Space Topics 2025
NASA Blogs (Ja) 日本語訳解説
Artemis(アルテミス)II ロケット・ブースターの積み上げ完了
NASA Artemis II SLS「Artemis(アルテミス)II ロケット・ブースターの積み上げ完了」
原文 : February 19, 2025 : Stacking Complete on Artemis II Rocket Boosters
Imahe caption :
NASA の探査地上システム(EGS)の技術者らは、2025年02月19日(水)、フロリダ州 KSC(ケネディ宇宙センター)内のロケット組立棟(VAB)High Bay 3(ハイベイ 3)において、Artemis(アルテミス)II ミッション向け SLS(スペース・ローンチ・システム)の二基の固体ロケット・ブースター積み上げ作業を完了した。これは前部アセンブリ上部にノーズ・コーンを統合する工程である。三ヶ月にわたる積み上げ作業中、技術者らは巨大な天井クレーンを用いて、10 個のブースター・セグメント(各ブースター 5 セグメント)と空力ノーズ・コーンを mobile launcher(移動式発射台)1 に設置した。この双子の固体ブースターは、アルテミス II 月周回ロケットの最終組立時に残りのロケット部品と Orion(オリオン)宇宙船を支える役割を担い、NASA KSC の 39B 発射台からの打ち上げ時に SLS 総推力の 75 % 以上を供給する。
Credit : NASA/Kim Shiflett
フロリダ州 NASA KSC(ケネディ宇宙センター)の技術者らは、月周回有人試験飛行「Artemis(アルテミス)II」に向けた SLS(スペース・ローンチ・システム)固体ロケットブースターの二基を、ロケット組立棟内で組み立て完了した。
打ち上げ時および離陸時には、高さ 177 フィート(約 54 メートル)のブースターが、Orion(オリオン)宇宙船内の四名の宇宙飛行士を宇宙空間への旅へと推進する 880 万ポンド(約 400 万ニュートン)の推力の大部分を発揮する。
2024年11月20日に開始された積み上げ作業において、技術者らは巨大な天井クレーンを用いて各ブースターセグメントを移動式発射台 1(SLS ロケットとオリオン宇宙船の処理・組立・発射に使用される高さ 380 フィートの構造物)上の所定位置へ吊り上げた。
前部アセンブリ(ノーズ・コーン)の積み上げが完了し、最後のセグメントが統合されてブースター構成が完成した。各前部アセンブリには、空力トップ、アビオニクスを収容する前部スカート、および打ち上げ後にブースターが SLS コアステージから分離することを可能にするモーターを収容する円錐台が含まれている。
合計 10 セグメント(ブースター毎に 5 セグメント)が、ケネディ宇宙センターの回転・処理・サージ施設から VAB へ搬送された。これらのセグメントは2023年09月にユタ州のノースロップ・グラマン製造施設から鉄道で到着後、同施設で処理を経て VAB での積層作業に供された。
エンジニアは今後数週間のうちに、現在 VAB(垂直組立棟)のハイベイ 2 で処理中の SLS コア・ステージを統合する。
アルテミス II 試験飛行は、アルテミス計画における NASA 初の有人ミッションとなる。NASA の司令官 Reid Wiseman(リード・ワイズマン)、パイロットの Victor Glover(ビクター・グローバー)、ミッション・スペシャリストの Christina Koch(クリスティーナ・コック)、および CSA(カナダ宇宙庁)のミッション・スペシャリスト、Jeremy Hansen(ジェレミー・ハンセン)を乗せ、10 日間にわたる月周回飛行を行う。本ミッションは NASA アルテミス計画初の有人飛行であり、月面活動への道筋を示すとともに、将来の火星有人探査に向けた準備を推進する重要な一歩となる。
アルテミス計画の全貌については、以下で特集しております。
Akira IMOTO
Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

