地形変化から見る現在の火星の地質現象と将来の火星探査の展望
特集「火星圏のサイエンス」 : May 11, 2021. Published

逸見良道 : 東京大学総合研究博物館,宮本英昭 : 東京大学総合研究博物館 東京大学大学院工学系研究科,Reid Parsons : 東京大学総合研究博物館

この遊星人記事は、日本惑星科学会遊星人編集専門委員会より許可を得て掲載しております。
 



要旨

火星の表面進化史の理解に重要となる地質区分のうち,アマゾニアンは約30億年前から現在までに相当する.しかし,現在の地質現象はアマゾニアンに分類されない地域でも活発に起こっている.現在の火星の活動度を理解するには,まずこうした個々の現象の詳細を理解することが重要である.そこで本稿では,火星周回機によって近年観測された現在の表面変化を概観する.さらに現在の帯水層やメタンの放出に関与する可能性がある地形的特徴を検討し今後の火星探査ミッションの展望を概観する.
 

1. これまでの火星の地質学

バイキング計画以降の火星周回機が,火星表面全体について 1 画素あたり数十~数百 m のリモートセンシングデータを得たことで,全球的な地質マッピングが可能になった.火星表面はクレーター年代学と層序関係に基づき地域ごとに表面更新の時系列が整理され,古い順にノアキアン(Noachian), ヘスペリアン(Hesperian),アマゾニアン(Amazonian)と分類された(e.g. [1]).特にクレーター年代学に関しては,各地質ユニットの表面に残された直径 16 km,5 km,2,1,0.5 km でのクレーター数密度の累積サイズ頻度分布とクレーター年代関数との比較 [2] から,ノアキアン - ヘスペリアン境界は約 37 億年前,ヘスペリアン - アマゾニアン境界は約 33 - 29 億年前に相当すると考えられている.

ノアキアンでは,温暖湿潤な気候による表層水・地下水と活発な火山活動・熱水活動の環境条件の下,天体衝突による巨大盆地,巨大火山帯であるターシス山群(Tharsis Montes)やオリンポス山(Olympus Mons)一帯の大部分,バレーネットワークが生じた.ノアキアンに形成した表面の大部分は現在の南部高地に残されている.ヘスペリアンでも引き続き火山活動と表層水の影響が大きく,大規模な溶岩平原,アウトフローチャネル,峡谷が形成した.北部低地の大部分と南部高地の一部の火山地域と衝突盆地の底がヘスペリアンに対応する.

こうした時代に対し,アマゾニアンでは火山活動は火山地帯の局所的な地域に限られ,テクトニクスや天体衝突の頻度,表層水の活動度は時間とともに著しく低下し,地形変化の規模は極めて小さくなったと考えられた.

 図 1 に米国地質調査所(USGS)が作成した最新の地質図 [2] のうち,アマゾニアンとして分類された地域を示した.特に最も新しいアマゾニアン後期(約 3 億年前~現在)に分類される地域は,南北極冠のみである.
 

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図 1. 現在生じている地質現象の観測された地点およびアマゾニアンに分類された地域と代表的な地名★1).背景画像は火星全球のマーズ・グローバル・サーベイヤーのレーザー高度計 MOLA の標高図に基づく陰影起伏図.カラーの図は電子版を参照されたい.Courtesy USGS Astrogeology Science Center,
http://astrogeology.usgs.gov

★1) 筆者らは昨年度,大学院講義にて IAU Gazetteer of Planetary Nomenclature に掲載されている火星の各地名に対応する日本語表記の一覧を独自に作成した.本稿の本文中・図中ではそれらを使用して記載している.なお,各地形(Feature Types)は元来の定義や代表的な産状を反映させるため,Chasma は「大峡谷」,Mensae は「台地群」,Mons(Montes)は「山(山群)」,Planitia は「平原」,Planum は「高原」,Terra は「高地」,Valles は「大峡谷」と訳した.固有名詞については,欧米の出身者が大半を占める火星研究者コミュニティの間で最も頻繁に発話される発音に近い形でカタカナ表記した.
 

その一方で,高い時間分解能・空間分解能をもつ近年の火星周回機の観測データの増大に伴い,現在の火星表面で生じる多様な地質現象の詳細が明らかになりつつある.アマゾニアンは定義の上では現在を含む一方で,現在の地質現象の観測地点を地図上にプロットすると,アマゾニアンに分類された地域とは必ずしも一致しない(図 1).これは,数 km に満たない範囲で発生する地形変化が,地質区分に用いられる直径数 km 以上のクレーター数に影響を与えないことに起因しており,これまで使用されてきた地質区分が「表面年代」ではなく,どちらかというと地殻あるいは上部地殻の形成年代に相当することを表している.

このような背景を考慮すると,現在の地質現象を理解するには従来の巨視的な表層進化史とは異なる時間軸や空間スケールでの見方を必要とする.また,現在でも活動度の高い領域は,将来の火星探査ミッションにおいても重要度の高い探査対象となる.

そこで本稿では,現在の火星表面の地質現象の詳細(地形的特徴,発生地域,生成プロセスなど)を概説し,アマゾニアン以前には無視できるほど小規模だった地質現象が現在の表面では地形変化の主因であることを明らかにする.

次に,近年観測された季節変動する大気メタンがどのようなプロセスを経て発生しているのか,また帯水層がどのような形で地下に現存しうるかというテーマに対して,特定の地形や現在の表面変化との関係性について筆者らが行った予備的研究の結果を踏まえながら検討する.

最後に,今後の火星探査計画ではどのような地質現象の観測が期待されるか概説する.なお,ダスト・デビルと呼ばれる塵旋風が通過した跡や,表面ダスト粒子が風で飛ばされて生じるウィンド・ストリークのような表面変化は,地下深部との相互作用や地形変化への寄与が比較的乏しいため本稿では扱わない.
 

2. 大規模な表面変化

規模という点で現在の表面変化で突出するのは,アマゾニアン後期の地域に分類された,季節により変化する南極冠表面と砂丘地帯である.
 

2 - 1. 南極冠

火星の南極冠は下位から順に,H2O 氷とダストを主体とする層状堆積物(直径約 1000 km,厚さ数 km),CO2 氷に覆われた(その下は H2O 氷)残留極冠(幅約 400 km,厚さ 5 - 10 m)で構成される.さらに南極冠は毎年冬に CO2 の霜でできた季節性極冠(最大直径約 5000 km,厚さ数 m 以下)に覆われる[3].

季節性極冠は,CO2 の昇華によって,南半球の秋から春にかけて南極冠の表面に生じ,夏季になると後退(消失)する(消失しきらなかった部分が残留極冠となる)という現象を 1 火星年ごとに繰り返す.そのため,残留極冠や季節性極冠の表面では,不規則形状の地形的変化が観察される.

残留極冠に生じる虫食い状の凹地(その形態から「スイス・チーズ」(Swiss cheese)とも表現される)が時間とともに個々の窪地が広がり互いにつながってゆく(図 2a)[4].これは昇華に伴う体積の減少で説明される.
 

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図 2. 大規模に変化する表面を撮像した HiRISE 画像.
(a)一部昇華した南極冠(0.94° W,85.84° S),(b)スパイダー(127.42° E,87.01° S),(c)オリンピア砂丘(116.03° E,79.94° N),(d)ダーク・デューン・スポット(179.32° E,71.97° S).
Image credit : NASA/JPL/University of Arizona
 

季節性極冠の表面に生じる特徴として,樹枝状の亀裂からの暗い物質の放出現象である「スパイダー」(蜘蛛状の形状から英語では spider あるいは araneiform と表現する)も知られる(図 2b)[5].図 1 にスパイダーの最新の分布データを示した [6].これは透明な氷の層を透過した太陽光が地下の CO2 氷を昇華し圧力上昇を経て上面を突破してジェットとして噴出する現象によって生じたと解釈される.いずれにしても,極冠は地形変化が数千 km の範囲で見られるものの,せいぜい深さ数 m でドライアイスが太陽光輻射を受けて相変化することで生じている現象と考えられている.
 

2 - 2. 砂丘地帯

火星には大小さまざまな規模の砂丘が存在するが,ここでは USGS の火星全球砂丘データベース [6]に基づき,個々の砂丘が集まり砂丘地帯となった面積 1 - km2 以上の大規模な砂丘地帯(図 1)を紹介する.砂丘地帯の分布は,北極冠の周囲に発達するものが目立つが,高緯度域から赤道域においても,局所的に衝突盆地やカルデラの底といった地形的に周囲より低い地域に点在する傾向がある.地球上で見られる砂砂漠の見かけと類似した形状(バルハン,星型,長細いもの等を含む)を持つ.構成粒子は石英粒子でなく玄武岩質の母岩が風化した暗色の粒子と考えられている.

砂丘地帯は全体が移動しており,例えばニリ・パテラ(Nili Patera ; シルティス・メイジャー高原の火山カルデラ)の底に分布する砂丘一帯の移動速度から推測される砂のフラックスは,地球上の南極ビクトリア谷の砂丘地帯と同程度である [7].これは大気圧がわずか 4.0 - 8.7 hPa(地球大気の約 150 分の 1)とはいえ,大気と表面の相互作用が活発なことを示しており,ダスト・ストームやダスト・デビルといった全球的に生じるダスト粒子の頻繁な巻き上げ現象からも推察できる.ただし,火星表面でもダストの被覆量が多い地域と砂丘地帯は必ずしも一致しない.

北極冠を取り囲むように分布する砂丘地帯はオリンピア砂丘(Olympia Undae ; 図 2c)と呼ばれ,分光観測から石こう(gypsum)が検出された [9].北極冠あるいは基盤岩から流れ出た硫酸を含む融水が表面水あるいは地下水としてこの地域に流入・沈殿し,西向き(時計回り)の卓越風により風食し風下方向に向かって濃度が減少するように堆積したと考えられている.しかし,現在までこの一帯にだけ砂丘が留まり続けている理由はわかっていない.

緯度 60 度以上の高緯度域の砂丘では,代表的な表面変化としてダーク・デューン・スポット(dark dune spot)が見られる(図 2d).秋から冬にかけて砂丘全体が CO2 の霜(季節性極冠)に覆われ白くなるが,これが春になり昇華すると幅数 m ~ 数十 m の暗い斑点模様が砂丘の峰や谷に発生する.これは,先述のスパイダーと同様のプロセスで形成されたと考えられている.砂丘の斜面では粒子流を引き起こし後述のデューン・ガリーに類似する地形を形成する [10].
 

3. 斜面上での変化

火星の表面には衝突クレーターや火山,丘,風成地形,谷などが存在し,それにともない大小さまざまな斜面が無数に存在する.そうした斜面上では,火星周回機が取得した高解像度画像から現在も新たに生じている表面変化が確認されている.ここでは特によく知られたスロープ・ストリーク,RSL,ガリーの特徴を詳説する.
 

3 - 1. スロープ・ストリーク

スロープ・ストリークあるいはダーク・スロープ・ストリーク((dark) slope streak)は,幅数十 m ~ 数百 m,長さ数百 m ~ 数十 km に及ぶ,周囲よりも暗い筋状の特徴である(図 3a)[11].同様の形状で周囲より明るいものも一部存在し,ブライト・スロープ・ストリーク(bright slope streak)と区別することもある.バイキング探査機の観測によりその存在は知られていたものの,現在も発生していることはマーズ・グローバル・サーベイヤー探査機の高解像度カメラ MOC による観測で判明した.
 

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図 3. 斜面上の変化を撮像した HiRISE 画像.
(a)スロープ・ストリーク(17.96° E,5.8° S),(b)RSL(9.54° E,45.95° S),(c)ガリー(37.27° W,36.49° S),(d)デューン・ガリー(20.13° E,46.73° S).
Image credit : NASA/JPL/University of Arizona
 

斜面上の微地形の影響を受けて屈曲・分岐・合流しながら,重力方向に流れ下る形状を持ち,発生地点は数 m 以内に収まるほど極端に小さい.発生以降は形状を変えないが,時間の経過とともに暗い色が薄まり周囲の色に近づく.

形成プロセスとして現在有力視される乾燥粒子流モデル(dry granular flow)では,一定量以上に堆積したダストが表層数m以内の層理面で閾値を超えてダストなだれ(dust avalanche)として流れ去り,地下の新鮮な暗い面を露出するマス・ムーブメントと考えられた.

一方で,高々数度の傾斜角しかない斜面でも生じるスロープ・ストリークを粒子流のみで説明するのは困難であるため [12],液体の水が関与する可能性も排除できない.そこで提案された「湿った」流体モデルのうち代表的なものでは,斜面表層下の塩化物(水和塩)により大気中の水分が融解して塩水となり,斜面を不安定化させて流動を引き起こすと解釈された [13].

類似の現象は地球の南極大陸で観測されている.スロープ・ストリークの全球的な分布 [14](図 1)については,ダストの被覆量が多いターシス(Tharsis)地域やエリジウム(Elysium)地域,アレイビア高地(Arabia Terra)に集中する一方で,こうした地域は水蒸気圧の高い地域ともよく一致するため [15],どちらの仮説(あるいは両方の組み合わせによる可能性)もいまだに有力である.
 

3 - 2. RSL

Recurring Slope Lineae(RSL)は,斜面上で季節ごとに変化する,線状に暗くなる特徴(幅数m,長さ数百 m 程度)である(図 3b).最高解像度 25 cm/pixel のマーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)の HiRISE カメラで撮像された複数の高解像度写真を比較することによって初めて発見された [16].

春から夏にかけて長さが時間とともに斜面下方向に徐々に伸びるように成長し,秋から冬にかけては逆に徐々に後退してゆく(先端側から消失する)というパターンを毎火星年に同一地点で繰り返す.スロープ・ストリークと異なり,1 火星年の間に形状を変えるだけでなく,個々の線状の地形が分岐や合流を繰り返す特徴が見られる.

2 火星年以上の複数回の観測によって,長さの漸増,同一地点での複数年の発生,冬季の消失という三つの条件を満たすものは, 特にコンファームド RSL(confirmed RSL)として判別され,これまでに南部高地の南緯 30 - 60 度の範囲,赤道域のマリネレス大峡谷(Valles Marineris)やアレイビア平原(Arabia Terra),北部低地のアセデリア平原(Acidalia Planitia)に位置する,衝突クレーターの内壁や中央丘,および谷をなす側面の崖や底面の残丘において確認された [17].図 1 に示したのは,これまでに報告された(コンファームド)RSL および RSL の条件を一つでも満たす類似の地形が発見された地点である.

高解像度の分光観測による RSL 発生箇所で水和塩(特に過塩素酸塩・塩素酸塩・塩化物の水和物)が発見され [18],凝固点効果により一時的に液体になった塩水が斜面を流れ下ったと解釈された.

さらに,火星大気圧下で水氷から融解した水を砂でできた傾斜面に浸透させる室内実験では,沸騰した水が表面の砂粒子を吹き飛ばしながら前進する現象が確認された [19].水和塩の潮解によって土壌の反射率の低さを再現した実験結果 [20] とともに,液体の水の影響が有力視されている.

その一方,高解像度数値標高モデルの解析から RSL 末端部の勾配が乾燥した粒子流によってできた安息角と調和的という研究が昨年発表された [21].

一部の地域の RSL については THEMIS 表面温度データの解析結果が水の関与が非常に小さいことを示しており [22],完全に乾燥した環境での形成も排除しきれない.また,発見地域の地質学的産状が大きく異なるため RSL の生成プロセスが地域ごとに異なる可能性すらある.
 

3 - 3. ガリー

ガリーは,幅数 m ~ 数百 m,長さ 100 m ~ 数 km,深さ数十 m 未満の削剥された小規模な谷地形である(図 3c).ガリーは次の3つの要素で構成される [23].(1)削剥の起点となった崖上部でシャープな輪郭を持つ峰に挟まれた「アルコーヴ」(alcove),(2)削剥された物質を運搬する「チャネル」(channel),(3)崖下部に運搬された物質が堆積し緩斜面になった「エプロン」(apron).エプロンの形状からガリーの大半は単独のイベントではなく多数の堆積イベントによって現在みられる地形を形成したと考えられる.高解像度カメラ画像の比較から,特にエプロン部において明るい物質が現在も近年新たに堆積する様子が報告されている.

図 1 に示すように,ガリーの多くは南北両半球の緯度 30 - 60 度の範囲に位置するクレーター内の壁面や中央丘に見られ,南半球の方が北半球に比べて発見数が多く,緯度が高くなるにつれて赤道向きに流下するガリーが増加する傾向にある [24].

これまで南半球では南緯 30 度よりも高緯度域で小規模な表面ラフネスが減少し,これは厚さ数メートルの水氷主体の堆積物で高緯度域が覆われることが原因と考えられてきたが [25],これはガリーの数が南緯 30 度から増加する傾向とも調和的である.

地球のガリーと同様に火星表面でも液体の水が関与した土石流として,特に地下水(塩水を含む)の帯水層からの湧水,地軸傾斜角が大きい時期の雪解け水や地下氷の融解が起源に挙げられたが,現在の気候条件では液体の水が持続的に存在することは難しい.そこで風成堆積物の乾燥粒子流や液体の CO2 に駆動される流れ等の水の関与しない説も提唱されてきた.

高い時間・空間分解能のリモートセンシングデータが充実してきた昨今,ガリーのチャネル内に CO2 の霜が発生する様子が観測された.熱力学に基づく数値計算から冬季に大気中から凝縮される CO2 氷がレゴリスの表面を覆うだけでなくレゴリス内の間隙を満たし,昇華する際に CO2 ガスと土壌が混合して土石流が生じるという説も提案された [26].

上記とは異なる特徴を持つガリーとして分類されたのが,砂丘の峰から風下斜面に分布するもので [27],特にデューン・ガリー(dune gully)と呼ばれる(図 3d).デューン・ガリーは幅数 m 程度で小規模なアルコーヴに対して,リムを持ったチャネルが数百 m ~ 数 km と直線状あるいは屈曲を繰り返しながら延びる [28].末端部では明瞭なエプロンを持たない代わりに,ガリー先端から数 m ほど離れた地点に数 m 大の複数の穴(ターミナルピット ; terminal pit と呼ばれる)を伴うことが多い.

通常のガリーと同様に土壌中の CO2 昇華により土石流が生じると考えられた.低温低圧環境の下で砂で覆われた表面にドライアイスを放置する近年の実験では,ドライアイスが土壌内にもぐり込み,昇華に伴いリムを持つチャネル状の構造ができるだけでなくターミナルピットに類似する穴を生じる現象が確認されている [29].そのため,ドライアイスの関与が有力視されるが,実スケールで砂丘内部で数百 m 大のガリーと数 m 大のターミナルピットが生じうるのか,詳細な形成過程は今のところわかっていない.
 

4. 地下物質の放出

天体衝突は小規模ながら現在の火星表面で生じており,衝突によって生じるクレーターや放出物,衝突がもたらす衝撃や熱に誘発する地質現象(例 : 衝突によるスロープ・ストリークの発生 ; 図 4)は現在の表面を変化させる [30].
 

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図 4. 衝突クレーター(拡大図)によって新たに生じたスロープ・ストリークを撮像した HiRISE 画像(14.77° E,11.81° N).
Image credit : NASA/JPL/University of Arizona
 

現在の衝突クレーターは直径数 m 程度であったとしても放出物は直径数十~数百 m の範囲に広がるため,MRO CTX カメラ画像(5~6 m/pixel)では大きさ数ピクセル以上の暗い斑点模様として観測できる.2006年から2012年までに同一地点を複数回観測した CTX 画像を比較することで現在の衝突頻度が 1.65 x 10-6/km2/yr と推定された [31].これは理論計算に基づく衝突フラックスの値(10-8 - 10-6/km2/yr)[32] と調和的であった.

しかし,筆者らは衝突以外の現象(たとえば揮発性物質の放出)によっても表面に同様の暗い模様が生じうるという仮説を立て [33],のべ 3 万人以上の市民と 20 名以上のボランティア,4 名の研究者の協力のもと,2017年までに撮像された CTX 画像を使用し,計 3,549 組の画像ペアの解析を行った.

北半球の低緯度領域(総面積 1.0 x 107 km2 ; 火星全体の 7.06 % に相当)について調査し,計 477 個の新たに生じた暗い点を判別した.そこから推定した生成率は 1.3 x 10-5/km2/yr で,過去の推定値よりも 1 桁大きい値が得られた.

過去の推定よりも調査面積が 1 桁小さく,画像の撮像期間や対象地域の違いから先行研究と単純に比較することは難しいが,過去の推定よりも多くの衝突が少なくともある領域では生じているという解釈が成り立つデータが得られた.

その一方で,天体衝突とは全く異なり,こうした現象のいくつかは火星の地下の活動度に起因する可能性も捨てきれない.具体的には,現在でも温度勾配が局所的に高い領域が存在することで,地下の氷や揮発性物質が短期間に表面に噴出し同様の陥没地形や放出物を形成するというものだ.言い換えれば低緯度域でもスパイダーやダーク・デューン・スポットと同様の現象が起きうるともいえる.

予察的な画像解析ではリッジのような構造地形に沿って生じているものも見つかった(図 5).引き続き対象領域・観測期間を広げ,より正確な統計データを得るとともに,高解像度画像を用いた詳細な解析により衝突クレーター以外の成因がありえないか,今後慎重に検討する必要がある.
 

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図 5. エリジウム平原(Elysium Planitia)にてリッジに沿って新しく生じた暗い斑点(矢印の地点).a と b(158.94° E,4.44°N),c と d(149.56° E,5.23° N)がそれぞれ同じ場所での形成前後の CTX 画像.
Image credit : NASA/JPL-Caltech/MSSS
 

5. 地下に帯水層は現存するか?

前節までで,現在の火星表面の地質現象が理解されつつあり,液体の水の関与の可能性は排除されていないことを示した.本節では過去の水(氷)の挙動がどうに考えられてきたのか,現在の地下や表面の地形とどう関連しうるのかを整理する.

現在火星表面に露出する水氷の大部分は極冠として存在する.Clifford は地殻表層が氷で飽和状態にあるのに対して,深部では氷が地熱によって溶融し帯水層として全球水循環に関わると提唱した [34].地下水が赤道域に向かって流動し,赤道域では上昇して一部が表面に現れ気化して大気中へ移動し最終的には極冠として固定されるという説である.

マーズ・エクスプレスの地中レーダー MARSIS(周波数帯は 1.3 - 2.3 MHz,2.5 - 3.5 MHz,3.5 - 4.5 MHz,4.5 - 5.5 MHz の 4 バンド,自由空間での深さ方向の分解能は約 150 m,地上でのフットプリントの大きさはアクロストラック方向に 10 - 20 km,アロングトラック方向に 5 - 10 km)は,2017年まで地下深部に帯水層の反射面を検出できていなかった.

これは少なくとも地下 400 m の範囲には地下水面が存在しない可能性,あるいは存在する場合でも空間分解能以下のサイズである可能性を示す一方,深さ約 300 m 以深でシグナルが減衰している可能性があり,より深部での地下水面の存在は否定できないと考えられてきた [35].

そして,2018年07月,MARSIS 観測データの解析によって,南極冠(193° E, 81° S)の層状堆積物(深さ 1.5 km)の直下に周囲よりも極めて明るい反射面(幅 20 km)が存在し,液体の水と調和的である(比誘電率 > 15)と初めて報告された [36].今後別の地域についても同様の報告が続く可能性がある.

数値モデルからは,火星の地殻熱流量に関して約 44 億年前の 60 - 70 mW/m2 から現在の 10 - 20 mW/m2 に減少したと考えられる[37].しかしより最近の研究では,地殻の厚さの変動とマントルの熱フラックスの変動によって現在の熱フラックスには地域差が生じるとも言われる [38].こうした地域的な変動は火星レゴリス,特に低い透気係数で断熱材の役割を果たす未固結のダスト堆積物で覆われた地域では,永久凍土が溶融する深さを推定するのに重要といえよう.

最近両半球の高緯度域(約 55 度付近)の露頭に,水氷が大量に含まれる画像を HiRISE カメラが撮像したと報告された [39].これは大量の氷が火星の地下に貯留している可能性を示唆し,これが地下深部において溶融したり,地軸傾斜角が現在と異なる時期に溶融することで地形変化を引き起こす可能性がある.

中緯度域では,地下氷の厚い堆積物(厚さ ~ 700 m)が薄いレゴリス層(厚さ10 m 未満)に覆われてできた,過去の氷河流動の痕跡とされる地形が多数みられる.Viscous Flow Feature(VFF),Lobate Debris Aprons(LDA),Lineated Valley Fill (LVF)などと分類されたが,ここでは [40] にならい総称して GLF(Glacier-like Forms) とする(図 6).
 

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図 6. プロトニルス台地群(Protonilus Mensae)にみられる典型的な GLF の CTX 画像(50.53° E,42.23° N)
Image credit : NASA/JPL-Caltech/MSSS
 

図 1 に GLF の分布 [40] を示すと,北半球ではデュテロニルス台地群(Deuteronilus Mensae),プロトニルス台地群(Protonilus Mensae),南半球ではヘラス平原(Hellas Planitia)の東側に集中して見られた.70年代のバイキング探査機画像から LDA は水氷でできたと考えられ,MRO のレーダーサウンダー SHARAD による観測では,最大の LDA がほぼ純粋な氷でできているとわかったが [41],水の純度や厚さについては不明である.

現在の気候条件下で氷が不安定であるため,過去に地軸傾斜角の変化によって大量の氷が極域から中緯度域に再配置されたと考えられている.この氷堆積物表面のクレーター数密度から,氷の再堆積が起こったのはアマゾニアンの後半ごろ(約 3 億年前)と考えられるが,この堆積物が周期的に生じた可能性もある.

降雪の量や時期に制約を与えるため,氷の蓄積と流れに関する数値シミュレーションが GLF に適用されたが [42],統一的な結果は得られておらず,降雪量や岩屑物の変位量が地域的に変動するせいで,ごく限られた地域のみから地軸の変動史を制約するのは困難である.

以上のように,現在火星の地下に帯水層が存在するか否かは多角的な面から検討され,最新の観測データやモデル計算から少なくとも地下水の存在を否定する結果は出ていない.特に中緯度から高緯度域に見つかった地下氷が溶融することで生じた地形は,地下水の供給源と関連が深い可能性がある.
 

6. メタンの放出源はどこなのか?

前節では地下の液体の水や氷の挙動が現在も表面地形の変化に影響を及ぼす可能性を述べた.本節では,揮発性物質の放出などの形で現在の地形変化に寄与する可能性がある揮発性物質の中でも特に重要視される大気メタンについて筆者らの予察的観察とともにこれまでの研究を概説する.

メタンは現在の火星大気中では比較的短命と考えられていて,供給されることがなければせいぜい約 300 年,場合によってはわずか 200 日間から数時間で分解されるといわれている [43].

これまで火星大気中のメタンの検出は複数の火星周回機・探査車の機器を用いた観測および地上観測により報告された.特にキュリオシティ探査車は試料分析装置 SAM (Sample Analysis at Mars)を用いてメタンのその場観測を行い, 2015年の約一か月間に ~ 7.2 ppbv [44](2014年3月から2017年05月のバックグラウンドレベルが平均して 0.41 ppbv [45])という,短期間のメタン濃度の急上昇が観測された.

これは単にメタンの大気中への急速な放出を示唆するだけでなく,メタンの貯留や分解についてまだ知られていないプロセスが存在する可能性がある.あるいは濃度が急上昇した期間に,メタンの噴出がキュリオシティ探査車の近傍で連続して起こったことで噴出が停止して拡散する前に検出できたのかもしれない.

全球的には Mumma らの2003年のメタン濃度の観測 [46] では,夏に最大 45 ppbv 程度のメタンの濃集域が赤道付近で検出された.これはサバヤ高地(Terra Sabaea),ニリ・フォッサ(Nili Fossae),シルティス・メイジャー高原(Syrtis Major Planum)の各地域にメタン源が存在する可能性を示唆している.しかし,こうした地上観測のデータに対しては地球大気のメタンの吸収が影響するとも反論されている [47].

メタンの発生プロセスとしては有機物の紫外線による分解や岩石の熱水変成が考えられるが,生じたメタンはクラスレート(メタンハイドレート)として地下の永久凍土層に貯留し,ここから現在もメタンが表面へと漏れ出ている可能性がある.しかし,メタンが火星地殻中のメタン生成菌によって生じた可能性も排除できない.

メタン放出に伴う地形的特徴の探索も続いているが,今のところ決定的なものはなく,いくつかメタンガスの抜け穴(地球上では macroseepageやmicroseepage と呼ばれる)に類似する特徴が報告されている [43].

また地球上のメタンガスの放出源として知られる泥火山(地下深部の細粒物質・液体の水・ガスの混合流体が過剰圧力を受けて噴出し堆積してできる山体)に類似する直径数十 m ~ 数 km の山体が火星の各地で多数報告されてきた [48].

もしこうした地形からメタン放出に伴い形成されたとすると,その地下に貯留したメタンが今も地下から地上の噴出口へ直結する経路を通して放出を続けている可能性すらあるため [49],地下深部の物質のサンプリングの容易さも考慮すると,将来の重要な探査対象になる.

実際,筆者らは将来の探査候補地点として,マリネレス大峡谷(Valles Marineris)内側のメラス大峡谷(Melas Chasma)東部を提案してきた [33].メラス大峡谷では,RSL,泥火山状の丘(図 7),地すべり堆積物,水和した硫酸塩鉱物が全て観測できるため,各地形が相互にどのように関係するのかについて,より詳細な調査を現在進めている.
 

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図 7. メラス大峡谷(Melas Chasma)の丘状の地形(69.41° W, 11.52° S)の HiRISE 画像と対応する数値地形モデルから抽出した二次元地形断面.頂上のくぼ地,直径約 500 - 1000 m,高さ約 50 - 150 m という特徴は地球の泥火山と調和的である.
Image credit : NASA/JPL/University of Arizona
 

7. 火星探査の展望とまとめ

ここまでで列挙した現在の表面変化が地下物質の相変化や移動を反映している可能性を示唆している.現在活動中の火星探査機と将来の火星探査機は,こうした地質現象に対して,高い分解能(時間・空間・波長)で周回軌道上から観測したり,対象地形に接近しその場観測を行う絶好の機会を迎える.

2012年08月にゲール・クレーター(Gale crater)に着陸したキュリオシティは,現在クレーター中央丘の斜面を登りながら南下しているが,その予定進路には HiRISE 画像の観測から RSL が報告されている [50].これまで探査車や着陸機による RSL のその場観測の例はないため,RSL に接近し高解像度の画像やレーザー光を照射する化学分析カメラなどでの観測により液体の水の関与について制約を与えるような結果が期待される.

2016年10月に火星に到着したエクソマーズ計画の火星周回機トレース・ガス・オービター(TGO)は,軌道の調整期間を経て2018年05月から本格的に観測を開始した.TGO によってメタン放出イベントの時間・場所・濃度を高い分解能で観測できる.これにより火星表面のメタン放出の発生源や発生プロセスをより制約できると期待される.

また,2018年5月に打ち上げられた火星着陸機インサイトは2018年11月末にエリジウム平原(Elysium Planitia)に着陸し(図 1),内部構造や地殻熱流量,火震を計測する予定である.筆者らの予備的な観測では,エリジウム平原に存在する斜面上にて,近年アルベドが極端に低くなる現象が CTX 画像の比較により確認された(図 8).
 

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図 8. エリジウム平原(Elysium Planitia)の斜面に近年生じた暗い表面(矢印の地点)の CTX 画像(163.17° E,14.85° N).左が変化前,右が変化後.
Image credit : NASA/JPL-Caltech/MSSS
 

こうした特徴は一般的には砂丘を構成する暗い粒子の堆積として認識されてきた.しかし,なぜ周辺域一帯にではなく斜面上にのみ集中するのか説明がつかない.近傍には過去のスコリア丘あるいはルートレス・コーン(溶岩流と水の接触による爆発で生じる小丘)と類似する地形も観察できたため,局所的な温度勾配による液体の水の滲出と解釈することも可能である.インサイトによってこうした地質活動が観測されることが期待される.

また,筆者らはアレイビア平原でも同様の現象を確認しているため,このような地形変化が全球規模でどのような地域に分布するのか,また他の地形変化とどう関連するのか,あるいは単なる表面ラフネスの変化で説明可能かを今後の研究課題として検討している.

最後に,現在の地質現象の発生地点を特定するには,周回機によって 2 回以上(可能であれば複数年にわたり複数の季節で)同じ地点を観測するデータが必要である.加えて数十 m スケールの地形解析においては高い空間解像度をもつ画像や高解像度ステレオペア画像に基づく超高解像度(1 画素あたり最高で 1 m)の数値標高モデルが必要である [51].

そのうえ,こうした地形変化の判別には,画像解析・惑星地質学・野外調査のエキスパートによる肉眼での徹底的な観察が欠かせない [52].実際,RSL が報告されたのは HiRISE カメラの観測が開始されてから約 5 年が経過した時期であった.

今後こうした研究を続けていくことで,火星表面および地下環境についてより正確な地形変化の記載が可能になり,表面と大気および地下物質の相互作用や流動に関する理論モデルが進展し,Mars 2020 をはじめとする将来の着陸探査計画に対して有望な着陸候補地が提案されると期待できそうだ.
 

謝辞

ゲストエディターの玄田英典博士からは,本稿を執筆する機会と原稿への助言・コメントを頂きました.査読者の小川佳子博士からは,有益なコメントを頂きました.本稿の改訂を助けて頂いたことを深く感謝いたします.本研究は科研費 16K13890,17H02953 と株式会社東京ドーム / 宇宙ミュージアム TeNQ の支援を得ています.
 

参考文献

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