Space Topics 2025
NASA Blogs (Ja) 日本語訳解説
NASA Artemis II Orion(アルテミス II オリオン)宇宙船、燃料注入・処理準備完了
NASA Artemis II SLS「NASA Artemis II Orion(アルテミス II オリオン)宇宙船、燃料注入・処理準備完了」
原文 : May 05, 2025 : NASA´s Artemis II Orion Spacecraft Ready for Fueling, Processing
Imahe caption :
2025年05月03日(土)、NASA KAMAG トランスポーターが、同機関の Artemis II Orion(アルテミス II オリオン)宇宙船を、Neil A. Armstrong(ニール・A・アームストロング)運用・点検棟から、フロリダ州 KSC(ケネディ宇宙センター)のマルチペイロード処理施設まで輸送した。Orion(オリオン)宇宙船は、マルチペイロード処理施設で燃料の充填と処理作業が行われる。Artemis(アルテミス)II 試験飛行は、NASA のアルテミス計画における初の有人飛行であり、月着陸ミッションに向けた新たな一歩であると同時に、将来の人類による火星探査の準備にも役立つものである。
Credit : NASA/Kim Shiflett
NASA の月周回有人ミッションである Artemis II Orion(アルテミス II オリオン)宇宙船が移動した。技術者は05月05日、この宇宙船を、組み立てが行われたフロリダ州の KSC(ケネディ宇宙センター)にある Neil A. Armstrong(ニール・A・アームストロング)運用・点検棟から、宇宙港の燃料補給施設へと移送した。
「アルテミス II ミッションが間近に迫る中、オリオン宇宙船が運用・点検棟からケネディ宇宙センターのマルチ・ペイロード処理施設に向けて出発する姿は、チーム全体の何ヶ月にもわたる努力、献身、協力、そして革新の成果を反映しているものだ」と、NASA のオリオン・プログラム・マネージャー、Howard Hu(ハワード・フー)氏は述べている。
「これは、アルテミス II ミッションを安全かつ成功させるという野心的な目標を達成する、私たちの能力の証だ。オリオン・チームは、50年余ぶりとなる有人対応の深宇宙探査宇宙船を、次なる月ミッションに向けた燃料充填と積み上げ作業のために探査地上システム(EGS)に引き渡せたことを誇りに思う」
マルチ・ペイロード処理施設内では、NASA 探査地上システム・プログラムのエンジニアと技術者が、オリオン宇宙船と乗組員が 10 日間の航行中に操縦や任務遂行に必要な推進剤、高圧ガス、冷却剤、その他の流体を搭載する。推進剤搭載作業は危険を伴うため、宇宙船への燃料注入は宇宙港の発射管制センターから遠隔操作で行われる。燃料充填完了後、アルテミス II の搭乗員は機器インターフェース試験に参加する。この試験では、乗組員はオリオン専用宇宙服を着用し、宇宙船内に入り、ミッション中に操作が必要となる全ての機器インターフェースをテストする。
整備と最終点検を経て、宇宙船はケネディ宇宙センターの打ち上げ中止システム施設へ移送され、中止・投棄・姿勢制御用モーター及びフェアリングで構成される打ち上げ中止システムと統合される。このシステムは、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの打ち上げ時または上昇中に緊急事態が発生した場合に、乗組員を安全な場所へ運ぶために設計されている。完了後、宇宙船は車両組立棟へ移送され、SLS の上部に積み上げられる。
オリオンの移設は、同宇宙船の組立・試験作業の一段階が完了し、打ち上げ及びミッション準備に向けた重要な段階の始まりを示す。運用・点検施設では、オリオンのシステムに数千の部品が統合された。クルー・モジュール、サービス・モジュール、クルー・モジュール・アダプターが接続され、宇宙船が過酷な宇宙環境に耐えられることを確認するため、真空試験及び音響試験が実施された。
アルテミス II 月周回試験飛行では、NASA の司令官 Reid Wiseman(リード・ワイズマン)、パイロットの Victor Glover(ビクター・グローバー)、ミッション・スペシャリストの Christina Koch(クリスティーナ・コック)、および CSA(カナダ宇宙庁)のミッション・スペシャリスト、Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)が月を周回して地球へ帰還する。このミッションは NASA のアルテミス計画における初の有人飛行であり、月着陸ミッションへのさらなる一歩となるほか、将来の火星有人ミッションに向けた準備を推進するものだ。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

