Space Topics 2025
NASA Blogs (Ja) 日本語訳解説
NASA Artemis(アルテミス)II のロケット上段が統合される
NASA Artemis II SLS「NASA Artemis(アルテミス)II のロケット上段が統合される」
原文 : May 02, 2025 : Rocket Upper Stage Integrated as Preparations for Artemis II Continue
フロリダ州 NASA KSC(ケネディ宇宙センター)の技術者らは05月01日、車両組立棟内でSLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの上段組み込みに成功。月周回を目的とした同機関の Artemis(アルテミス)II 有人試験飛行準備に向けた重要な一歩となった。
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NASA 探査地上システム・プログラム・チームは、2025年04月30日(水)に、SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットのステージ・アダプターへ暫定極低温推進段の統合を開始する。ボーイングと ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)が製造した四階建ての推進システムは、RL10 エンジンを搭載。これによりオリオン宇宙船は、Artemis(アルテミス)II 有人試験飛行において月へ向かうための十分な速度を獲得する。
Credit : NASA/Isaac Watson
NASA 探査地上システム・プログラムの技術者らは、暫定極低温推進段と呼ばれる上段を SLS の打ち上げロケット・ステージ・アダプター上に積み上げた。ボーイングと ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)が製造した四階建ての推進システムは、RL10 エンジンを搭載。これによりオリオン宇宙船は地球を 2 周(うち 1 周は高高度軌道)し、月へ向かうための十分な速度を獲得する。また打ち上げ数時間後に行われる手動操縦実証試験では、切り離されたこのステージを標的として使用する予定だ。
SLS の上段は03月、近隣のケープカナベラル宇宙軍基地にある ULA のデルタ運用センターからケネディ宇宙センターの多目的ペイロード処理施設(MPPF)に到着した。MPPF では、エンジニアが反応制御システム用の燃料としてヒドラジンを上段に充填した。
上段が統合されたロケットは現在、モバイル・ランチャー 1 の上に設置されている。固体ロケット・ブースター、コア・ステージ、ローンチ・ヴィークル・ステージ・アダプターは既に組み立て済みだ。ロケット各要素は統合試験を受け、オリオン・ステージ・アダプターと宇宙船が上部に積み上げられる前に、全コンポーネントが相互に、地上システム機器と、発射管制センターと適切に通信していることを確認する。
アルテミス II は、SLS ロケット、オリオン宇宙船、および宇宙飛行士を乗せた地上支援システムの初の有人での試験飛行となる。NASA の司令官 Reid Wiseman(リード・ワイズマン)、パイロットの Victor Glover(ビクター・グローバー)、ミッション・スペシャリストの Christina Koch(クリスティーナ・コック)、および CSA(カナダ宇宙庁)のミッション・スペシャリスト、Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)が月周回飛行を行い地球に帰還する。このミッションは月面着陸ミッションに向けた新たな一歩であり、将来の火星有人ミッションに向けた準備を推進するものだ。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

