NASA Artemis II SLS「NASA、Orion(オリオン)宇宙船の翼取得準備を整える」

原文 : February 25, 2025 : NASA Readies Orion Spacecraft to Receive Wings
 

Imahe caption :
2025年02月22日(土)、フロリダ州にある NASA KSC(ケネディ宇宙センター)の Neil A. Armstrong(ニール・A・アームストロング)運用・点検棟内で、ロッキード・マーティンの技術者、Rebekah Tolatovicz(レベッカ・トラトヴィッチ)が 30 トンのクレーンを操作し、NASA Artemis(アルテミス)II Orion(オリオン)宇宙船を最終組立・システム試験室から移動させている。この移動は、アルテミス計画における NASA 初の有人飛行試験に向けて、4 枚の太陽電池アレイ・ウィングと宇宙船アダプター投棄用フェアリングの取り付け準備のために行われた。
Credit : NASA/Cory S. Huston
 

技術者たちは、Artemis(アルテミス)II Orion(オリオン)宇宙船を組み立てスタンドから移動させ、4 枚の太陽電池アレイ・ウィングと、サービス・モジュールを覆う宇宙船アダプター投棄用フェアリングの取り付け準備を行った。この移動により、NASA はアルテミス計画による初の有人飛行試験にまた一歩近づいた。

02月22日、オペレーターは 30 トンのクレーンを使用して、フロリダ州にあるNASA KSC(ケネディ宇宙センター)の Neil A. Armstrong(ニール・A・アームストロング)運用・点検棟内の最終組立・システム試験(FAST)セルから宇宙船を持ち上げた。

オリオン宇宙船は、欧州宇宙機関(ESA)とその契約業者 Airbus(エアバス)が製造・設置した 4 枚の太陽電池アレイを使用し、推進・熱制御・電力供給に加え搭乗員用の空気と水を供給するサービスモジュールに電力を供給する。各太陽電池アレイは全長約 7 m で、最大発電量を得るため太陽の方向に追尾できるよう二軸で回転可能である。4 枚のパネル全体に計 15,000 個のガリウムヒ素太陽電池セルが配置され、太陽光を電力に変換する。

今後一週間で電池アレイの設置が完了した後、技術者はオリオンのサービス・モジュールに高さ 14 フィート(約 4.3 メートル)のフェアリング・パネル 3 枚を取り付ける。これらのパネルは太陽電池アレイ翼を保護する外殻として機能し、打ち上げ時および上昇時の熱・風・音響から遮蔽するほか、離陸・上昇時に SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの巨大な推力とオリオンの間の荷重を再配分する役割も担う。宇宙船が大気圏を離脱すると、3 枚のフェアリングパネルはサービス・モジュールから分離して宇宙船の質量を軽減し、4 枚の太陽電池アレイが展開される。これによりオリオンは電力を供給され、月周回飛行中の四名の搭乗員を支えることになる。

電池アレイとフェアリングの設置後、NASA およびロッキード・マーティンのチームは、宇宙船の最終組み立て作業のためにオリオンを FAST セルに戻す。運用・チェックアウト棟での作業が完了すると、宇宙船は NASA KSC の他の施設に移送され、燃料の充填、打ち上げ中止システムとの統合が行われ、最後に NASA の探査地上システム・チームによって SLS の上部に積み上げられる。
 

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アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。

NASA SLS アルテミス II ミッション
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office