インサイト・マーズディープコアミッション : 初めての自撮り!


インサイトランダー(着陸機)は、カメラに対して決してシャイではない。ランダーはロボットアームのカメラを使って初めての撮像を行った。イメージは、11 枚の画像で構成されている。これはキュリオシティ(Curiosity)ローバーミッションと同じ手法によるもので、重なり合った画像が連続して撮影され、後にステッチされる。セルフシーツには、ランダーのソーラーパネルと科学機器を含むデッキ全体が表示されている。
 

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2018年12月6日(ソル10)に、インサイトランダーが火星に降り立って初めて撮った「自撮り」画像。ソーラーパネルとデッキの上部から撮っている。デッキには科学機器、気象センサーブーム、UHF アンテナが見える。
Image Credit : NASA/JPL-Caltech
 

また、ミッションチームのメンバーは、ランダーの「作業スペース」(宇宙船の正面にある約 14×7 フィートの三日月状の地形)を完全に確認できた。この画像は、52 枚の撮像によって合成されたものだ。
 

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52 枚の撮像による、科学実験エリアを太いペンで示した合成画像。
Image Credit : NASA/JPL-Caltech
 

今後数週間を掛けて科学者とエンジニアは、この作業スペース内でランダーの各計器をどこに置くべきかを決めるという、非常に骨の折れる検討を行わなければならない。それを経て彼らはランダーのロボットアームに、地震計(火星内部構造のための耐震実験、SEIS)とヒートフロープローブ(ヒートフローと物理特性パッケージ、HP3)を選択された場所に注意深く設置するよう指示する。両機器とも平地で最高の性能を発揮できるよう設計されており、エンジニアとしては、設置点には 1.3 インチ程度以上の岩石は避けたいと考えている。

「岩、丘、穴がほとんどないことは、我々の機器にとって極めて安全であることを意味する」NASA JPL(ジェット推進研究所)のインサイト主任研究員、ブルース・バーナード(Bruce Banerdt)は語っている。
「地球であれば、これはかなり単純な地面のように見えるだろうが、火星に降りた場所でこれを確認できたことは、”めっちゃ” 嬉しい」

インサイトのランダーチームは、岩石が比較的少ないエリシウム平原(Elysium Planitia)を着陸地に選択したが、実際に降り立った着陸点は想定以上に良かった。着陸機が座っているところは、ほとんど岩のない「空洞」のように見える場所で、隕石衝突があり、後に砂で満たされた窪みのようだ。
これにより、ランダーの計測器のひとつ、HP3(ヒートフロープローブ)が、表面下 16 フィート(5メートル)まで掘り進むという作業を退屈なものにさせるのかもしれない。
 

インサイトミッションに関する詳細は、当サイトに置いた以下をご覧頂きたい。

NASA インサイト・マーズディープコアミッション
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office