火星衛星探査計画 MMX その 3「火星衛星は小惑星とは違う?」
特集「もう一つの月世界へ : 火星衛星探査計画 MMX」

原文 - 日本惑星科学会誌「遊・星・人」第32巻(2023)4号 - PDF



宮本英昭(東京大学大学院)


この遊星人記事は、日本惑星科学会遊星人編集専門委員会より許可を得て掲載しております。
 



要旨

火星衛星は小惑星と似ているように見えるが,実際には火星圏の独特の環境において,小惑星とは異なった表層進化過程をたどった可能性がある.本稿ではそうした状況を踏まえ,MMX ではどのように表層科学的・地質学的な探査戦略を考えているのか,概説する.
 

2014 年 頃,東京ドームに設置されていた宇宙ミュージアム TeNQ(1. を拠点として,著者らは数年前から続けていた火星探 査計画 MELOS の検討を行っていた.これは火星着陸機と周回機による複合探査を目指すという野心的なプロジェクトであったが,途中から規模のスケールダウンを余儀なくされたので,競争の激しい火星科学の中で,日本の立ち位置に関するさまざまな議論が行われた.ちょうどその頃,文部科学省の新学 術領域研究にデータ駆動科学に関する領域が設定されており,その枠組みの中で杉田精司(東京大学教授)や栗谷豪(北海道大学教授,当時准教授)と共に「スパースモデリングが拓く太陽系博物学:ハヤブサ後の小惑星探査戦略の創出(著者が代表)」という計画研究の実施を認めていただいた.これは観測データと物質科学を高次元データで結び付けることにより,はやぶさ2以降の探査戦略を生み出そうとするもので,それまで探査と関連がなかったデータ科学者や隕石学者らを含む多くの研究者が関わり,多角的で充実した,とても楽しい議論をする場となった.その一環として菊地紘(JAXA,当時大学院生)と著者は,火星探査と小惑星探査の側面を併せ持つ火星衛星に狙いを定めた研究を行ってみたのだが,結果的に Phobos サンプルリターン計画のアイディアを得た.これを惑星科学会におけるメールベースの議論に投稿したことが,MMX 立ち上げの,ごく小さなきっかけのひとつであったかもしれない.その後2015年に入ってから JAXA 宇宙研や惑星科学会関係者らの依頼を受けて,亀田真吾(立教大学教授,当時准教授)と共に科学ミッションとしてのドラフトをまとめた.その際に議論に付き合っていただいた国内外の多くの研究者の方々と共に,今も MMX 計画を進めさせていただいていることは,思い返しても非常にありがたく,かつ誇らしく感じている.

(1.産学官連携による惑星科学アウトリーチの試み」に詳細があります。
 

火星衛星は地球近傍における「最後の未到達な有名天体」である.といってもごく近傍での探査が実施されていないという意味であって,1969年のマリナー7 による観測の後,約 10 個の探査機が既に観測を行っている.そのため可視・近赤外の分光 / イメージング観測,紫外分光観測,電波観測,プラズマ・磁場測定,熱赤外分光計測が実施されているのだが,観測の空間・波長分解能は十分ではなかった.その結果,ある程度わかったが解明には至っていない,という言わばチラ見せの状態になっていて,かえって興味を掻き立てられる状況にある.たとえば火星衛星の起源が「小惑星の捕獲か巨大衝突説に絞られた」といわれると理解が進んだように聞こえるのだが,考えてもみれば両説は大きく異なるものであって,それでも既存の観測事実をほぼ満たしてしまうあたりが,この「チラ見せ」状態を象徴しているように思えてくる.
 

どちらの説が正しくても,火星圏への小天体の移動が関連しており,火星衛星の探査は小天体の形成と進化,移動,さらに内惑星への揮発性物質の供給という太陽系科学の非常に重要な鍵を握ることになる(連載の倉本,中村の記事 [ 1, 2 ] およびそれらの引用を参照されたい).さらに火星衛星は,今後の人類の太陽系進出において重要な戦略的位置づけを持つ,という点も指摘しておきたい.Phobos は火星の上空約 6000 km をほぼ真円状の軌道で周回しており,「火星人の人工衛星ではないか」などというオカルト説が飛び出すほど火星へのアクセスが良い(図 1).また Deimos も,地球往復に必要なデルタ V が小さいことや,表面状態が柔らかい(細粒かつ高空隙のレゴリスで覆われている)と想像されていることから,「最も着陸しやすい地球外天体」と言われている.そのため火星衛星は,火星への前線基地として,または地球外資源獲得の意味で,今後ますます注目されるだろう.すると地球の月と同様に,今後も繰り返し宇宙機が着陸するに違いなく,その際に必要となる天体表層の基礎情報の多くは MMX によってもたらされるだろう.
 

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図 1. Phobosは火星表面のごく近くを周回する.
Image Credit : ESA/DLR/FUBerlin/G. Neukum
 

火星衛星の特徴をひとことで言うならば,Phobos は軽い小惑星 Eros であり,Deimos は未知な Phobos である.もちろん S 型小惑星である Eros と,P 型や D 型と似たスペクトルを持つ Phobos を比べるのは乱暴なのだが,火 星衛星の直径と密度の関係は,他の既知の S 型小惑星と比べると少し軽い程度であり,C 型小惑星の傾向と比べると少し重い.また Eros と似た大地形の特徴が Phobos にあることから,今のところ Phobos に最も類似した天体は Eros のように思える.Deimos は Phobos とスペクトルや密度の意味で類似しているが,過去に獲得されている情報量が相対的に少なく,より未知である.
 

天体の大きさや重さは,小天体の起源や進化を考える上で本質的に重要である.感覚的な言い方をするならば,地球で見つかった世界最大の隕石(ホバ隕石,小型車ほどの岩)を 100 万個ほど集めると小惑星 Itokawa になり,これを 100 万個程度集めると小惑星 Ida,さらにこれを 100 万個集めると月程度の重さになる.なんとなく隕石が集まってラブルパイル天体の Itokawa ができるのは予想がつくような気もするが,Itokawa → Ida や,Ida → 月を直感的に捉えるのは難しく,火星衛星の探査はこの理解にも役立ちそうだ.図 2 に Phobos の大きさを Itokawa や Ryugu と共に示したが,Phobos は Ryugu,Itokawa と比べるとはるかに大きく,表面重力は Itokawa や Ryugu の 50 -100 倍程度となる.そのため Phobos 着陸は,これまでのはやぶさシリーズによる小惑星タッチダウンと根本的に異なる形になるため,MMX は「はやぶさ3」とは呼べなくなった.
 

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図 2. Phobos と Itokawa,Ryugu を富士山の横に大きさを揃えて並べてみた.
Image Credit : 遊星人
 

Phobos には多数のクレーターが存在し(図 1),最大のスティックニークレーター(直径 9 km 以上)の存在が際立っている(図 2).さらに無数のボルダーが表面に存在し,グルーブと呼ばれる溝構造が存在することも知られている.Deimos もこれと類似しており,クレーターも Phobos と同程度の数密度でランダムに存在する.またそれぞれのサイズ頻度分布は,過去に探査された小惑星と類似しているのだが,後述する理由で 2 次クレーターとの区別がつかない問題があるため,クレーター年代があまりあてにならない.Deimos 最大のクレーターは,ヴォルテールクレーター(直径 3 km)であるとする考え方と,南側の直径 10 km 程度のくぼみとする考え方があるが,このあたりもデータの欠如で決定できていない.なお全体的には,Deimos の表面は Phobos よりもかなり滑らかであるように見える.火星のロッシュ限界周辺に存在する Phobos よりも,Deimos に粉体が多く堆積するように見える点は,軌道進化に原因があるとする考え方がある.ただしそもそも,火星衛星の表土の進化がよくわかっていないので,こうした見かけの滑らかさの議論の前に,整理しておくべき事項が沢山ありそうだ.
 

岩石天体の表面は,一般にレゴリスと呼ばれる岩石の破砕物で覆われており,これは火星衛星も同様であろう.内部探査のための特別な手法を用いなければ,ほぼ全てのリモートセンシング観測はこのレゴリスに関する情報しか得られないため,ここから如何に天体に関する重要な情報を導けるかが,固体天体のリモートセンシング観測の本質となる.火星衛星は惑星のような大きな天体と異なり,形成後に熱進化や水質変性の影響を受けたことが無いとはいえども,表層レゴリスの進化は未解明である.まず微小メテオロイドの衝突に長期間晒されることで,月でみられるように表土の破砕と鉛直攪拌を繰り返し,ローカルに円熟し圧密したレゴリスが形成されることが想像できる.ところが Ryugu 等で見られたように,低い自己重力下では,衝突破砕・移動・再堆積による広範囲かつ比較的深深度までの攪拌や細粒分の散逸も考えうる.これに加えて,火星に近いが故の他の要素もありうる.土星の強い影響下にある衛星アトラスでは,粒径の揃った粒子が低圧密状態で表面に堆積することが知られているのだが,これと同様に(火星衛星本体の重力と比較すると)強大な火星重力に影響される火星衛星は,自分自身を起源とした粒子や火星起源の粒子の(再)堆積効果が卓越しているはずだ,という考え方もある.
 

Phobos には若干であるがスペクトルに差がある領域があり,赤いユニットと青いユニットと呼ばれて区別して議論されている.ただし単純に青い領域が内部の新鮮な物質であるとする見方は,地質学的には否定されている.Phobos にある最大のボルダーは 100 m 程度あり,豊富に存在するボルダーの頻度を月から外挿したボルダー生存年代を考えると,比較的若いクレーターから放出されたと考えることも可能である.ただしボルダーの分布は Phobos の複雑形状とその重力やそれに応じた表土の移動と合わせて考えないと解釈が困難で,これは赤・青ユニットの複雑な重なり方の解明やグルーブの壁面状態の解析などにおいても同様である.これらは単に解像度の高い画像を用いた高解像度形状モデルを形成すれば解決するものではなく,Phobos の自転や火星の潮汐力の効果も含めた動的重力を考慮し,かつその軌道変遷による変化も含めて議論しないと,誤った結論に達する可能性があるところがややこしい.
 

こうした状況を丁寧に積み上げていくと,火星衛星の進化は火星圏の独特の事情が複雑に絡み合う複合的な原因に支配されていることが見えてくる.そのため火星衛星探査には,Itokawa や Ryugu とは異なった探査戦略が必要となる.MMX プロジェクトでは,表面環境・地質学に関する科学戦略チーム(PI が筆者,Sub-PI がコートダジュール天文台の Patrick Michel で,70 人以上のメンバで構成される国際チーム)を形成し,火星圏の中の火星衛星が,形成後にどのように進化したのかを解明しようとしている [ 3 ].以下でこのチームのこれまでの検討と,今後の計画について紹介する.
 

Phobos のレゴリスが,実際にはどのように進化してきたのか.これを理解するには,レゴリスの化学組成だけでなく,広範囲における表面物質の粒径分布や粒子形状,機械的特性とそれらの地域的な分散を調べる必要がある.着陸時やローバ移動に応じた表面レゴリスの Phobos の低重力下における挙動から,こうした点についての何らかの知見が得られそうであるが,これを迅速に得るためには慎重な準備が必要である.また着陸安全性の確保のためにも,表面構成物の機械的特性を想定しておくことが重要であった.こうした理由から私たちのチームでは,観測事実を正確に模擬した模擬土壌(シミュラント)を開発して [ 3 ],光学観測のための実験室内での実験や,その挙動をとらえるための動的な実験,さらに数値モデルによる解析,落下塔における低重力環境での実験などを組み合わせた検討を実施している.
 

Phobos の表面積は小惑星 Itokawa の 約 4000 倍,Ryugu の約 600 倍も大きい.MMX の観測装置は,さまざまな形で Hayabusa 2 と比べて機能も種類も向上しているため,Ryugu と同じデータ処理を想定しているとデータ解析が破綻してしまう.そこで富士山を仮想 Phobos と見立ててドローン観測や地上観測,衛星によるリモートセンシングなどを組み合わせて,こうした大きな物体をボルダー単位で地質学的検討を実施し,そのためのツール開発やノウハウ獲得を行っている.また対象となる火星衛星は不規則形状を持つので,観測状況が正確に抑えられていたとしても,実際にその観測領域がどの場所に対応しているのか正確に知ることが難しい.そこで画像解析と 3 次元立体再構成技術を組み合わせたソフトウェア群の準備も行っている.さらに無数のボルダーについて,異なる画像による計測の重複や,目視による恣意性という問題点が指摘されている.そのため機械学習による客観的かつ迅速なボルダー自動認知の手法を開発した.
 

Phobos 上での風化を理解するために,プラズマやダスト環境,さらにさらに火星圏の環境を観測的に制約することも予定している。その解析のため宇宙風化に関する室内実験を実施し,この結果を利用した数値モデリングを進める予定である.荷電粒子や高エネルギー粒子等による岩石の変性・移動に関する検討の他にも,熱疲労や土壌と揮発性物質の相互作用,ダスト検出の検討,プラズマと表面との相互作用など,多くの分野にまたがる検討をあらかじめ実施しておくことを予定している.
 

これまでに科学的重要度の高い項目の整理も行ってきたが,筆者は特に内部構造を知ることが重要な目的となると考えている.まずはごく浅部というか,衛星にとっては最外部に,ダスト層が存在するのか否かを知ることが重要である.
 

MARSIS やアレシボレ ーダーで Phobos の電波観測が実施されているのだが,その結果から火星衛星の表面は非常に低い密度の物質で覆われていると解釈されている.つまり,ふわふわとしたダスト層が 10 cm かそれ以上の厚さで表面に存在している,という可能性が指摘されている.そのような構造を持つ天体は,これまでに見つかったことはないのだけれども,Phobos 表面のストリークという筋状の構造の存在は,ダスト層が存在していて崩壊したとするとうまく説明できてしまうため,現状ではその存在を否定しきれない.もしそのような層が存在するのであれば,着陸機やローバの太陽電池パネルの汚損が問題となるだけでなく,離着陸時のダスト巻き上げによる探査機への甚大な影響が懸念される.また,ローバのタイヤが十分なトラクションを確保できず,モビリティが著しく損なわれてしまうかもしれない.つまりこうしたダスト層の存在は,MMX 計画のみならず今後の全ての着陸計画にとって最大の懸念事項とも言える.その存否について,高解像度画像からレビテーションの有無も含めて検討することはできるが,ローバ投下時や着陸(リハーサル)時により明瞭に判断できるはずであり,この観測は MMX による表面科学探査の重要なターゲットとなる.
 

レゴリス層の構造についても,早いうちに理解を進めておきたい.Phobos には多くのクレーターが存在するが,深度方向の地盤強度の差が反映される(と信じられている)同心円状のクレーターに地域差が存在しないことから,レゴリス層の厚さも地域差が無いのかもしれない.しかしこれはスティックニークレーターなど大きなクレーター周辺の堆積物が不均質であるようにも見えることと矛盾する.また,スティックニーの見かけ形成年代がボルダーの生存年代と大きく矛盾することも含めて考えると,Phobos 表面では,一般的な地形的緩和と異なるタイプの地形緩和があるのかもしれない.これはたとえば軌道変化に応じた重力の変化(と,それに伴う土砂移動)の影響があるのかもしれないし,Phobos から放出されたイジェクタが火星の強大な重力の影響を受けて再堆積する効果が卓越するのかもしれない.後者の場合,表層物質は幾度となく衝突加熱・変性を経験した物質で構成されている可能性もあるため,こうした物質を Phobos の基盤物質と認識してしまうと,実際の進化史と大幅に異なる描像を得てしまう可能性もあるので,中村智樹(東北大学教授)らのリードする火星衛星起源の科学戦略チームと検討していきたい.また表面にみられるクレーターの多くが 2 次クレーターであって,直接求められるクレーター年代が表面年代とは全く異なっている可能性もある.さらに Deimos 由来の物質や火星由来物質,火星重力で捕獲された火星圏以外から来た物質も表面土砂に混合されているはずで,たとえ混合の割合がわずかであっても,分布や量比はサンプル解析においても影響があるはずだ.
 

深部に何らかの物質境界が存在するかどうかは,観測による制約が難しいが重要な問題である.彗星核のような天体の捕獲説を想定すれば,内部数十 m 以深に氷を含むコアが存在していても不思議ではないことは,過去にも指摘されている.また強制秤動の振幅の観測結果は,内部が多少高密度であっても矛盾しないことを示している.表面が乾燥していても,実際には内部に氷が存在するという例は,メインベルトの小惑星や枯渇彗星などで立て続けに報告がされているし,リモートセンシングでは表面が乾燥していると考えられていた Ryugu が,実際には豊富に水を含むことがサンプル解析でわかっている.そのため松本晃治(天文台准教授)の率いる測地学・科学戦略チームと協力して,深部内部構造の観点からも解析を進めたい.過去の探査機が,Phobos 内部の揮発性成分の流出を捉えたとも見える観測結果を報告していることもあり,こうした内部コアの存在の可否は興味深い研究対象となる.Phobos 内部にもし氷層が存在するのであれば,火星探査における前進基地の構築に有利ではないかという考え方もあるため,過去に打ち上げられつつも失敗した探査計画(Mars 96 や Phobos - Grunt)では地震計や地中レーダー探査装置を搭載していた.私たちの2015年頃の初期検討においても,地震計や重力偏差計,高エネルギー粒子ミュオンを用いたトモグラフィー装置(ミュオグラフィ),レーダーサウンダ,地中レーダーなど,内部探査に関連するものを真っ先に検討していた.これらは諸般の事情により実現しなかったが,この頃の検討はその後の小天体探査に引き継がれているため,いつか火星衛星の探査に利用されるかもしれない.
 

人類は将来,必ず火星に活動領域を広げるだろう.その際に Phobos や Deimos を火星への玄関口として利用する可能性があるため,海外で火星有人飛行に関連するグループも興味を持って MMX の動きを見ている.Deimos へのアクセスの容易さに目を付け,Deimos を宇宙資源の観点から探査・利用を行うという民間企業も海外に設立されており,筆者も共に検討を進めている.MMX によって火星衛星が詳しく調査されることは,科学だけでなく将来の産業界へも重要な貢献となると筆者は確信している.
 

なお本稿でも,読みやすさを優先して個々の記載について引用文献を付していない.詳しくは,参考文献に示した論文を辿っていただきたい.
 

次号へ続く.
 

参考文献

[1] 倉本圭, 2023, 遊星人 32, 123.
[2] 中村智樹ほか, 2023, 遊星人 33, 216.
[3] Miyaomto, H. et al., 2021, Earth, Planets and Space 73, 214.
 


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Editor : Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

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