47 回目の木星フライバイ完了後のダウンリンク中断も、データ保存に問題ないと推測」

原文 : December 22, 2022 : Juno Spacecraft Recovering Memory After 47th Flyby of Jupiter


通信エラーを起こしたジュノー探査機であったが、直近の木星と衛星イオへのフライバイで得た科学データは、無傷であったようだ。
 

Image Caption :
ジュノー探査機が木星の南極上空をフライバイしている様子を描いたイラスト。
Image Credit : NASA/JPL-Caltech
 

NASA ジュノー探査機は、12月14日に 47 回目の木星フライバイを完了した。その後、探査機搭載のコンピューターからミッション・コントローラに科学データを送信していたところ、ダウンリンクが中断された。

この問題は、フライバイ中に収集された科学データを保存している探査機のメモリに直接アクセスできないことで、ジュノーが木星の磁気圏の放射線が強い部分を飛行した際に、放射線スパイクによって引き起こされた可能性が最も高いと考えられる。NASA JPL(ジェット推進研究所)のミッション・コントローラとミッション・パートナーは、コンピュータの再起動に成功し、12月17日に宇宙船をセーフモード(重要なシステムのみを作動させる予防措置)に移行させた。

12月22日現在、フライバイのデータを回収する作業が順調に進み、サイエンスデータのダウンリンクを行っている。木星最接近時および木星の衛星イオへのフライバイ時の科学データに悪影響が生じた兆候はない。フライバイ中に収集された残りの科学データは、来週中に地球に送信される予定であり、その際にデータの健全性が確認される予定だ。探査機は、約一週間後にセーフモードを終了する予定である。ジュノーの次の木星フライバイは、2023年01月22日に予定されている。
 

ミッションの詳細

Juno ミッションは、NASA JPL(ジェット推進研究所)が管理している。プロジェクトは、サンアントニオにあるサウスウエスト研究所所属のスコット J. ボルトンがチームを率いる。
Juno は NASA のニューフロンティア計画の一部であり、アラバマ州ハンツビルの NASA マーシャル宇宙飛行センターにおいて、NASA 科学ミッション本部が管理している。宇宙船の製造・運用は、デンバーにあるロッキード・マーチン・スペース社が行っている。

Juno の詳細については、以下のURLを参照頂きたい。

Juno - mission to Jupiter

Mission Juno
 

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