The Planetary Society of Japan

ブラウン惑星人の日々 November 2016

感謝祭であり、まもなく帰国の今日

POSTED BY: Takahiro Hiroi | DATE: November 24, 2016

東京では異例の雪が降ったようですが、どうやら私がそちらに出張する来週から2週間はまだまだ暖かい晩秋の気候のようですね。今回の帰国予定は以下のようなものです。

11月26日(土)ボストン発
11月27日(日)成田着
11月28日(月)立川の極地研で研究打ち合わせ
11月29-30日(火-水)南極隕石・はやぶさシンポジウム
12月1-2日(木―金)相模原の宇宙研で、はやぶさ2科学会議
12月3日(土)2時から千葉市民会館で教育者向け講演会
12月4日(日)各務原に帰省
12月5-7日(月-水)阪大豊中キャンパスで実験
12月8日(木)久留米の明善高校で特別授業
12月9日(金)極地研に戻り、データ整理など
12月10日(土)成田発

今回は、前回、山口まで足を延ばしたので、もうちょっとということで福岡に行きたいと思い、いろんな高校にダイレクトメールしたら、明善高校だけがよい返答をくれました。歴史のある、すばらしい高校です。

今回の出張で、文科省の科学研究費によるプロジェクトは終わりで、来年度から、如何にして、はやぶさ2関係の科学に役立つ研究や出張の費用を工面するかいろいろ当たっているところです。世界一の偉業を成し遂げる、はやぶさ・はやぶさ2計画で重要な科学者たちにまともな給料どころか旅費も出ないのは国として情けないとしか言えませんが、まあ、欧米に後れを取った日本の惑星探査が今後ともトップ水準で競争力を保つためには、我々第一世代が耐えて頑張らないといけないのかもしれません。少なくとも、世界的国家プロジェクトに貢献できる体験というものは貴重だと思います。


さて、アメリカは今日は感謝祭で皆が休暇を取り店なども閉まっていて、七面鳥を家族で食べる1日を過ごす人たちが多いですが、私は肉を食べないので、おそらく鮭だと思います。写真にあるように、ボストン南駅のバスターミナルも、2日前でも帰省する若者たちでごった返していました。

上画像. ボストンで2店目のユニクロと、そこから帰る途中のコモンウェルス通りの紅葉と飾り付け、そしてボストン南駅バスターミナルから帰省する若者たち。
 

また、数日前にはボストンでユニクロが第2号店を出し、今度はニューべり通りという、コプリー広場やハインズ会議場やアップルストアなどに近いところで、開店からしばらく毎日先着100名とかに商品券を進呈するとかで、人々で賑わっていました。私は、必要だったフランネルのシャツを2枚、合計$40程で買い、もう1つ必要だったコーデユロイのズボンはこの小さい店にはなかったので、以前ご紹介したファニュイルホールにある店が拡大したところに行って選んで裾直しを注文しておきました。

更に、考えてみるとスーツも擦り切れて悲惨だったので、それを買ったと同じ青山のこんどはウェブサイトで注文して、月曜日に極地研に着いたときに受け取れるようにしておきました。気付いてみると、私の服は、アメリカに住んでいながらも、ほとんどがユニクロと青山になってしまっていますね。とにかく、アメリカ基準だとXSになる私の体系なので、なかなか普通に買おうとしても選択肢が少なくて難しいのです。本当は、スーツの上に着るロングコートも買い替える必要があるのですが、日本の気温はこの時期まだボストンほど寒くなく、氷点下に下がらないようなので、大丈夫でしょう。

帰国する2週間の間、ご縁のある方々にはお会いできるかもしれませんね。またその後に報告を兼ねてここに書こうと思います。研究の方も、学会発表を2つするために追い込みでいろんなデータを処理して、かなり進歩したと思っています。まだまだやり残しがありますが、それは今年度の3月までに科研費報告として出さねばならないので論文にするために頑張ろうと思います。

 

Amherst の紅葉

POSTED BY: Takahiro Hiroi | DATE: November 07, 2016

皆様、前回から三週間も間が開いてしまい申し訳ありませんでした。色々と忙しく、心の余裕もありませんでした。こちらニューイングランド地方では冬かと感じるような寒い日がちらほらありましたが、今は暖かめの秋の気候です。それとていつまで続くかしれませんが。

さて今回は、以前ご説明した通り、マサチューセッツ州立大学アマースト校(UMass Amherst)に進学した次女に会いに夫婦で行ってきた話です。そのついでに、天文学部の星形成グループで昼食セミナーもさせてもらうことになりました。

Amherst という市は、Boston の西の方に車で二時間くらい飛ばせば行けるところですが、ピーターパンバスで行ったので、Springfield で乗り換えて、合計三時間かかります。なぜかというと、Amherst に入ると山や丘が多くて、小さい道をくねくね走りながら、途中でいくつも停留所があって止まっていくので、とても時間がかかるのです。そこに行く途中で車窓から見えた美しい光景が最初の写真です。

上画像. バスでアマースト市に行く途中で見えた美しい光景
 

私は講演会などで分光を説明する時に、青い空・緑の木々・茶色の土とかを例えに出しますが、秋は紅葉の季節なので、木々の葉が微妙な色合いを出して、それを人間の視覚で鑑賞できるようになっていて、そらは空気分子に光がレイリー散乱をして青く見えるようになっていて、土は主に酸化第二鉄などの影響で茶色に見えるようになっています。しかし、そういう物理化学鉱物光学的現象と、人間の視神経の感度がある光の波長帯とは一致している必然性はないはずなのに、ちょうど人間が美しいと感じられる色の調和が醸し出されるようになっているようです。そしてこの写真では、青い空に浮かぶ白い雲がとても印象的です。これが赤い空に黒い雲だったら全く美を感じないでしょう。

さて、UMass Amherst に着いたら、キャンパスのバス停に大学院生の悠貴君が迎えに来てくれていて、妻と一緒にセミナー会場に向かいました。地図で見たとおり、バス停は南の方にあり、セミナー会場のビルは北の方にあるので、大体 700 m くらい歩いたでしょうか。天文学部の星形成グループの Assistant Professor の Stella さん(まさに星の研究のために生まれたような名前:)のオフィスにまず行って、セミナー室に案内してもらいました。

セミナーは以下のように宣伝してもらっていました。
Takahiro Hiroi, Department of Earth, Environmental and Planetary Sciences, Brown University
Wednesday, October 26, 2016
12:00 p.m.
LGRT 644
Asteroid-Meteorite Reflectance Spectroscopy, Space Weathering, and Hayabusa Missions

行ってみたら、小さいとは聞いていたものの、会議をするような細長い机の周りに椅子が10個くらいと、その後ろや横の壁に椅子があるくらいで、20人も入れないような場所でした。スクリーンも小さく、プロジェクターも別の部屋から持ってきて据え付けて写すという感じでした。でも、ついでにやるセミナーですし、聴衆の数ではないと思って頑張りました。授業を終えた次女も途中で駆け付けて聞きに来てくれて、前の方の壁際に座って聞いてくれました。

私のすぐ後ろで熱心に聞いてくださっていた老夫婦がおられましたが、男性は Dr. Irvine といって、Hapke and Irvine という論文も書いたことがあるよ、とおっしゃっていました。それで、後で調べたら、確かに1960年代に測光とかの研究で W. Irvine による論文がありました。自分がまだ小学生になったかくらいの時にすでに研究論文を出していて、まだこうしてセミナーに聞きに来られているのはすごいことです。はやぶさミッションに興味があって聞きに来られたらしいですが、Hapke 博士の仕事を多く引用されていて懐かしく思われたようです。来た甲斐があったと思います。

そうそう、Hapke 先生の元学生で、25年ほどの付き合いの同業者である Tom Burbine も来てくれて、私の紹介を最初にしてくれました。彼が働く Mt. Hokyoke College は近くにあるのです。そしてセミナーの後は昼食を取ってから、Tom と一緒に悠貴君の指導教官である Mario が持っている Bruker の分光器の調子を見せてもらおうと思ったのですが、そうはならず、結局、妻と次女とゆっくり過ごすことにしました。

そんなわけで、次の写真にあるように、次女の学生寮を見たり、キャンパスをあるいたりして、ちょっと遠いけれど、大きな食堂に向かいました。UMass Amherst の学生食堂の質は全国一のレベルだと有名だったので、一度行ってみたかったのです。それに、学生には Unlimited Plan があり、まとめて払っておくと、何度行ってどれだけ食べてもよいのです。そして、家族が訪問してきたときは無料で食事ができます。なんと寛大なのでしょう。もちろん、州立ですから、我々が払った州所得税を使ってるはずですが。。。きっとたくさん。

上画像. マサチューセッツ州立大学アマースト校のキャンパスに立つ妻と次女
 

かなり歩いて、車が通る道もわたって、やっと着いたのが、Hampshire Dining Roomという食堂で、次の写真にあるように、何とまるで空港のフードコートにあるような巨大な円形に陳列された料理の内部に人が作業したり給仕したりしているのです。一方で、座席はその周りに全てぎっしり並んでいるわけではなく、意外と人混みにはなっておらず、とても快適でした。もちろん昼食のピーク時を過ぎていたこともありますが。サンドイッチを作るように並んだ野菜類や、デザートや、魚や、玄米・白米もあり、右下の写真のように、私は鮭と茄子の料理、そして玄米カリフォルニアロールを取ってきました。コーヒーは Peet's Coffee のもので、Starbucks には劣りましたが、まあ飲める程度でした。デザートやソフトクリームもあり、ここに長居したら太ってしまうだろうなあ、と思いました。

上画像. マサチューセッツ州立大学アマースト校のハンプシャー食堂
 

その後は大学のホテルの一階にある生協(Co-op)に行ってフルーツをふんだんに入れた Smoothie を買って飲んで、あとはバス停に向かってバスを待ちました。帰りはちょっと乗り換えが悪いので、三時間半くらいかかります。そんなわけで、ブラウン大学を一日休んで休暇半分仕事半分の一日でしたが、次女の生活ぶりも見れたし、セミナーで興味深い体験もできたし、おいしい料理を無料で食べられて、バスの往復二人分の $ 100+ の費用もまんざら高いものではなかったと思います。

次回は、もし Bruker が使えそうな状態になった時に行くかもしれません。あとは、この大学の日本人の集まりがあるそうで、その辺を調べてコンタクトできれば、日本人対象に、はやぶさや惑星科学の話をお聞かせ出来るかもしれません。とにかく、これから次女がお世話になる大学ですし、来る機会を見つけて有効活用したいと思っています。
 

 

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