小惑星 : ZTF(Zwicky Transient Facility)によるサーベイで見つかった水星-金星領域の小惑星 2020 AV2


2020年01月04日、ZTF(Zwicky Transient Facility)チームは、高速で移動する新たな天体を発見し、直ちにマイナープラネットセンター(MPC)に報告を行った。MPC の NEO(地球近傍天体)確認ページに投稿されると、世界中の他の観測者が未確定のこの天体の位置を測定する。これらの測定により、発見天体とその異質な軌道の正確な照合が容易に出来るようになる。
 

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2020 AV2 の軌道を示す図。金星と水星の軌道の間にあり、地球の軌道に対して傾斜している。JPL データベースでは 13.xxx °(大よそですみません)になっていたが、Wiki では 15.872±0.045°となっている。
Image credit: JPL Small-Body Database Browser
 

2020 AV2(仮符号)の太陽周回軌道は、金星と水星の間に存在し(MPC 軌道図)、これらの惑星のいずれの軌道とも交差しない。2020 AV2 のサイズは、直径が約 1~3 km 程度と見られる。 今のところ 2020 AV2 は、これまでに知られている小惑星の中で最も小さな長半径と遠日点が確認できている(小惑星番号が振られるまでに軌道精度がさらに高められるため、「今のところ」)。このような軌道であるため、2020 AV2 は地上の光学望遠鏡からの検出が非常に困難である。この天体の地球への最も近いアプローチは、約 0.35 AU で、金星が地球に近づく最も近い距離よりも 1,100 万 km 以上も遠くにある。
 

ニュースサイトについて

IAWN(International Asteroid Warning Network - 国際小惑星警報ネットワーク)は、2013年の国連総会で、NEO による潜在的な脅威に対する国際的な対応の調整を強化するための宇宙平和利用委員会(Committee on the Peaceful Uses of Outer Space - COPUOS)の勧告を受けて設立された。



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO. TPSJ Editorial Office