NASA Psyche 探査計画「小惑星探査計画 Psyche ミッションの継続を発表」

原文 : October 28, 2022 : NASA Continues Psyche Asteroid Mission


ミッションチームは、2023年の打ち上げを目指して、宇宙機の飛行ソフトウェアテストを続けている。
 

Imahe caption :
2020年06月時点での、NASA 探査機 Psyche を描いたイラスト。
Credit : NASA/JPL-Caltech/ASU
 

NASA は10月28日、Psyche ミッションの打ち上げを、2023年10月10日を目標と決定した。

年初、ミッションは開発の問題の解決の遅れにより、予定されていた2022年の打ち上げ時期に間に合わず、ミッションが種々問題を克服して2023年の打ち上げ要件を満たすかどうか、内部で検討されていた。

この継続/終了についての総括は、プロジェクトが提案したミッションの再計画と、06月に NASA と JPL(ジェット推進研究所)が、今回の遅延の原因を調査する独立審査委員会に委託してもたらされた。

NASA 科学ミッション本部副本部の副官を務める Thomas Zurbuchen(トーマス・ザブーケン)は、「独立審査委員会と JPL を中心としたチームによるミッション成功への努力に感謝する」と述べ、次のように続けた。
「今回の Psyche 延期事態から学んだ教訓は、我々のミッション・ポートフォリオ全体にわたって反映されるだろう。プシュケがその寿命の間に提供する科学的知見と、我々自身の惑星地球の核(内部コア)の理解について多大な貢献があるという確信を持てることに、私自身も興奮している」

独立審査委員会の今回のレビューについては未だ公文書化させておらず、NASA からのレスポンスを受けて完成させ共有される予定だ。

ミッションチームは、2023年の打ち上げ日に向けて様々なテストを重ねているが、新しい飛行プロファイルは、2022年08月打ち上げ計画と同様で、2026年に火星重力アシストを使用して、探査機を小惑星 16 プシケに向かわせるものである。2023年10月の打ち上げで、探査機のプシケ到着は、2029年08月となる。

JPLのディレクターである Laurie Leshin(ローリー・レシン)は、「私は Psyche チームを非常に誇りに思っている」と述べた。
「今回の審査で、彼らは将来の打ち上げ日に向けて既に大きな局面打開を経たことを示した。私は、前進していく計画に自信を持っており、このミッションが我々にもたらすユニークで重要・貴重なサイエンスに興奮している」

NASA は2017年、Psyche ミッションと同じ名前の金属が豊富に存在するとみられる小惑星 16 プシケをディスカバリープログラムを経て採択した。このプログラムは、単一の研究責任者が率いる低コストで競争力のあるミッションを選ぶものだ。
 

ミッションの詳細

ASU(アリゾナ州立大学)は、Psyche ミッションを主導する。NASA JPL ジェット推進研究所が、ミッションの全体的な管理、システムエンジニアリング、統合およびテスト、ミッション運用を担当する。カリフォルニア州パロアルトにある Maxar Technologies 社は、高出力太陽電気推進宇宙機のシャーシを提供している。また、打ち上げの管理については、フロリダ州ケネディ宇宙センター(KSC)にある NASA の打ち上げサービスプログラムが担う。

Psyche Mission についての詳細は以下をご覧頂きたい。

Psyche Asteroid Mission | NASA

Psyche Mission | A Mission to a Metal World(ASU)
 

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Karen Fox / Alana Johnson
NASA Headquarters, Washington

2022-091
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office