JHUAPL News (Ja) - Space Topics 2019
Space Topics JHU/APL News 日本語訳解説 : January 02, 2019. Latest
原文 : January 01, 2019 - New Horizons Successfully Explores Ultima Thule
ニューホライズンズ探査機 : 2014 MU69 Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ)を捕える
NASA ニューホライズンズ(New Horizons)探査機は元旦の早朝(EST)に Ultima Thule をフライバイし、太陽系起源の解明に有力な証拠を持つ天体が存在する謎に満ちたエッジワース・カイパーベルトから探査する時代の到来を迎えた。
「再び歴史を作った NASA ニューホライズンズチーム、ジョンズホプキンス大学応用物理学研究所およびサウスウェスト研究所におめでとうを言いたい。本日、ニューホライズンズは、宇宙機がこれまでに訪れたなかで最も遠い天体のフライバイを実施した。我々の太陽系の誕生からの残骸を持っている天体(太陽風化が少ない)を直接探査する初めての試みだ」と、NASA 長官のジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)は語った。
「これでこそ、宇宙探査において先導的役割を担う NASA の総てと言えるのだ」
探査機が健全であり、取得した Ultima Thule に関する科学データで保存容量が「満杯」になったことを確認する信号が本日午前にジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(APL)のミッションオペレーションセンターに届いた。
コロラド州ボールダーにあるサウスウェスト研究所の主任研究員(Principal Investigator or PI)アラン・スターン氏は、次のように述べている。
「私たちが見た初期データは素晴らしいもので、すでに Ultima Thule について分析は進んでいる。時間の経過とともに、取得したデータはさらに詳細なものとなるだろう」
Image Caption :
左は、ニューホライズンズ搭載の高解像度のロングレンジメージャ(LORRI)が撮影した二枚の画像が合成されている。この EKBO 天体である Ultima Thule の推定値は、約 20 マイル x 幅 10 マイル(32 キロメートル x 16 キロメートル)ぼ規模と推定する。右のアーティストコンセプトは、左側の撮像に基づいて、Ultima Thule のひとつの可能な外観を示している。Ultima Thule のスピン軸の方向は矢印で示されている。
Image Credit : NASA/JHUAPL/SwRI; sketch courtesy of James Tuttle Keane
ニューホライズンズ探査機搭載のカメラによって、午後14時33分(日本時間)にターゲットからわずか 2,200 マイル(3,500 キロメートル)以内をフライバイ接近中に撮影された画像は、エッジワース・カイパーベルト天体が、およそ 20 x 10 マイル(32 x 16 キロメートル)の寸法でボウリングピンに似た形をしていることを明らかにした。もうひとつの可能性は、Ultima Thule が互いに周回するふたつの天体(バイナリ天体、Close Binary System)であることだ。
フライバイデータは、Ultima Thule の謎のひとつをすでに解決している。Ultima Thule がプロペラのように回転し、軸がほぼニューホライズンズ探査機を向いていることを画像が示している。これは、Ultima Thule のフライバイ前に撮影された初期画像では、回転しているはずが明るさが変化しないように見えた理由だ。チームはまだ自転(回転)周期を決定してはいない。
2018年12月31日に受信した、ニューホライズンズ搭載の LORRI カメラによって70分と85分間隔で撮影された三つの画像による Ultima Thule の回転を示したアニメーション。
Image Credit : NASA/JHUAPL/SwRI
科学データが「地球への帰還」を開始したとき、ミッションチームは、この遠く離れた宇宙であるエッジワース・カイパーベルト領域を初めて探査に到ったことによる興奮を隠さなかった。
「ニューホライズンズは、勇敢で永続的な小さな探検家であり、そして素晴らしい写真家として私たちの心の中で大切な場所を占めている」と、ジョンズホプキンス大学応用物理学研究所所長ラルフセンメル(Ralph Semmel)は語った。
「APL(応用物理学研究所)、NASA、国家、そして世界中の宇宙探査を応援する人たち、我々全員にとってこのフライバイは史上初めてのことだ。大胆で果敢な科学者やエンジニアによるチームがこの快挙もたらしてくれたことは総てにとって大きな功績なのだ」
「40億マイルも離れた場所にある Ultima Thule に到達することは素晴らしい成果だ。これは最高級の宇宙探査だ」と、サンアントニオのサウスウェスト研究所代表兼 CEO であるアダム L. ハミルトン(Adam L. Hamilton)は述べた。
「冥王星とエッジワース・カイパーベルトの教科書を書き始めたサイエンスチームとミッションパートナーに敬意を表する。次章が示されるを楽しみにしている」
Twitterでは、#UltimaThule、#UltimaFlyby、#askNewHorizonsのハッシュタグを使用して会話に参加できる。
ライブアップデートとミッション情報へのリンクは、以下の通り。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan