2017年09月22日(金)、火星衛星探査計画(MMX)および X 線観測衛星代替機について NASA と協力のための実施取決めを新たに締結したことの報告と、宇宙科学・無人探査における両機関の幅広い協力活動について、両機関が共同で発表・会見に臨みました。以下に、配布資料から、抜粋して掲載します。
 

NASA が参加する日本の火星衛星探査


NASA との協力(開発研究フェーズ)

JAXA と NASA は、火星衛星探査計画(MMX)の開発研究フェーズにおいて、主に以下の3項目について、共同検討を行う。
 


1. ガンマ線・中性子分光計

サンプル採取地点の選定や衛星全体の元素組成を測定するための搭載観測機器。衛星表面の元素から励起される中性子・ガンマ線の計測を行い、衛星表面の平均元素組成・水素存在量を主たる観測対象とする。NASA は水星、月探査等でこの観測機器の開発・運用実績を持つ。

 

MMX News :
” 火星衛星を見る“眼鏡”:NASAがガンマ線・中性子分光計を選定 ”
December 11, 2017 : 宇宙科学研究所太陽系科学研究系草野広樹

 


2. フライトダイナミクス

火星圏との往復や火星衛星周辺での探査機の飛行力学。力学モデルの構築や航法の検討を行う。NASA は火星探査に豊富な経験を有する。

 

3. サンプル採取に関わる検討

サンプル採取の方法および採取地点の選定方法を検討する。NASA は惑星への着陸探査においてサンプル採取の装置開発および運用実績を有する。
 

JAXA リリース

NASAザブーケン科学局長との公式会合および記者説明会の実施について

9月22日(金)、火星衛星探査計画(MMX)及びX線観測衛星代替機についてNASAと協力のための実施取決めを新たに締結したことの報告と、宇宙科学・無人探査における両機関の幅広い協力活動の紹介のため、NASAとの共同記者説明会をJAXA東京事務所にて実施しました。

NASAとJAXA宇宙科学研究所の会合を踏まえた共同発表(Joint Release)には、将来の3つの宇宙科学ミッションである火星衛星探査計画(MMX)、X線天文衛星代替機、太陽観測ロケットCLASP-2における協力の実施や、「あかつき」「ひさき」における継続した緊密な協力下におけるデータ分析、協力関係の象徴ともいえる全てのレベルにおいての緊密な対話を続けることの重要性についての合意等が盛り込まれました。

宇宙科学研究所の常田所長は「日米の信頼関係に基づく密接な協力により、代替機によりX線天文学における空白期間を最小とできたこと、火星圏の探査という新たな共同事業を着手したことなど、日米協力は新たな発展の時代に入ったことを、今回の機関間会合では強く感じました」と語りました。

また、NASA科学局のザブーケン局長(*1)は「日米の協力は60年以上に及び、民生分野で最も長く、最も実りのある成果を挙げている」「今回、来日において相模原、筑波で世界クラスの科学者、エンジニアと議論ができた。この一週間で両国間の関係に改めて感謝と今後の成果に期待を持った」と述べ、対話を通じて関係が強化されたことへの感謝を語りました。

質疑応答ではザブーケン局長が、火星衛星からのサンプルリターンを行うMMXについて「火星から最初にサンプルに持ち帰るミッションになるかもしれない」と触れ、常田所長から「火星の物質が舞い上がってフォボスに付着している可能性があり、これを持って帰れれば初の火星の物質のサンプルリターンと言える」と補足しました。

(*1) Dr. Thomas Zurbuchen, Associate Administrator for the Science Mission Directorate.
 

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