Dawn ミッション:イオンエンジンを完全燃焼 - 継続するサイエンスに期待


Dawn が持つ強力なイオンエンジンは、前回のミッションの際には青く淡いプラズマを噴かさずに静かにしていた。プロジェクトチームは、小惑星メインベルトに位置するケレスで予定された残りの拡張ミッションを計画通りに進めようとしている。
 

Dawn 探査機のイオンエンジンは静寂を迎える。ミッションコントローラーは Dawn からの継続的な科学を今後も楽しみに期待しているが、努めて順調であったイオンエンジンが予定した総ての稼働セッションは既に完了している。
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Image credit: NASA/JPL-Caltech
 

Dawn プロジェクトマネージャのマーク・レイマン(Marc Rayman)が主導するチームは、06月21日のファイナルセッションとした低空軌道投入でのデータを分析し、残された推力での可能なミッションを検討した。この後数か月、Dawn からサイエンスデータが届くことを期待している。

2007年09月に打ち上げられた Dawn 探査機に搭載されるイオンエンジンは、直後の10月06日に稼働を始めた。Dawn は自らが持つ航行技術によって地球-月系を脱出し、小惑星メインベルトにあるベスタとケレスにおいて画期的なランデブーミッションを遂行してきた。

Dawn のイオンエンジンは、10年以上のミッション期間で稼働時間が5.87年、宇宙機の総実効速度が25,700mph(41,360kph)を記録している。
「宇宙機は、太陽系内を外に向けて進むにつれて、太陽に対して相対的に減速する」とレイマンは説明する。軌道速度の詳細は ” こちら ” をご覧頂きたい。

「Dawn の驚異的なイオンエンジンがなければエキサイティングな地球外探検に私たちを連れて行くことは不可能だった」とレイマンは語る。
「エンジンは今だ順調だ。必要で可能な総てのミッションを Dawn は正しく行ってきた。いつの日か、愛情と感謝の気持ちを抱えて Dawn を思い出すことになるだろう」
 

2007年09月27日に打ち上げられた Dawn 探査機。ミッションについての詳細は以下をご覧頂きたい。

Dawn Mission JPL Home
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO. TPSJ Editorial Office