NASA Artemis II SLS「NASA Artemis(アルテミス)II 有人試験飛行で韓国製キューブサットを搭載」

原文 : May 02, 2025 : NASA Set to Fly South Korean CubeSat on Artemis II Test Flight
 

NASA と韓国航空宇宙庁(KASA)は05月02日、KASA が NASA Artemis(アルテミス)II 試験飛行(来年実施予定)にキューブサットを搭載する協定に署名した。K-Rad Cube は、人体組織を模倣した素材で作られた線量計を使用し、宇宙放射線量を測定するとともに、ヴァン・アレン帯(月や火星における人類活動にとって重要な研究領域)の様々な高度における生物学的影響を評価する。

NASA は複数の国際宇宙機関と連携し、本ミッションへのキューブサット搭載を進めている。こうした協力関係により、他国も NASA と共同で技術・実験装置を統合・運用し、同機関のアルテミス計画に参加する機会が得られる。

キューブサットは靴箱サイズのペイロードであり、宇宙環境の知見拡大を比較的低コストで実現する手段である。これによりキューブサット提供企業は、宇宙ミッション向けハードウェアの開発・統合を継続的に改良できる。これらは NASA の Orion(オリオン)宇宙船と SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの上段を接続する構造アダプター内部で宇宙へ運ばれ、上段がオリオンから分離し宇宙船が安全な距離で単独飛行を開始した後、高高度地球軌道で展開される。

これらのキューブサットは、アルテミス計画初の有人ミッションとして四名の宇宙飛行士を月周回に送り込むという NASA の主要ミッションとは異なる独自の目的を持ち、この重要なアルテミス試験飛行において NASA が提供する宇宙アクセスというユニークな機会を活用するものである。

2024年09月には、NASA がドイツ航空宇宙センター(DLR)とアルテミス II ミッションへのキューブサット搭載に関する合意を発表している。
 

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アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。

NASA SLS アルテミス II ミッション
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office