NASA Artemis II SLS「NASA Artemis(アルテミス)計画搭載機器が月の表面形状・放射線・歴史を調査する」

原文 : January 20, 2026 : New NASA Artemis Payloads To Study Moon´s Terrain, Radiation, History
 

NASA は火曜日、人類の月に対する理解と探査を強化する三つの新しい科学調査の選定を発表した。同機関の CLPS (Commercial Lunar Payload Services、商業月面ペイロード・サービス) イニシアチブおよびアルテミス計画の一環として、米国企業が 2028年までにこれらの研究用ペイロードを月面に運搬する予定となっている。
 

「CLPS により、NASA は月面科学に対して新しいアプローチを取り、米国の産業のイノベーションを頼りに月面へ旅立ち、科学的発見を可能にしてきた」と、ワシントンにある NASA 本部の科学ミッション局探査担当副局長、Joel Kearns(ジョエル・カーンズ)は述べている。
「今回の選定により、月の歴史や環境に関する知識の拡大だけでなく、月やそれ以上の領域における将来の人間の安全や航行に関する情報も得られる研究を通じて、月探査、またそれ以降への道標が記される」
 

選定された科学観測装置は以下の通り。

月面赤外線分析用 3 次元放射イメージャー(EMILIA-3D)- EMILIA-3D は、熱画像装置を用いて月表面の温度を測定し、可視光カメラを 2 台組み合わせて、月面の 3 次元熱モデルを作成する。このモデルにより、レゴリスと呼ばれる月面の塵の多い土壌の特性や、温度測定から得られる月面に関する情報をより深く理解することができ、米国は月面のイメージングと航行の精度を高めることができるだろう。主任研究者は、アリゾナ大学の Andrew Ryan(アンドルー・ライアン)。

月表面下熱探査用高速計測装置(LISTER)- LISTER 装置は、月面下を掘削し、一定間隔で温度変化と月表面下物質の熱伝導能力を測定することで、月内部の熱流を測定する。LISTER の旧バージョンは、ブルーゴーストミッション 1 CLPS によって月面近傍に運ばれ、8 回の温度および熱伝導率の測定を行い、月面下約 3 フィートまで掘削した。この新しい LISTER 調査では、月自体が発生する熱流を研究し、月の熱の歴史についてより深い理解を得ることができる。主任研究者は、テキサス工科大学の Seiichi Nagihara(永原誠一)。
 

Imahe caption :
Credit : Texas Tech University
 

サイトに依存しない高エネルギー月面イオン・中性子環境 (SELINE)- SELINE は、月面で初めて、一次銀河宇宙線とその二次粒子の両方からの放射線、およびこの放射線が月面レゴリスとどのように相互作用するかを研究することにより、月の放射線環境に関する新たな知見を提供する。SELINE から得られたデータは、月で進行中の惑星プロセスに関する理解を深めるだけでなく、宇宙天気予報の準備や、月面での長期にわたる有人探査の安全確保にも役立つだろう。主任研究者は、ジョンズ・ホプキンズ大学の Drew Turner(ドリュー・ターナー)。
 

NASA の「月面におけるペイロードおよび研究調査」の公募を通じて選ばれたこれらの科学実験は、データを収集するために月面の特定の着陸点を必要とせず、NASA は後日、特定の CLPS 配送タスクオーダーに割り当てる。

NASA は、CLPS を利用して科学機器や技術実証装置を送り込み、月および月以上の領域における科学、探査、商業開発の能力の向上を図っている。月への定期的な物資輸送を支援することで、同機関は、商業宇宙産業の起業家的なイノベーションを活用しながら、成長を続ける月経済を今後も支援し続ける予定だ。

CLPS の取り組みと Artemis の詳細については、以下をご覧ください。

Commercial Lunar Payload Services”CLPS”

アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。

NASA SLS アルテミス II ミッション
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office