Psyche 探査機をメディアに公開


JPL のクリーンルームに招待された報道関係者たちは、ミッションのリーダーにインタビューを行い、08月の打ち上げに向けてフロリダに搬送される直前の小惑星ランデブー宇宙機を見学した。
 

Imahe caption :
2022年04月11日、JPL のクリーンルーム内で Psyche 探査機を見る報道関係者たち。探査機は08月に打ち上げられ、探査機と同じ名前を持つ金属を多く含む小惑星への旅に出る予定だ。
Credit : NASA/JPL-Caltech
 

NASA Psyche 探査機は、08月にフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられ(08月22日時点では、延期がほぼ確定している模様)、金属を多く含むと見られる同名の小惑星プシケを目指して技術者たちが最後の仕上げを行っている。04月11日、報道関係者は NASA ジェット推進研究所のクリーンルームで、宇宙機を間近に見る機会を得た。また、Psyche の主任研究員であるアリゾナ州立大学の Lindy Elkins-Tanton(リンディ・エルキンス=タントン)や、プロジェクト・マネージャである JPL の Henry Stone(ヘンリー・ストーン)など、ミッションのリーダーたちへのインタビューも行われた。

JPL における Psyche 宇宙機の組立、試験、打ち上げオペレーションマネージャである Brian Bone(ブライアン・ボーン)は、「クリーンルームに記者を迎えることで、このミッションに費やした長年のハードワークを思い出させられる」と述べている。
「Psyche チーム皆の決意と技術により、我々はフロリダのロケット射場に向かう宇宙機のファイナル・ストレッチとしての一歩を踏み出したのだ」

バンサイズの宇宙機によって地球上の種々のバクテリアを宇宙に拡散させないため、記者たちはイソプロピル・アルコールで取材機材を拭き、保護スモックとヘアカバーを着用して、宇宙機組立施設の High Bay 2 clean room(ハイベイ2クリーンルーム)に入った。NASA は、この夏の打ち上げに向けて、Psyche をフロリダ州のケネディ宇宙センターへ搬送する予定だ。

2023年05月に重力アシストのために火星に近づき、2026年初めに火星と木星の間の主要な小惑星帯にある小惑星プシケの周りを周回する予定となる。科学者たちは、最も幅の広い部分で約 280 km のこの小惑星の大部分が、水星、金星、地球、火星のような太陽系の岩石質惑星の構成要素の一つである、小惑星由来の核(コア)が剥き出しになった金属で構成されている可能性があると考えている。もしそうであれば、地球のような惑星がどのように形成されたかを想起できるユニークな機会を得ることとなる。

このミッションは、2021年03月から組立・試験・打ち上げ運用と呼ばれる段階に入っている。小惑星プシケが位置する小惑星メインベルトへの最適な打ち上げ時期が限られているため、この一年間は時間と戦いながら組み立てを完了させた。最近、JPL に設置された最大の太陽電池アレイを取り付け、宇宙機が耐える極限状態を模擬した一連の厳しい試験を行った。電磁波、熱真空、振動、衝撃、音響の各試験を経て、Psyche は打ち上げを認められた。打ち上げウィンドウは08月01日から開く。
 

ミッションの詳細

ASU(アリゾナ州立大学:Arizona State University)がミッションを主導する。JPL は、ミッションの全体的な管理、システムエンジニアリング、統合およびテスト、ミッション運用を担当している。Psyche Mission は、NASA ディスカバリープログラムにより選ばれた 14 番目のミッションである。

NASA Psyche Mission についての詳細は以下をご覧頂きたい。

Psyche Asteroid Mission | NASA

Psyche Mission | A Mission to a Metal World(ASU)
 

News Media Contact

Gretchen McCartney / Karolyn Pearson
Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, Calif.

2022-050
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office