インサイト火星着陸探査機:火星を目指して:カリフォルニアから惑星間航行へのカウントダウン

2018年05月05日の早朝は、何百万人ものカリフォルニアの人々が、これまでに見たことのない光景を目の当たりにする機会となる。この日、189 フィートの高さ(57.3 メートル)の United Launch Alliance Atlas V(アトラス)ロケットによって打ち上がるインサイトは、火星の北半球に位置する Elysium Planitia 地域に向けて飛び立つ宇宙船になるのだ。
インサイトミッションの打ち上げウィンドウは、4:05 am PDT ※ に開かれ、2 時間の猶予を持つ。

※ PDT、Pacific Daylight Time. 米国太平洋標準時夏時間。日本標準時との時差は16時間。
 

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05月05日の打ち上げを前に、ヴァンデンバーグ AFB(カリフォルニア州)で最終準備を行っているインサイト着陸機。
Image Credit : NASA/JPL-Caltech
 

「皆さんが南カリフォルニアに住んでいて、その日が好天であれば私よりも素晴らしい打ち上げを目にすることでしょう」と、NASA JPL インサイトプロジェクトマネージャの Tom Hoffman は語った。
「何故なら私は制御室のモニターでしか見ることは出来ません。火星に向けて飛び立つアトラスを楽しむ最良の方法とは言えないのだから」
 

打ち上げを観るには、澄んだ空のもとで上下に観える場所が必要だ。カリフォルニア沿岸の幅広い範囲の、およそベーカーズフィールドの北部からメキシコのロサリートまでの住民は、アトラスのロケットがまず前景の空に浮かび、南に向かって海岸線と平行しているように見えるかもしれない。

United Launch Alliance 社製の二段式アトラス V 401 ロケットは、カリフォルニア州ロンポック近郊のヴァンデンバーグ空軍基地の発射パッドから離れるにつれて、860,200 ポンド(380 万ニュートン)の推力を発生する。動力飛行の最初の17秒間は、打ち上げパッドの上を垂直に登り、その後は予定軌道上に置くために地球の南極に向かってピッチングとヨーイングを開始する。

「ヴァンデンバーグの Space Launch Complex 3 からリフトオフした後、アトラス V ロケットは軌道を南方に向け始め、ベンチュラ郡のオックスナード(Oxnard)からカリフォルニア州南岸に並ぶチャンネル諸島(Channel Islands)を越えるように登って行きます」と、フロリダ州にあるケネディ宇宙センター(John F. Kennedy Space Center)の打ち上げ責任者、Tim Dunn は語った。
「モントレー湾南のセントラルコースト(California Central Coast)や ロスアンゼルス(L.A.) とサンディエゴ(San Diego)に住んでいる人は、05月05日早朝前に観る準備を行ってください。アトラス V はロケットのゴールドスタンダードだから、素晴らしいショーが観れますよ」

アトラス V リフトオフから 01 分 18 秒後にマッハ-1 に達する。その時のロケット高度は約 30,000 フィート(9 キロ)、ダウンレンジは約 1 マイル(1.75 キロメートル)になる。02分36秒後、アトラスの第一段は、約 66 マイル(106 キロ)と 184 マイル(296 キロ)のダウンレンジの高度でシャットダウンし、再点火される第二段(40 フィートのペイロードフェアリング内にインサイトを運ぶ)は、6 秒後にシャットダウンした第一段を分離し、10秒後、第二段のエンジンは 22,890 ポンド(101,820 ニュートン)の推力でキックインし、インサイトは打ち上げ後 13 分 16 秒に 115 マイル(185 キロ)の待機軌道に運ばれまる。この待機軌道は、リフトオフされた日時に応じて 59 分から 66 分続く。その後、打ち上げ後 01 時間 19 分で最後の再点火を行い、インサイトを火星に向かう惑星間惑星軌道に乗せる。
(荒読みなので原文と併せて確認ください)
 

インサイトの打ち上げウィンドウは、05月05日から06月08日まで開いている。射出のチャンスは各日5分毎である。

打ち上げを直接見るための追加情報は以下にある。
Watch In Person

打ち上げのライブ TV は以下。
https://www.nasa.gov/live

打ち上げウィンドウ内の期間中いつ打ち上げても、火星到着は11月26日の正午頃と設定されている。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office