はやぶさ2 ONC-T チームが TeNQ に! August 22, 2018


皆様、2か月以上もご無沙汰してしまい、申し訳ありませんでした。ちょうど殺人的暑さの真夏の日本に3週間出張して、その間、はやぶさ2のNIRS3およびONC-Tのデータの解釈と、統合科学の立場から着陸地点候補のうちで科学的に最も価値があるものを推薦するという活動に主に明け暮れ、その合間に実験などで阪大などに行っていました。

こういう長期出張の時にまず大切なのは健康管理です。宇宙研のロッジは格安かつ炊事洗濯設備があり、炊飯器の1つは玄米対応なので、玄米を持参し、更に普通の炊飯器でも炊ける「美人玄米」と、玄米に混ぜる「雑穀美人」をAmazonで購入してコンビニ受け取りしました。宇宙研は、淵野辺駅への道の途中に、ローソン野菜100とBig-Aというどちらも24時間営業で、便利かつ格安で食材を売っている店があるので、時差ボケかつ暑さを避けて未明に買い物に行く私には最適でした。

下画像:宇宙研ロッジに滞在中の食事の一例。

写真にあるのは、ロッジの私部屋の机で食事をとった一例で、豆と雑穀と舞茸を炊きこんだ玄米ご飯に、めかぶと納豆をかけ、持参したゴボウの乾燥粉末を写真上の鉄のボールに入れてお湯で茶を作りました。そしてBig-Aで無調整豆乳やヨーグルトやバナナを買って朝ごはんとかにしました。問題は全粒パンや全粒かつ無糖のシリアルが便利に入手できなかったことです。日本はその辺問題です。

宇宙研では奥まったところに訪問研究者たちの部屋が準備され、はやぶさ2の共同研究者たちが入れ代わり立ち代わりながらデータ解析とその意味についての議論が続きました。衛星運用やいろんな会議が行われながらの忙しい中でのひと時です。次の写真は、特に着陸地点選定のために頑張っている東北大の中村智樹君とJAXAで働き始めた松岡萌ちゃんが、Driss Takirやブラウン大のRalph Millikenを交えてNIRS3の校正について議論しているところで、NASA HQのPaul Abellも加わってきたところです。

下画像:はやぶさ2の外来共同研究者の部屋での議論の様子。左から、Paul Abell、Ralph Milliken、松岡萌さん、中村智樹さん、Driss Takir。

そんな中で、東大博物館のHirdy宮本君のおかげで、ONCチーム会議が水道橋のTeNQで行われ、展示の見物もしてきました。多くの若いメンバーたちで活発な議論がされた異次元空間でした。写真は展示に入る直前に取らせてもらった写真で、カメラを構えて私の写真を撮ろうとしているのが宮本君です。

下画像:TeNQを訪れるONCチームの面々。

また、この期間に宇宙研の一般公開があり、次の写真のように開場前から長蛇の列ができ、私もスタッフとして、はやぶさ・はやぶさ2のブースのあたりで時折説明などしました。プロジェクトマネージャーの津田さんもさりげなく一般のおじさんのように登場してボランティアしてました:)私がプロマネとかって名札付けないんですが、と尋ねたら、こうやって隠密で登場するのがいいんだと言ってました。

下画像:宇宙研の一般公開でのスナップショットの数々。

また、プロジェクトサイエンティストの渡辺さんも一所懸命説明されていました。意外な一面でしたね。あとは、ボランティアの学生さんたちの若い力であふれていた感じでした。クイズラリーがあったせいか、はやぶさ2の展示の周りはいつも親子連れで賑わっていました。それと、はやぶさの本物のカプセルが展示してあることを知り、本物と書いてなくて、写真撮影禁止と書いてあるだけなので、確信がなかったですが、リエントリーの研究をしている若者にそう教えられて感激しました。当初はカプセルを一目見るために来た人々が、博物館から道にあふれる長蛇の列ができていましたから。

今回の出張では書ききれないほど多くの発見と経験と出会いがあったのですが、ここでは書けないことも多くあり、またの機会をお楽しみにということで。今は、やっと暑さも和らぎ、バイトの翻訳もひと段落着いたところで、隕石試料の測定や、次回11-12月の帰国のための準備、特に12月4-7日のはやぶさシンポのための要旨を書いたりするのに忙しくしています。今回は三重県で講演をしてきましたが、あとは青森・秋田・福島・栃木といった北の4県だけ講演に行っていないので、次回それらに挑戦したいと思っています。
 

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