The Planetary Society of Japan

次世代太陽系探査

ONC 地形観測から探る小惑星の力学進化

Updated : October 12, 2016 - はやぶさ2からポストはやぶさ2へ

日本惑星科学会誌「遊星人」 Vol. 24, No.1, 2015 掲載

諸田智克1,杉田精司2,澤田弘崇3,本田理恵4,亀田真吾5,山田学6,本田親寿7,鈴木秀彦8,安藤滉祐1,はやぶさ2 ONC チーム
1. 名古屋大学大学院環境学研究科 2. 東京大学大学院理学系研究科 3. 宇宙航空研究開発機構 4. 高知大学自然科学系理学部門 5. 立教大学理学部 6. 千葉工業大学惑星探査研究センター 7. 会津大学先端情報科学研究センター 8. 明治大学理工学部

この原稿元ファイル:[ 日本惑星科学会誌「遊・星・人」第24巻(2015)1号 - PDF ]
 

要旨

はやぶさ2に搭載された光学航法カメラ(ONC:Optical Navigation Camera)はその名の通り探査機のナビゲーションの役目を担うカメラであるが,科学観測においても中心的な役割を果たす.本稿では特に小惑星の力学進化過程の復元に向けた,ONC 地形観測の戦略について紹介する.
 

1. 光学航法カメラ(ONC)

はやぶさ2では,C 型の地球近傍小惑星 1999 JU3 から太陽系初期の記録を保存している始原的な試料を持ち帰り,その精密分析にもとづいて,太陽系形成時の水・有機物-鉱物間の反応,地球にもたらされるまでの物質科学的進化について実証的に迫る.得られる微小スケールの試料から太陽系スケールの情報を読み解くには,試料の物質科学的情報だけでなく,試料採取地点の 1999 JU3 における地質学的位置付け,さらには 1999 JU3 が太陽系のどこで誕生し,どのような力学進化を辿って現在の姿になったのか,といったマルチスケールの進化過程の理解が重要となってくる.

はやぶさ2に搭載された光学航法カメラ(Optical Navigation Camera,以下 ONC)は,望遠直下視である ONC - T,広角直下視の ONC - W1,広角側方視 の ONC - W2 の三つの可視カメラからなる(表 1).その名の通り探査機のナビゲーションの役目を担うカメラであるが,試料採取地点の選定や 1999 JU3 科学観測においても中心的な役割を果たす.科学観測において特に重要なのは ONC - T であり,フィルタ分光によるマルチバンドデータを取得することによって,小惑星表面の物質科学情報を得る.また,ONC - T は空間分解能が広角カメラより 1 桁高く,小惑星の詳細な形状や地形把握にも用いられる.ONC分光観測の詳細な解説は別の機会に譲ることにして,本稿では特に 1999 JU3 の力学進化過程の復元に向けた,ONC地形観測の意義と戦略について紹介する.
 

表 1 : ONC 諸元.

  ONC - T ONC - W1 ONC - W2
検出器 二次元 Si-CCD( 1024 x 1024 ピクセル)
視野方向 直下(望遠) 直下(広角) 側方(広角)
視野角 6.35° x 6.35° 65.24° x 65.24°
焦点距離 100 m ~ ∞ 1 m ~ ∞
空間分解能 1 m / pixel@高度 10 km
1cm / pixel@高度 100 m
390, 480, 550, 700,
10 m / pixel@高度 10 km
1 mm / pixel@高度 1 m
観測波長 860, 950, 589.5 nm, Wide 485 nm ~ 655 nm

 
 

2. 小天体の力学進化の意義

一般に太陽系形成論では惑星系形成の最初の 1 億年程の力学的過程が扱われる一方で,現在の太陽系で観測可能な地質学的記録,軌道進化の記録は過去 40 億年程度であり,理論と実証論の間には未だ大きな時間的ギャップがある.実証的に太陽系の形成・進化を解明するためには,現在の太陽系の観測から過去の太陽系の情報を抽出し,初期状態をいかに復元できるかが鍵である.そのために,惑星からの重力相互作用を受けやすい太陽系小天体の軌道進化の歴史を解明することが圧倒的に重要である.現在のメインベルトの総質量は,現在の太陽系質量を説明するための最小質量モデルである林モデル [1]と比較しても 1 / 10000 程度しかない.なぜ太陽系小天体は惑星にまで成長できなかったのであろうか?なぜ,どのように質量枯渇したのであろうか?これらの問題の解明こそが巨大惑星や地球型惑星の形成と軌道進化の歴史を解く鍵である.現在のメインベルトは,小惑星同士が衝突し,カタストロフィックな破壊やクレータリングなどにより破片が生成され,破片同士が衝突してさらに小さくなる衝突カスケード [2] の状態にあると考えられる.よって,小天体の質量枯渇の過程を解明するには,小天体の衝突破壊の歴史,軌道進化の歴史の復元が重要である.
 


図 1 : メインベルト小惑星から地球近傍小惑星に至る力学過程.
 

衝突カスケードの過程で生成された破片はヤルコフスキー効果などによって軌道長半径を変化させる.やがて巨大惑星の平均運動共鳴や永年共鳴の位置にまで移動すると,軌道離心率が増大し内惑星の軌道と交差するようになり,地球近傍小惑星( NEA) となる( 図 1).1999 JU 3 を例に,このメインベルトでの衝突破壊過程から地球近傍小天体への供給プロセスを実証的に抑えることが ONC 地形観測の大目標である.特に ONC の地形観測によって,1999 JU 3 の大規模構造(一枚岩かラブルパイル構造か?),形成年代や最後の表面更新年代,NEA となってからの年代,衝突環境に関する情報を抽出することができると期待される.次章で ONC 地形観測の詳細について述べる.
 

3. ONC による地形観測

地球近傍小惑星の衝突破壊・軌道進化過程を実証的に抑えるために,はやぶさ2では多角的視点でマルチスケールの形状・地形観測を行う.1999 JU 3 の全体形状と運動の計測は,試料採取地点の選定や試料採取の確実性評価などの観測運用計画策定において重要であると同時に,大規模構造 (一枚岩かラブルパイル天体か?) の把握や軌道進化推定の高精度化などにおいても基礎情報を与えるものであり,1999 JU 3 の素性解明に対する科学的意義も計り知れない.

小惑星表面で観測されるクレータの数密度分布からは,1999 JU 3 の形成年代や最後の表面更新年代,NEA となってからの年代,形成後の衝突イベント史,衝突環境に関する情報を抽出することができると期待される.また,小惑星表面のボルダーのサイズ分布や形状からは,それらが母天体から 1999 JU 3を形成した際の衝突破片か,または 1999 JU 3 上で形成されたクレータ起源かを解明するための手がかりが得られ,1999 JU 3 が母天体からの破片集積によるラブルパイル天体であるか否かを検証するための重要情報となる.
 

3 - 1. 形状と運動

はやぶさ2ではホームポジション (高度 20 km を予定)での全球マッピングデータから小惑星の全体形状モデルを,中高度 (高度 5 ~ 3 km),低高度 (高度 1 km ~ 100 m) 観測による局所データから一部の領域についての詳細な地形モデルを作成する.はやぶさ2のような,転送データ量が限られており,運用面での制約も多い深宇宙探査機の場合には,精密な天体形状モデル作成に十分なデータを短時間に得ることは容易ではない.そのような制約下であることを考慮し,データの観測条件に比較的左右されにくいシルエット法やステレオ法,画像データのピクセルスケールでのオーダーでの形状復元が可能な Shape from Shading 法や Photometric stereo 法などの多角的なアプローチで,各々の利点を生かしながら形状モデルの作成を行う[3].

形状モデルが作成されれば,それから算出される体積と,レーザ高度計(LIDAR) による質量測定を合わせることで平均密度が導出できる.もし 1999 JU 3 がライブルパイル天体であるならば,高い空隙率をもつと考えられ,その平均密度は小さいと予想される.はやぶさ初号機による同様の観測によって,S型のサブキロメートル小惑星であるイトカワはラブルパイル天体であることがわかった [4].C 型の 1999 JU 3 もイトカワと同様にラブルパイルであるかどうかは興味深い問題であり,小惑星の衝突破壊・合体進化を考える上で非常に重要である.ただし,高空隙率を持つことからのみでラブルパイル天体であることを結論付けることはできない.後述のようにボルダーの形状,数密度などのその他の地形学的情報を総合して判断する必要がある.

また,1999 JU 3 の密度導出さらには内部の不均一性を反映したローカルな重力の変動を捉えることも目標のひとつであり,全体形状導出はそのために不可欠なステップである.形状モデルから密度一定を仮定して導出した慣性主軸と自転軸のずれから,内部の密度不均一性を導出することができる.

1999 JU 3 の運動に関しては,ランデブー中の高精度軌道決定によってヤルコフスキー効果を,精密な形状・自転モデルから YORP 効果を,それぞれ直接検知できる可能性がある.さらにもし非主軸回転が検出されれば,小惑星内部でのエネルギー散逸タイムスケールに制約を与えられる.他にも,SCI 衝突による自転の変化を捉えられれば,小惑星の内部構造を制約する重要な情報となる.
 

3 - 2. クレータの形状と統計

ホームポジション(高度 20 km)における ONC - T の空間分解能は 2 m / pixel であるため,クレータ識別サイズの下限は経験的に約 10 pixel 以上であることを考えると,1999 JU 3 の全球において直径約 20 m 以上のクレータの同定が可能と言える.また中高度,低高度観測によって局所的に 0.1 m / pixel 分解能の観測を行い,1 m サイズのクレータの数密度の情報も得る.

1999 JU 3 表面に記録されたクレータ統計から 1999 JU 3 の形成年代,または最後の表面更新年代を制約できると期待される.小惑星表面のクレータ数密度から年代に関する情報を得るには,クレータ数密度と絶対年代の間の関係(クレータ年代学関数と呼ぶ)を知らなければならない.小惑星におけるクレータ年代学関数は,(1) メインベルトと地球近傍での平均衝突確率,サイズ頻度分布のモデル [5] から単位時間あたりの衝突頻度を算出,(2) クレータスケーリング則 [6] を用いて単位時間あたりに形成されるクレータのサイズ頻度分布を算出,(3) seismic shaking などのクレータ消去過程の効果を算出することによって構築される[7].
 


図 2 : 1999 JU 3 サイズの地球近傍天体に期待されるクレータサイズ頻度分布[8].メインベルト(MB)で 1000 万年間,地球近傍小惑星になってから(A)10万年,(B)100 万年経過した場合をそれぞれ示す.衝突率の算出にはメインベルトと地球近傍での衝突確率,サイズ頻度分布のモデルを[5],クレータサイズの見積もりには π スケーリング則(dry soil)を[6],クレータ消去過程には seismic shaking のモデル [7] を用いた.
 

衝突カスケードの過程で生成された破片はヤルコフスキー効果などによって軌道長半径を変化させる.やがて巨大惑星の平均運動共鳴や永年共鳴の位置にまで移動すると,軌道離心率が増大し内惑星の軌道と交差するようになり,地球近傍小惑星( NEA) となる( 図 1).1999 JU 3 を例に,このメインベルトでの衝突破壊過程から地球近傍小天体への供給プロセスを実証的に抑えることが ONC 地形観測の大目標である.特に ONC の地形観測によって,1999 JU 3 の大規模構造(一枚岩かラブルパイル構造か?),形成年代や最後の表面更新年代,NEA となってからの年代,衝突環境に関する情報を抽出することができると期待される.次章で ONC 地形観測の詳細について述べる.

図 2 は 1999 JU 3 の形成以後,メインベルトで 1000 万年経過し,地球近傍小惑星になってから 10 万年と 100 万年たったときの 1999 JU 3 表面のクレータサイズ頻度分布を計算したものである [8].一般に,惑星や小惑星表面のクレータ数密度は時間とともに増加するが,あるレベルになると生成されるクレータ数と消去されるクレータ数が等しい平衡状態に達する.小惑星エロスの研究を参考にすると [7],1999 JU 3 で観測が期待される 100 m 以下の直径範囲のクレータの平衡状態を決めている主な現象は seismic shaking であると考えられる.地球近傍ではメインベルトにおけるより平均衝突速度が 3 倍ほども高いため (それぞれ,18.5 km / s と 5.3 km / s [9, 10]),同一サイズのクレータが作られる場合,メインベルトよりも地球近傍の方がより大きいクレータを seismic shaking で消去することができる.そのため,平衡状態が起こるクレータ数密度は地球近傍の方がより小さくなる( 図 2).

この seismic shaking による平衡レベルの違いが,複雑なクレータサイズ頻度分布形状をつくる.例えば,メインベルトに 1000 万年いると,直径約 10 m 以下のクレータが seismic shaking による平衡状態に達するが,その後,地球近傍に移るとより小さいクレータ数密度に平衡状態があるために,クレータが形成されるたびにより多くの小さいクレータは消失することになる.その結果として,メインベルトと地球近傍で蓄積されたクレータのサイズ頻度分布に特徴的な折れ曲がりがつくられる(図 2).折れ曲がりが起こるクレータサイズは地球近傍に移動してから経過した時間に依存する.よって,もし実際にこのようなクレータサイズ分布の折れ曲がりが観測されれば,それが起こるクレータサイズから地球近傍小天体になってからの時間を推定できる可能性があり,1999 JU 3 の軌道進化や,地球近傍小天体になってからの熱変性の歴史に制約が与えられるかもしれない.

しかし,ここで注意しないといけないのは小惑星のクレータ年代学関数は複数の仮定に基づいたモデルから構成されているため,得られる年代情報には大きな不確定性が含まれる点である.小惑星クレータ年代学モデルの各要素の中でも特に不確定性が高いのはクレータスケーリング則と seismic shaking モデルである.例えば小惑星イトカワの例を挙げると,主に実験にもとづくクレータスケーリング則 [6] と流体数値計算にもとづくクレータスケーリング則 [11] を使った場合でそれぞれ求まる年代は 300 - 1800 Myr,25 - 150 Myr となり,両者でイトカワの形成とその後の衝突史に関わる描像が大きく異なってくる.一方で,はやぶさ2の強みは小型搭載型衝突装置(SCI)による衝突実験を行うことである [12].既知の衝突条件で形成された SCI 衝突痕のサイズ,形状やレゴリス流動の観測にもとづいて,1999 JU 3 表面の物理特性やクレータスケーリング則,seismic shaking モデルを制約することができると期待される.

クレータの形状を用いて,小惑星表面物質の流動具合や微小重力天体上のクレータ形成過程に関する情報が得られる.小惑星イトカワではクレータ地形が明瞭ではなく,エロスやガスプラなどの他の小惑星上の新鮮クレータと比較して深さ-直径比が小さいクレータが多い [13].この原因として,小惑星の曲率や,低重力環境によりクレータリムが形成されないこと,表面物質の流動により低地を埋めたことなどが考えられている.しかし,イトカワのような km 以下の直径を持つ小惑星の詳細観測データは他にないため,これらのどの仮説が正しいのか判断は非常に難しい状況である.しかし,小惑星イトカワよりも重力加速度が大きいと予想される 1999 JU 3 においてクレータの深さ-直径比を調べれば,km 以下の小惑星間のクレータ地形の比較が可能となる.この詳細比較観測から小天体表面でのクレータリムの形成メカニズムに関する知見が得られると期待される.
 

3 - 3. ボルダーの形状と統計

1999 JU 3 上にどれだけのボルダーが存在しているかは不明である.しかし,中間赤外の地上観測から見積もられる熱慣性はイトカワとエロスの間であることから [14],イトカワの半分程度のボルダー数密度をもつことは十分に考えられる.ボルダーを用いた科学解析についてもはやぶさ初号機の成果が参考になる.

1999 JU 3 上に存在するボルダーの形状やサイズ頻度分布から,その起源や 1999 JU 3 の大規模構造( 一枚岩か,またはラブルパイル天体か) の制約が期待される.例えば,1999 JU 3 上のクレータの数密度をもとに,室内実験からえられるクレータイジェクタ破片のサイズ分布からクレータ起源のボルダーの数密度を推定できる.この推定値と観測されたボルダーのサイズ頻度分布を比較することで,母天体の破壊から直接つくられたボルダーと 1999 JU 3 上でつくられたボルダーの存在割合が推定できる [15].もし,(観測ボルダー数)>> (クレータ起源のボルダー数)の関係が成り立っていれば,1999 JU 3 形成時から多くのボルダーが存在していたことになり,母天体からの破片集積による形成モデルを実証することとなる.

室内実験などにより,衝突破壊で形成された岩石破片の三軸比は2 : √2 : 1となることが知られている [16].1999 JU 3 で観測されるボルダーの軸比は,ボルダーが衝突破壊から直接形成されたものであるか否かに関する判断材料の一つとなる [17, 18].

また,降下観測時などの詳細画像を用いて,ボルダーの丸みからボルダーを構成している岩石タイプを判別する.小惑星イトカワでは丸みのあるものと角張ったものの 2 種のボルダーが確認された [19].隕石との比較から,丸みのあるボルダーは角礫岩であると考えられる.小惑星イトカワや 1999 JU 3 のような微小重力下の小天体上では岩石破片を固着することはできないため,角礫岩は母天体でできたものと考えられる.もし 1999 JU 3 でも同様な岩石が存在すれば,1999 JU 3 母天体表面の衝突史に関する知見を得ることができるかもしれない.
 

4. 旅立ったはやぶさ2

平成26年12月03日の午前10時,我々,ONC サイエンスチームメンバー数名は鹿児島県熊毛郡南種子町にある恵美之江展望公園に到着した.その目的は「はやぶさ2」を乗せた H - IIA ロケット 26 号機の打ち上げを見守るためである.打ち上げの三時間半前にはすでに多くの見学者の車で駐車場は満車となっていた.駐車場にあった車のナンバープレートを見てみると,大部分が県外ナンバーであり,遠くは関東方面から来た車もあった.平日にもかかわらず,多くの家族連れ,学生集団がその瞬間を待っていた.ロケットの打ち上げという独特な雰囲気に加えて,今回ははやぶさブームからの流れを受け継いだ,一種の「お祭り」である.予定時間に近づくにつれて場の緊張感が高まっていき,打ち上げの 15 分前には公式サポーターのジバニャン(の着ぐるみ) が現れ,ちびっ子達のテンションも最高潮に達した.そして,日本標準時の平成26年12月03日13時22分04秒,はやぶさ2を乗せた H - IIA ロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられた.エンジンの点火によって一面明るくなると同時に,大きな歓声があがった.その数分後にはロケットの姿は雲の間に隠れていた.その間,自分が何を思ったか憶えていないが,エンジン点火時の鮮烈な光景と地球の重力に逆らって力強く飛び立った H - IIA ロケットの姿は脳裏に焼き付いている.

この原稿を執筆している2015年01月末時点で打ち上げから約二ヶ月が経とうとしている.これまでに各機器の初期チェックアウトが行われており,総じて順調に進んでいる.1999 JU 3 に到着する2018年まで 3 年以上残されているが,観測データと比較するための理論の整備や観測計画の詳細化,データ解析システムの確立など,それまでに行うべきことはまだまだ沢山ある.万全の状態で 1999 JU 3 と出会うための準備を我々は進めている.
 

謝辞

渡邉誠一郎プロジェクトサイエンティストには本原稿の執筆の機会をいただきました.心より感謝いたします.

参考文献

[1] Hayashi, C. et al., 1985, in Protostars and Planets II, eds. Black & Matthews (Univ. Arizona Press), 1100.
[2] Kobayashi, H. et al., 2010, Icarus 209, 836.
[3] 平田成ほか, 2014, 日本惑星科学会秋季講演会, P1 - 31.
[4] Abe, M. et al., 2006, Science 312, 1334.
[5] O'Brien, D. P. and Greenberg, R., 2005, Icarus 178, 179.
[6] Holsapple, K. A., 1993, Annu. Rev. Earth Planet. Sci. 21, 333.
[7] Richardson Jr., J. E. et al., 2005, Icarus 179, 325.
[8] 安藤滉祐ほか, 2014, 日本惑星科学会秋季講演会, P1-32.
[9] Bottke, W. F. and Greenberg, R., 1993, Geophys. Res. Lett. 20, 879.
[10] Bottke, W. F. et al., 1994, Icarus 107, 255.
[11] Nolan, M. C. et al., 1996, ApJ 459, 100.
[12] 荒川政彦ほか, 2013, 遊星人 22, 152.
[13] Hirata, N. et al., 2009, Icarus 200, 486.
[14] Muller, T. G. et al., 2010, A&A 525, A145, 6.
[15] Michikami, T. et al., 2008, Earth Planets Space 60, 13.
[16] Fujiwara, A. et al., 1978, Nature 272, 602.
[17] Nakamura, A. et al., 2008, Earth Planets Space 60, 7.
[18] Michikami, T. et al., 2010, Icarus 207, 277.
[19] Noguchi, T. et al., 2010, Icarus 206, 319.

 

 

CATEGORY: 次世代太陽系探査

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