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Q. リュウグウに投下されるターゲットマーカーには、全国から寄せられた沢山の方々のお名前が記入されているということですが、何人ほどのお名前が記入されていますでしょうか。また、小惑星の上で、どのくらいの期間、風化せずに残り続けるのでしょうか?

August 12, 2018 - なおくん:51才
 

A. ターゲットマーカに入れたシートには、約18万人の名前が刻まれています。「はやぶさ2」には5つのターゲットマーカが搭載されていますが、そのすべてに同じシートが入っています。ターゲットマーカがどのくらい風化せずに残っているかについては、よく分かりません。


Q. リュウグウ到着!おめでとうございます。光で16分も離れている探査機の制御、信じられません。はやぶさ2は、リュウグウの引力で周回しているのですか?いろいろな計算をされていると思いますが、精度(有効桁)はどのくらいなのでしょうか?科学を追求することの本当のすごさを、次世代の人たちに伝えたいですね!

August 12, 2018 - 川崎滋:67才
 

A. 「はやぶさ2」はリュウグウの周りを周回していません。リュウグウの引力が小さいので、周回するよりは、リュウグウ上空に留まる方が探査機の運用がしやすいことになります。ちょうどヘリコプターが上空に留まっているのと同じホバリングをしていることになります。リュウグウは太陽の周りを回っていますから、「はやぶさ2」も同時に太陽の周りを回りながらリュウグウ上空にホバリングしていることになります。

計算の精度ですが、いろいろな計算があるので一口には言えませんが、例えば地球から測った視線方向の距離の誤差は数メートルくらいです。約3億kmに対して数メートルなのでかなり精度はよいことになります。

また、視線方向の速度は、秒速1mm以下(時速3.6m)の精度で計測できています。太陽の周りを回っている探査機の速度はざくっと秒速30km(時速108,000km)くらいになりますから、こちらも非常に精度が高いことになります。


Q. リュウグウの引力が想定より軽い場合、周回軌道に入るためには手前から減速していく必要があると思いますが、減速が間に合うのでしょうか?イオンエンジンの推力では、長時間の逆噴射必要だと思っています。また、リュウグウへ接近する途中で引力を測定する必要があると思いますが、引力は加速度センサーで計測するのでしょうか?

August 12, 2018 - 武部隆宏:35才
 

A. リュウグウの引力は非常に小さいので、リュウグウにかなり接近しないとその影響はありません。小惑星までの距離が約3100kmになるまでイオンエンジンを使いましたが、この時点ではリュウグウの引力の影響はありません。その後、化学エンジンを少しずつ噴きながらリュウグウに徐々に接近していきました。リュウグウの引力の影響が見られたのは、到着の直前です。ここで到着とは、リュウグウまでの距離が20kmになるところで、ホームポジションと呼んでいます。リュウグウの引力は8月上旬に正確に測定しますが、これまでのところ、想定していた引力とほぼ同じと言ってよいです。リュウグウの引力は、探査機そのものの運動から推定します。加速度センサーは使いません。


Q. はやぶさ初号機の当時のニュースや映画、その後の会見などを「ゆるく」追っていましたが、ひとつわからないことがありますので質問します。はやぶさ初号機のタッチダウン時のエラー(小惑星に潜る?)の原因などは究明済みなのでしょうか?はやぶさ二号機は対策済みなのでしょうか?

August 12, 2018 - きくりん:18才
 

A. 「はやぶさ」初号機は、小惑星イトカワに2回タッチダウンを試みました。1回目は、高度20mくらいで障害物を検知したために下降をやめましたが、探査機の姿勢の向きがよくなかったため上昇もせずにそのままイトカワの引力に引かれて表面にゆっくりと降りていき、表面にぶつかって少し跳ね上がって、そして表面に落ちました。非常にゆっくりとした動きなので、そのときは探査機には問題はなくて、地上からの命令でイトカワから離陸しました。この1回目のタッチダウンのトラブルを検討してから行った2回目のタッチダウンは予定どおりに行うことができました。このように、タッチダウンそのものは「はやぶさ」初号機で成功していますので、「はやぶさ2」も同様に行うことになります。もちろん、運用は慎重に行うことになります。

なお、初号機のときは、2回目のタッチダウンで、サンプラーホーンがイトカワ表面に触れたときに弾丸が撃ち出されなかったという別のトラブルもありました。これについても原因は分かっていますので、「はやぶさ2」ではそのようなことが起こらないように運用します。


Q. リュウグウの重力はとても小さいと思います。ですから、はやぶさが接地しても、反動で浮き上がり、離れてしまい、地表面にとどまるのは難しいように思いますが、どのような工夫をして、着地できるようにしているのでしょうか?

August 12, 2018 - アライグマ:40才
 

A. 「はやぶさ2」はリュウグウの表面物質を採取するときにリュウグウに着陸しますが、着陸している時間はほんの数秒です。「はやぶさ2」はゆっくりとリュウグウ表面に降りていき、表面にサンプラーホーンの先端が触れたときに、その内部で弾丸を打ち出して小惑星表面を砕きます。砕かれた破片がサンプラーホーンの中で上昇し、サンプルを格納するケースに入ることになります。弾丸を撃ち出してサンプルを取るための時間が数秒で、その後「はやぶさ2」はすぐに上昇します。つまり、リュウグウ表面にはとどまらないことになります。


Q. リュウグウは直径約900メートル、自転周期7時間とのことですので、赤道面では約11cm/secで動いていると思うのですが、タッチダウンの時はやぶさ2はリュウグウの自転と同期させるのでしょうか? もしそうだとするとどのようにして同期させるのですか?

August 12, 2018 - CHIRO 53才
 

A. はい、小惑星の表面はその赤道付近で秒速10cmくらいで動いています。
タッチダウンの時は、探査機は表面の動きに合わせます。その方法ですが、事前に落としたターゲットマーカを撮影し画像処理することによりその動きを把握して、探査機の動きを制御することを行います。


Q. イオンエンジンには、なぜキセノンが使われているのですか?

July 18, 2018 - 田川泰二 : 54才
 

A. 探査機の軌道を変えるには、ガスをなるべく高速で噴射すればよいことになります。これまでの化学エンジンでは燃料を燃やすことでガスを噴射していましたが、イオンエンジンではキセノンをイオン化(プラズマ)にして、そこに電圧をかけて加速して噴射しています。

物質をイオン化(プラズマ化)して噴射できればよいのですが、キセノンを使っている理由は次のような利点があるからです。

(1)単原子分子であるために2原子以上からなる気体よりも電離電圧が小さい。そのため加えたエネルギーが加速に使われる割合が多くなる。
(2)他の物質と反応しにくい。


Q. もうリュウグウまでの距離が1000kmを切ったとのことですが、対リュウグウ速度はどのくらいなんでしょう。微弱重力ながらリュウグウに向かって落ちていく感じなので、多少加速していくのでしょうね。

July 18, 2018 - 酢味噌煮庵 : 66才
 

A. 小惑星からの距離が1000kmくらいのときは、リュウグウからの引力はほとんど感じません。現在(7月半ば)、「はやぶさ2」探査機は、リュウグウから20kmくらいのところに留まっていますが、この距離ですとリュウグウからの引力を少し感じます。つまりほっておくと探査機はリュウグウの方に引き寄せられてしまうので、ほぼ毎日、リュウグウから離れる方向に少しだけスラスタ(化学エンジン)を噴いています。


Q. 初歩的な質問ですみません。地球を出発して3年半くらいかけてリュウグウに到着する予定ですが、地球に帰還するのは1年位の予定と聞いています。こんなにも違うものですか。

July 18, 2018 - チャチャ : 36才
 

A. これは、地球とリュウグウのそれぞれの軌道と位置のタイミングによります。また、スイングバイをしたりイオンエンジンで加速しているということも関係しています。行きは、打ち上げられてからちょうど1年後に地球に戻ってきてスイングバイをしました。地球の引力を利用して加速したわけです。ですから、このスイングバイの時が地球からの出発と考えてもよくて、そうしますと行きは2年半かけて地球からリュウグウに行ったことになります。実際、より強力なロケットを使って打ち上げれば、地球スイングバイをしたときに打ち上げてもよかったことになります。スイングバイ後、2年半かかった理由は、イオンエンジンで軌道を制御していったためです。イオンエンジンは燃費がよい(少ない燃料で加速できる)エンジンですが、その力は弱いです。ですから、長時間かけてじわじわと加速をする必要があり、時間がかかりました。もし、イオンエンジンではなくて化学エンジンで一気に加速するようなことをすれば、行きの時間は短縮できたと思います。

帰りについてですが、帰りもイオンエンジンで軌道制御をしますが、帰りは最終的には地球大気にカプセルを突入させて、地球大気で一気に減速することができます。このことや、地球とリュウグウの位置関係によって帰りは約1年で戻ってくることができます。


Q. スタートラッカでの撮影を行った際、イオンエンジンを止めたのはなぜですか?(より正確な画像取得のため、制止した状態で撮影した、という理解で正しいですか?)

June 26, 2018 - omochiclub : 42才
 

A. スタートラッカでリュウグウを撮影した理由は、光学航法を行うためです。光学航法というのは、探査機から見たリュウグウの方向も情報として使って、電波による交信の情報と一緒にして探査機やリュウグウの軌道を正確に求めることをします。そのときに、イオンエンジンが起動していると探査機の軌道を正確に求めることが難しくなります。イオンエンジンを切って、外乱をなるべく少なくして探査機の軌道を正確に求めて、そこに探査機から見たリュウグウの方向という情報を入れて、正確に軌道を求めることを行っています。

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