The Planetary Society of Japan

ブラウン惑星人の日々 June 2017

韓国へ!

POSTED BY: Takahiro Hiroi | DATE: June 19, 2017

皆様、突然暑くなった今頃いかがお過ごしでしょうか。今私は家族とソウルにいます。6月9日に大阪に着いて、11日から韓国に移動しました。最初に仁川空港からソウル駅に着き、梨花女子大の春学期の留学をもうすぐ終えるところの長女と久しぶりに再会し、夕食を食べました。2年半のブラウン大での韓国語授業と、この4か月の留学で、日常会話はできるようになったようで感動です。

私はその足でKTXに乗って大田に移動し、月-水のKASI(韓国天文研究院)での集中講義に備えました。地下鉄の駅を探すのにまずちょっと苦労し、ホテル最寄りの支庁駅を降りた後で歩く方向を90度間違ってしまい(夜だったので)、親切な日本ファンの韓国人の男性に助けられて、タクシーを呼んでもらい、やっとEAN Residenceというホテルに到着しました。やはりタクシー代は安く、3000ウォン(300円)くらいでした。

とにかく、何とかホテルに泊まり、コンビニで食料を調達して眠りました。しかしもちろん、米国を発ってからまだ4日ですから、時差ボケのために4時前には目が覚める厳しい状況で、カフェインの力を借りながらも、何とか翌朝は近くのバス停からKASIまで10分くらいで到着しました。私を招いてくれたHong-Kyu Moon氏とはやぶさ2共同研究者でもあるYong-Jun Chae氏が歓迎してくれて、集中講義の日程を始めました。実際には次のポスターの一部に書いてあるように2日間が講義の日程で、3日目は所長や副所長を面会したり、研究グループとの議論をすることになりました。

下画像. KASIでの集中講義のポスター。


最初3日間と言われたときに、そんな長く講義したことはなかったので、5つのテーマを作り、その各々に関して過去に書いた論文やアブストラクト、そして学会発表やセミナーで使ったスライドを掘り起こし、講義の各々に30-60枚のポワポスライドとなりました。そうしたら今度は2日間と言われ、やや詰め込み過ぎて、1日目も2日目も5時間ずつ、合計10時間みっちりやってしまいました。次の写真が講義の様子を取った一コマです。やはり時差ボケもあり、疲れた感じです。

下画像. KASIでの講義の様子.


それと、今回、EBSという韓国の教育テレビが小惑星に関するドキュメンタリーを作るという事で、私の講義の様子と、Hong-Kyu氏による質問に答えるところをビデオどりしたいという事になりました。それで、2日目の午後に3名のビデオ撮りチームが来て、非常に緊張して話す私の講義のビデオを撮り、終わってからは図書室に移って、質疑応答でした。2月にはNHK BS、そして今後はEBSということで、何故急にメディアに注目され始めたのか不思議です。EBSのドキュメンタリーは8月3日ころ放映されるそうです。

やっとそれらが終わった翌日の3日目は、まず所長であられるHan博士との対面でした。Hong-Kyu氏とYoung-Jun氏に連れられて、写真にあるように素晴らしい所長室に座って、4人で歓談しました。最後に星座を配置したきれいなガラスコップをいただきました。その後副所長とも同様に歓談し、更にまたガラスコップをいただき、家族全員の4つもらってしまいました。

下画像. 私を招いてくれたYong-Jun Chae氏(左)およびHong-Kyu Moon氏(右)と共にKASI所長Han博士と面会


KASIの次には浦項にあるPOSTECHでのセミナーに呼ばれていたので、14日の夕方のKTXに乗って移動し、そこのResearch Professorである森山教授に色々お世話になりました。次の写真にあるように、浦項の港の夜景はPOSCO社のネオンサインでイルミネーションされて美しいものです。知らずに眺めたら、ホテルなどのビジネスで賑わっている町が向こう岸にあるように思うかもしれませんが、そうではないのです。

下画像. POSCOのネオンサインが夜景に映えるPOSTECHがある浦項の海岸.


翌日のセミナーは、基本的に私がいつもしている、はやぶさが如何にS型小惑星と普通コンドライトの謎を宇宙風化の実証などを通して解決したという話です。もちろん、POSTECHでは惑星科学というより原子核工学とか物理とかが主と思いますが、惑星科学も同位体が非常に重要ですし、原子力発電を外国では使っていますね。写真はそのセミナーの一幕です。

下画像. POSTECHでのセミナーの一幕.


週末は釜山と大田とソウルで観光や知り合いを訪ねて過ごし、明日は金浦空港から日本に帰ります。久しぶりの家族そろっての帰省を楽しみたい、というところですが、韓国に来る前の熊本・佐賀に続いて、鹿児島などに出張します。元気な時に体力が必要な活動をしておくべきですからね。このブログを読んでくださっている皆様に少しでもお会いできれば幸いですが。あと、あまり暑くなければ私は一層幸せです:)
 

今月の帰国予定

POSTED BY: Takahiro Hiroi | DATE: June 05, 2017

春も深まる今日この頃、5月末に卒業式を終えたブラウン大のキャンパスは、人も少なくなって既に夏の雰囲気です。気温はまだまだ朝晩が肌寒い50-70度という感じですが。最初の写真は、私の好みの道を取ったところで、卒業式の直前に行われるキャンパスダンスのためのフェンスが見えます。あいにく、ダンスの日には雨が降っていたようですが、強行したようです。

上画像. 卒業式を間近に控えたブラウン大学キャンパスの光景。フェンスはキャンパスダンスのための準備。
 

もうあっという間に6月になってしまい、日本・韓国への出張まであと数日ですが、こういう時に限って忙しくなり、試料を最終日の火曜日まで測り続けないといけないです。自分の研究だけで生きていけない立場上しょうがないのですが、厳しいです。測定の傍ら、KASIでの3日間の集中講義のためのPowerpointスライドを作成しています。例えば、輝石の分光解析だけを取ってみてもちゃんと教えれば最低10数枚になりますね。Hapkeモデルも、どれだけ詳しくやるかに依存しますが膨大です。大変なことを引き受けてしまったかも。。。

講義スライドを作っているときに、RELABデータの歴史と量とを調べてみました。最初の測定に関する論文は1983年に出ているので、少なくともその年に測定は始まったわけですが、データベースには最初の以外は1984年に測定されたスペクトルから存在します。その最初のスペクトルは何と、1981年2月10日に測定されたとされているチーズです!モンテリージャックというチーズで、月類似物とされていますが、何故月にチーズがあると思ったのか不思議ですね:)確かにそういう迷信があったようですが。もちろん、次の図にあるように、反射スペクトルは月とは似ても似つかないです。

上画像. RELABデータベースにあるチーズと月の表土の可視・近赤外反射スペクトル。
 

1981年に最初のデータがとられているので、Carleがジョンソン宇宙センターからブラウン大学に移動したのは1980年とかではないかと思い、私のコントロールブースにある機器類のラックの横に貼ってあるラベルに何か情報がないか調べてみました。次の写真にあるように、NASAセンターから輸送されたときの取られかけたラベルを見ても、残念ながら日付は書いてありませんでした。とにかく、このラベルは37年とかの年代物で、分光器自体も1970年からですから47年の年季が入ったものです。まだ現役というのはすごいことだと思います。もちろん、まるで臓器移植のようにいろんなパーツが入れ替えられていますが。

上画像. RELABのコントロールブースにある機器のラックの側面に貼られたNASAジョンソン宇宙センターからの運送ラベル。
 

さて、水曜日からの日本・韓国への出張旅程です。

6月7日(水)ボストン発・バンクーバー泊
6月9日(金)関空着(茨木の妻の実家に滞在)
6月10日(土)熊本で講演・唐津・佐賀訪問
6月11日(日)福岡空港発・仁川着
6月12-14日(月-水)テジョンのKASIで集中講義
6月15日(木)ポハンのPOSTECHでセミナー
6月16日(金)ソウル大 天文学科 石黒研ゼミ参加・午後にセミナー
6月17日(土)プサンとテジョンを訪問
6月19日(月)金浦発・関空着(茨木へ)
6月20日(火)茨木に滞在
6月21日(水)鹿児島第一中高で講演
6月22日(木)高井戸第三小で特別授業2コマ
6月23日(金)益田高校で講演
6月24日(土)各務原に帰省・犬山の夢発心で懇談会
6月25日(日)金沢で講演
6月26日(月)厚木で講演
6月27日(火)極地研訪問・水戸で講演
6月28日(水)茨木に帰省
6月29-30日(木-金)阪大で実験
7月1日(土)関空発・ボストン着
 

いつものことながら、またまた過密な日程を立ててしまいました。家族の休暇旅行のはずだったのですが。近くに行く機会が合えば皆さん声をかけてください。講演会は公開・非公開色々ありますので、参加ご希望の方は個別に私にご連絡ください。

 

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